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2022年9月 高山

白川郷から、まずは高山市北部の千光寺へ。円空仏を見ようと思ったのだ。が、なんと、円空仏寺宝館は土日しかオープンしないという。あっちゃ、ひどいなあ。

千光寺、山門。
平日は前日までに事前予約が必要だったのだ。こりゃ失敗。
千光寺本堂前にはマニ車があった。もちろん、オンバサラ………と唱えつつ、回した。

しょうがないので、高山市内、駅近くの昨年オープンした新しいホテルへ向かった。駐車料金が宿泊者向け割引をしても1泊1500円、高いなあ。部屋はユニバーサルルーム、広くていいが、車椅子の邪魔にならぬようという配慮か、荷物などを置ける台がない。イスもひとつだけで、空間をもてあます。

hotel around TAKAYAMA。なぜか横文字名前のホテル。

一服した後、町並み散歩へ出かけた。まず向かったのは、高山陣屋。

陣屋の玄関を入ると、いきなり青海波のお出迎え。
陣屋の内部は思った以上に広かった。役所部分と役人の住まう官舎部分、
さらにはその使用人居住部などあれこれが一体化しているからだ。
部屋の長押などに打った釘を隠すための飾り金具。真向き兎の釘隠し、と呼ばれる。

陣屋を出て、朱塗りの中橋を渡り、古い町並みが残る三町へ。素朴だった郡上の町並みと比べると、ぐっとグレードアップされた感じ。ただし、観光客はぐぐっと多い。

看板も雰囲気のある物が多い。
高山祭の時に登場する山車を収める蔵が町のそこここに立っている。
軒下に祀られた神棚。どうしてこんな所にわざわざ安置するのかしら。

夕食の時間まで少し時間があるので、図書館で時間つぶしすることにした。図書館へ来たつもりが、そこには美しい洋館が建っていたので驚いた。この場所に明治時代に立てられたフランス風校舎を再現したという。当時、玄関に飾られていた鷹の彫刻が館内に展示されていた。

高山市図書館喚章館。地方の図書館へ行くと必ず、郷土関係資料のコーナーに行くのだが、
こちらは残念ながら該当のコーナーがなかった。代わりに、瀧井孝作ら
郷土ゆかりの文学者達の資料などを展示する近代文学館が設けられていた。

さて、そろそろ予約しておいたお店へ行く時間。駅の方へ向かってしばらく歩く。雨に降られなくて本当によかった。念のため、ホテルで借りた傘は持ち歩いている。今夜は樽平という居酒屋。

居酒屋、樽平。17時半からの予約をしていたが、入店すると、カウンターとその向かいにある小上がりは、客で埋まっていて、2席カウンターに空席があるのみ。
人気店のようだったので、予約しておいてよかった。
ざいご盛合せ。郷土のお惣菜。インゲンゴマ和え、こも豆腐、ゼンマイ、
大豆揚げ、ころいも煮。2人でちょうどいい分量。1人で来てるお客さんも
ほとんどが注文していたが、1人だと量が多いよなあ。他の物が食べられなくなる。

この後、石原さんの枝豆。茶豆だが、香りも味もいい。そして、牛スジ煮。これもスジを丁寧に下処理してあり、柔らかくて旨い。生ビールを飲み終え、飛騨の地酒飲み比べ、の冷酒バージョンをもらう。次の一品が凄かった。

これは絶品。庄村さんのホルモン焼き。様々な部位のホルモンを味噌味でタマネギと一緒に焼いていただく。実に旨い。部位ごとにそれぞれ美味しいのだ。モツが新鮮なんだろうな。
次の酒は飛騨の地酒飲み比べ、にごりバージョン。トロリとしたタイプ、
割とあっさりめなど個性様々。僕の好みは白真弓のにごり。

