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2023年9月 長湯から久住高原へ

別府を後にして、内陸部へ向かう。

途中、いかにも山里の光景に出会った。

昼メシに立ち寄ったのは、道ならぬ水の駅おづるの湧水茶屋。周囲には大規模な水汲み場が3ヵ所もあり、ポリタンクなどを何本も並べて水を汲んでる人たちがいた。

いい水で作る豆腐や厚揚げ、油揚げなどが名物。それらを全部盛りした定食を食べたが、中でも厚揚げの旨さには驚いた。凄かった!
この人たちは可愛いレベル。中には、商売で使ってるでしょ、と突っ込み入れたくなる規模で汲んでる連中もいた。

さて、この後、長湯に向かったが、高台のカフェでコーヒーを飲もうと思っていたら、苦労して辿り着いたら水曜は休みだそうな。あらら。しゃあないので山を下り、これまで2回入りに来たことがあるラムネ温泉へ。

ここは何度来てもいいなあ。とりわけ露天風呂は、湯温がぬるく、身体中に泡が付いてくる。皆さん長湯になるから、結構混み合っていた。30分以上浸かった。

さて、コンビニで缶ビールなど買って、今夜の宿、かどやReに向かおう。古い宿だが改装したらしく、部屋は小綺麗になっていた。が、冷蔵庫はなく、共有のもないと言われてしまった。しゃあない。

窓の外には芹川の流れも見える。

ちょいと周辺を散歩。ここらで一番の老舗宿は大丸旅館。実はラムネ温泉もコテージの宿もみな大丸旅館が手がけた施設。

井戸もこの町によく似合う。
湯乃原天満社には茅の輪くぐりがあった。
天満社の絵天井。

河原にはガニ湯という露天風呂があるが、脱衣所も何もない。あるのは石の浴槽のみ、丸見え。さすがに入る勇気はないが、おっちゃんが悠々と服を脱いで入っていた。気持ちよさそう!

やるねえ、おっちゃん。

一度宿に戻り、御前湯という共同浴場へ出向いた。500円。今日は男湯は3階。高い天井の下、大きな内湯、狭い浴槽の冷泉、露天風呂と揃っていた。冷泉は人気、ぼくも好きだからしっかり浸かった。他の浴槽もいい感じ。

男湯と女湯は日替わりみたい。

宿に戻り、湯上がりのビール。一服して、日が落ちる頃、食事に出かけた。橋を渡った先の食堂、正直屋。一番乗り。瓶ビール、鯉のあらい、エノハ(ヤマメ)の唐揚げと塩辛、それから昨夜から野菜不足なので、野菜サラダ。

久しぶりに鯉のあらいを食べたが、上手に造ってあり、美味かった。
エノハ唐揚げも頭からガブリ。旨い。塩辛もよし。残念だったのはサラダ。千切ったレタスばかり、他の野菜も食べたかったのに。

他に客はいなかったが、間もなく、地元のおジイさんグループ、次におバアさんグループが、奥の座敷に入っていった。次に来たのは、香港からの旅行者6人グループ。壁のメニューをスマホで撮影して翻訳ソフトで解読しようとしていた。テーブルのメニューに写真が付いてるよと教えてあげた。長時間、皆さんで相談しながら、なんとか注文を終えていた。

ビールの後は地酒の冷酒。なかなか美味しい。
〆に頼んだのはスポネ冷麺。この店はスッポン料理も売りにしていて、スッポンの出汁をスープに使い、具にはスッポンの身も入ってるというので、注文したが、美味しくなかった。失敗。

宿に戻り、宿の温泉に入った。男女別になっていて、誰か入浴する時は使用中の札にする。すなわち貸切で入浴できる。

ちゃんと源泉掛け流し、少し温度が高めだったので水で埋めさせてもらった。

翌朝、一番で朝風呂。と、露天風呂があるのに気がついた。昨夜は暗くて見えなかったのだ。

温度も低めでいいのだが、掃除がちゃんとされてなく、底がぬるぬるして不快。

7時半前に女将さんが新しいお茶セットを持ってきてくれて、朝食を運んでくれた。

干物が焼きたてアツアツで美味しかった。

チェックアウトして、今日は西へ向かう。

温泉街の外れの道路沿いに桑畑湧水。空のペットボトルに汲ませてもらった。飲みやすい水。
そして、こちらはコロナド飲泉所。立派な施設を作ったものだと感心。味わってみると、炭酸泉ならではのほんのり酸味を含む味わい。

