ブォーン！と大きなトラックが家の前を通り過ぎた朝。ちょうど朝食を終えたくらいに、そのトラックが向きを変えて戻ってきてうちの前でピタッと止まりました。

「ピンポーン」

　とドアベルが聞こえた瞬間、お、これは！と勘づきました。

そうです。ついにCDが届いたのです！予定よりも10日以上も遅れて届きました。こんなご時世なので仕方がないことなのですが、待っている方はまだか、まだかと待ち遠しい毎日でした。でも「無事に届いてくれてよかった、よかった〜（涙）」とCDの入った段ボールを思わずヨシヨシしていました。実際CDを手にすると「おお！」と感動するものですね。思ったよりも良い質感。おかげさまで自信を持ってお出しできる作品に仕上がりました。

もうすぐ皆さんの元にお届けできますからね！

　さて、今回はアルバムの裏話の最終回。【デザイン・プロモーション編】です。この作品のデザインを担当してくれたのは、実は我がギタリストで作曲家で作詞家でプロデューサーでもある阿部大輔さんなのです！身内なのでなんだか綴りながら照れくさいですが、こう肩書を並べるとすごいですね。かなり多彩ですよね。毎週木曜に配信している夫婦ジャズ教則動画『セッションの心得』の編集もやってくれています。もう大輔さん無しでは今の私もいなかったと言っても過言ではありません！本当ありがたいです。

　実は大輔さんはNYで私が第一子を妊娠中、仕事ができなくなるので副業としてグラフィックデザインの仕事をしていた時期がありました。もともとグラフィックデザインは少しできた大輔さん。運よく、ハイレベルなデザインを求められるガチな会社で当時は締切に追われ、ずっとコンピューターと向かい合っている生活でした。「ごはんだよ」と言っても「あぁ‥」っていう感じで黙々と食事を済ませ、「ごちそうさま‥」とまたコンピューターに向かう。そして出かける5分前にギターを少し弾いてウォーミングアップをしてから「行ってきます」とギターを背負い、ガラガラとアンプを転がしギグに出かける生活でした。生活は少しは楽にはなったのですが、大好きなギターをあまりにも弾き足りない大輔さん。忙しすぎて、会話も減って、段々と本人の顔の表情も無くなってきたので、さすがに心配だったNY時代もありました。

　そんなこんなでその時代に培ったスキルが今にいきてくれています。私たちのデュオ3作、UoUの3作とも大輔さんのデザイン。その他にもたくさんのNYのアーティストのアルバムカバーを手がけている才能の持ち主なのです。私も大輔のバーン！とダイナミックでいてシンプルなデザインが結構好きで、しかも色々と横で遠慮なく口を出せるっていうのがありがたいのです。今回は前回紹介したこのプロジェクトに参加してくれたアートディレクターでもある本條エナちゃんと連携して制作してくれました。

前回の記事です。

　 こうしてみんなのサポートで無事に出来上がった作品。これで「よかったね、おめでとう、一件落着！ではありません。こんなにみんなの愛を受けてできた作品をみんなに「ここですよ〜！いいのできました！」って発表していくのです！もうこれは『自分のもの』ではなく、みんなで作り上げた一つの素晴らしい作品という認識です。あんなにたくさんの労力と愛をみんなにいただいてできたせっかくの作品です、地球サイズのメガホンがあったら大きな宇宙に届くくらいの声で「いいのできました！！ぜひ聞いてくださーい！」と叫びたいくらい。このnoteで綴っていることもプロモの一環ですが、色んな方にあたってこのかわいい作品を知ってもらう工程中です。本職はミュージシャンなので、手探りで考えつくところに色々あたってみているところです。（もし誰かお手伝いしていただける方やいい情報ある方がいたら、連絡ください。よろしくお願いします！）たくさんの方の協力を経て、あんな雑誌やこんな雑誌にもこの作品が顔を出す予定ですので、お楽しみに！

　今回の裏話を綴ってみて改めて自分1人では何もできないんだな、本当に多くの才能のある方達のおかげでここまで来れたのだと実感しました。私がやったことといえば、曲を書いて、練習して、録音してって程度ですが、一つの作品を作り上げるのって本当に大変なことなんですね。でも私の「やってみたい！」というひらめきからスタートして素晴らしい出会いや愛をたくさん感じることができました。みんなで一つのものを作り上げるっていいものですね。やってみて本当によかった。これまでいいことしかなかったです。そしてこれからも。勇気を持って前に踏み出すと素敵なことって起こるものですね。