40代に入った。

当たり前だがそんな実感もなく、ただ記号の上で1つだけ年齢を重ねた、というのが今の正直な気分。歳をとると年齢がどんどん記号化するというが、まさにそういう感じ。20代の頃から特に生活が変わったわけでも無く、寝て、起きて目が覚めたら40歳になった。今のところそれ以上でも無ければそれ以下でもない。強いて言うならば、今日は月曜日。先週の時点で年内の仕事は片付いたのでそのまま年末年始休暇に入ってしまおうか、と考えていたが、別の仕事というか、尻拭いが舞い込んできてしまいそれもかなわず結局仕事をすることになってしまった。40代のスタート、まぁこんなもんでしょう。

30代の10年間はどんなもんだったかなと振り返る。良いか悪いかで言えば悪かった気がする。良い事もたくさんあったけど、記憶に残るのは悪い方の出来事が多いので、そういう意味で少なくとも良い10年間ではなかったように思っている。でもその悪い出来事を振り返り、噛み締め、反省を繰り返し続けたことで、最近の数年は割と良い方向に色んな事が進み始めたというか、ようやく地に足が付きつき始めてきているのか、という感覚が産まれてきたのでそういう悪い事も捉え方を変えれば良かった様な気もする。

30代の大きな出来事と言えば一般的には結婚だったり、子供が産まれたり、ということが多い様な気もするし、この10年間はそういう場所や瞬間に多く立ち会ってきた様な気がする。そういうところを直視せずのらりくらり交わしてきたこともあって、引き続き現実味を感じないまま今に至る。当然ここに至るまで、親類その他、様々な人間との議論があったし、何ならここ最近プライベートはともかく、仕事関係の人間と酒の席に行けば2回に1回はこの話題になる。つまり、独身であることが希少な存在であるということを嫌でも思い知る機会が割と増えてしまった。逆にここまで向き合う事もないというか、普通の既婚者ならもうこんなこと話題に上らなくなると思うので、結婚や子供を持つことに対して恐らくかなり色々と思考が深まった。その思考を経て、やはり結婚というものはそもそも自分に合っていない、という結論に達した。そもそもメリットデメリットで考えてするものではないとは思うので、こういう思考プロセスを踏んでいること自体が結婚に向いていない。

そう思うきっかけになった要因の1つは恐らく猫と暮らし始めた事。本当に偶然の出会い（家の前でぶっ倒れていて気付けば家に居ついていた）から、もう10年。ちょうど30歳の年齢の時からなので、丸10年間猫と一緒に暮らしている。時々悪戯をしたりするが、基本的には手がかからないし、お互い好き勝手家の中で暮らしているが、自分以外に命がそこにあるという感覚はある種の寂しさという感情から自分を遠ざけてくれ、安寧をもたらしてくれることがわかった。そこにいるだけで良い、という存在は生きている中でそうそう出会えるものではないし、そういうことを教えてくれたのが猫だった。恐らくこの先の10年のどこかでこの猫は先に向こう側に旅立ってしまうだろう。そう思うと今から既に憂鬱な気持ちが襲って来るが、そういう事も覚悟した上で一緒に暮らしている。30代において猫の存在というのは本当に大きかった様に思う。

仕事の面で言うと、30代は転職を重ねた10年間だった様に思う。もっと言えば30代前半の5年で4社というかなり短いスパンで転職を繰り返した時期だった。そうやって戻ってきた会社が新卒の頃に出向していた会社、というのも戻るところに戻ってきたという感じ。ちなみに今の会社では6年を経過して7年目。前半の3年ぐらいは色々あって辛い時間が多かったような気はするが、ここ最近はようやく持ち直して何とか上昇基調にある。細かい事を言えばキリがないし、そういう細かい所を置いておく、ということができるようになったのも最近な気がする。言い換えれば丸くなった、或いは棘が無くなった、なのか色々と表現する方法はあるが、その他大勢のサラリーマン、という感じで東京に紛れることに対してあまり抵抗はなくなった。前半で重ねた転職も今思えばもっとうまくやれたと思う事も多いが、そういうプロセスを経ての今の立ち位置だし、振り返ったところでその時間が戻ってくるわけでも無い。という感じで色々思ったが今となっては受け入れられていると思う。

その他何があったかな、と思うとそれなりに酒は飲んだし、人脈も増えたような気もするし、同じぐらい減ったような気もするし、10年前から今でも連絡を取るような人はだいぶ少なくなったように感じる。それは即ち友達が減った、ということなのかもしれないが、多ければ良いってもんでもないというのはこの10年で学んだことの1つでもあるので、今でも連絡を取ってくれる人達というのはとてもありがたいものだと思っている。3

こういうものはなんとなく思いつくままに書いたほうが良いかなと思っているのであまり深く考えず、思いつくままにキーボードを叩いて行ったら、それなりに色々思い浮かんだらこんな感じ。

30代が始まるころ、この先の40歳までどういう人生になるのか、なんて考える余裕はなくてとにかく酷い状態だったことは覚えているけど、40歳を迎えた今はそれに比べれば幾分状態は良くなっているし、この先の10年、もう少し短く考えて5年、更に具体的にはこの先の1年どうしようかな、みたいなことは考えられる様になっているのは喜ばしい事だと思っている。具体的に何をするとか、そういうところまでは落とし込んで考えていないけどパッと思いついたのは他人がどうとかじゃなく、もっと自分を信じようというか、比較しないで生きていこう、ということ。あとはそろそろ老後の事も考えていこうかな、ぐらい。

とりあえずまだまだ自由に好き勝手したい。
そんなことを考えながら最近よく聞いてた曲