さて、今日1番目の温泉は、三船温泉。お宿の方に入ってしまい、案内を請うたら、下の別館が立ち寄り湯だと教えてくれた。入浴料は自販機で購入。地元外の人は400円。ここが素晴らしい。

内湯と露天風呂にドバドバと源泉掛け流し。紛れもない炭酸泉。独泉。気持ちいい。
こちらは露天。湯温は内も外もさほど変わらず。ぬるめで長湯できる感じ。
湯口のシュワシュワぶりが堪らん。

先もあるので、早々に上がったが、三船温泉良かったなあ。さて、お次はこれまた近くの七里田温泉。その下ん湯。最近、新しく建て替えたばかり。おお、いいぞと思って、中へ入ろうと思ったら鍵がかかっている。あれ、たしか9時から営業のはずなのに。電話番号は分かっていたので電話すると、すぐ上にある木の葉の湯で入浴料を払って鍵を受け取るのがルールらしい。行ってみると、なんと入浴料は800円、鍵の保証料1000円で返却すると返金されるという。なかなか強気やなあ。

7月から営業再開したばかりの七里田温泉下ん湯。
ここもラムネの湯と謳っている。
足拭きマットも真新しい。

さて、鍵を開けて入る。入ったら中から鍵を閉めるように言われた。無断入浴の防止だろうが、ここまでするかなあ。浴室はこぢんまり。洗い場も2つあるだけの素っ気ない造り。先の三船温泉と下ん湯は、温泉通の知人から勧められたのだが、さすがにここのお湯も凄かった。湯に含有される炭酸がハンパない。湯に浸かると、目線の先で注ぎ込んだばかりの源泉がプチプチ爆ぜまくって、窓から差す陽光にきらきら輝く様にうっとり見とれてしまった。ラムネ温泉露天以上に体中にびっしり泡がまとわりつくのだ。

二酸化炭素中毒防止のため、2ヵ所の窓は網戸になり、換気扇も回っている。
足を入れるとすぐに細かな泡がびっしり付いてくる。

いやあ、下ん湯、サイコー。40分ほど浸かってしまった。ちなみに入浴は1時間以内というルール。上がったら、ちょうど3人組がガヤガヤ入ってきたので、実にいいタイミングだった。
もうひとつ温泉へ向かう前に、せっかくここまで来たので、高原気分を味わおうと長者原を目指した。

長者原ビジターセンター裏のタデ原湿原。一面ススキ、秋真っ盛りの装い。
ヤマアザミの花にヒョウモンチョウ。
リンドウも咲いていた。

清々しい気分になったところで、筋湯温泉へ。ここも初めて。今日は初めての温泉ばかり。

狭い小径が入り組んで、大変好ましい筋湯温泉街。
本当に狭い路地奥にあった薬師湯。今日は男湯。入浴料400円。こちらと露天岩ん湯が交互に男性用女性用に入れ替わる。お湯はいわゆる美人の湯系、加水されて適温。存分に独泉。

以上、3つをもって本日の温泉巡りは終了。本気のマニアならもっと稼ぐのだろうが、素人にはもう十分なり。昼メシを食べに北上。

豊後中村駅近くのうどん亭 都。ごぼう天うどん、を注文したんだけど、なぜかエビ天うどんが出てきた。ま、いいかと食べさせてもらった。博多風のやわらかい麺。

空港へ向かうにはまだ早い。行ったことがない杵築の町へ寄ることにした。

きつき城下町資料館のすぐ上の展望台から、河口近くに立つ杵築城が見える。
杵築の町は両側の高台には武家屋敷、その間は低くなっていて街道が走り、町人の町だった。資料館側の高台から酢屋の坂という石畳の昔ながらの坂道を正面に見る。まるで、時代劇のセットみたい。

杵築はそれなりの観光地のようで、続々、ツアーバスが来ては団体さんがうろうろしていた。

今回世話になったスカイレンタカーの日産ノートeパワー。よく走る車だった。

大分空港からのピーチ便は、到着便が遅れ、2回にわたり出発時間が後倒しにされ、結局1時間遅れで成田へ向かった。夕陽に照らされた機体は、やがて闇に包まれ、満月手前の丸い月を右手に見ながら飛んでいった。

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