枝豆に続いて、石原さんの野菜シリーズ、トマトも美味しい。そして、これまた旨いぞ。

ちょいと塩した水ナス。ワサビをつけていただく。うんまいこと。
石原さんは、宮川朝市にお店を出していると教えてくれた。
こりゃ明日の朝、買いに行かなくては。

最後にノックアウトされたのは、飛騨牛のたたき。参りました。旨過ぎるわ。お勘定も極めてリーズナブルで、いやあいい店に出会えて良かった。ご馳走様でした。

飛騨牛の旨味がじゅわっと口の中いっぱいに広がった。
〆の酒は白真弓やんちゃ酒をお燗で。

ホテルに帰り、温泉大浴場へ。きれいな風呂だったが、お湯そのものはあまり温泉っぽくなかったのが物足りず。まあ、しゃあないか。

朝風呂は一番乗り。

翌朝、朝風呂を済ませてから、朝市へ向かった。2年前にできたばかりの行神橋を渡ったあたりに石原さんの露店が出ると昨夜聞いた。7時過ぎだがまだ店開きしていないようだ。土産物店で買い物をして、訊いてみたら、今準備中ですねと言う。目の前だった。

これが行神橋。令和2年に完成。


石原さんの露店。実は茶豆は今日で最終日。
早く行かないと売り切れるかもと昨夜教えられていた。
なんとか二番乗りで最終日の茶豆も買うことができた。
昨夜食べた野菜は一通り買わせてもらった。全部で700円は、いい買い物だったと思う。
石原さんの店の脇には秋葉神社。石の上に神殿が載っている。
7時前後は少し雨もぱらついたりしていた。そのせいか宮川河畔に並ぶ朝市の露店の数は
さほど多くはなかった。
由緒ある飛騨国分寺の門前にはさるぼぼ堂なる、
一見おふざけモードにも見える一角もあった。
宮川にかかる橋の中央には出雲神話ゆかりの手長像。向かいには足長像。

さて、ホテルに戻って朝食。こちらの朝食はビュッフェ式ではない。チェックイン時に洋食を選択しておいた。

はじめにグラノーラ入りのヨーグルト、次にスープが運ばれてきた。
濃くて美味しい地元の牛乳やジュース類、コーヒーなどはセルフサービスで好きな物を。
メインの料理は2つのボックスに入って運ばれてきた。焼きたてのパンも美味しかったが、
ソーセージの脇に添えられた小さなみたらし団子が受けた。

チェックアウト後、車は駐車場に置いたまま、飛騨高山まちの博物館へ。雨は上がっている。ここはなんと入館無料。いくつもの部屋に分かれていて、テーマごとの展示がされている。係の人が円空仏の部屋まで案内してくれた。昔の酒蔵と豪商の家、その跡地に蔵のような展示室を14も作っている。迷路のような中を速歩で歩く係の方に遅れまいと付いていった。

飛騨高山まちの博物館。入館無料。
典型的な円空仏。各地で開かれる展覧会にもたびたび出品されているので有名な木像。
金剛神像。
稲荷三神像。中央の仏の微笑んだ表情がなんともいえない。
思惟菩薩像。かつて庶民らは歯痛の観音としてこの像を拝んでいたそうだ。

久しぶりに見た円空仏は、やはりよかった。カミさん曰く、円空さんがいいと言うのは中年以上の男性ばかりだという。へえ、そうかなあ。1階の庭に面した民芸家具の椅子に座って一休み。

お庭を眺めて一服。
こんな椅子がほしいなあ。

ホテルまで戻るのに、100円で乗車できる匠バスという可愛らしいバスに乗った。高山駅に隣接するバスターミナルが終点。

匠バスの獅子号。

高山駅は最近新しくなったばかりのようだった。

新しい特急が走り始めたばかりだが、構内にいたのはそれではないようだった。
モダンな駅に生まれ変わっていた高山駅。

さて、ホテルの駐車場から車を出し、円空仏つながりで、関市の円空館へ向かうことにした。円空は晩年、江戸時代に廃寺になっていた弥勒寺を再興し自坊とし、その近くの長良川畔で入定した。入定塚にも近い弥勒寺跡に円空館はあった。かっこいい建物。

展示物は円空仏と、地元で続く小瀬鵜飼、弥勒寺遺跡発掘物などの資料。
善財童子像が印象的。

さて、名古屋駅で車を返却し、新幹線に乗車する前に、旅の最後の食事。味噌煮込みうどんを食べるかと話していたが、さすがに暑いのでパス。きしめん屋に入り、味噌串カツとのセット、さらに追加で、どて煮を注文。赤味噌尽くしで〆とした。

ざるきしめんと味噌串カツセット。他に生ビールとどて煮。


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