ミーハーでもいいじゃない

「ミーハー」という言葉はしばしば悪いニュアンスで使われる。

流行っているものに流されて、とっかえひっかえ楽しんでるような、おぼろげなイメージが共通認識としてあるのかもしれない。そもそも「流行ってるものに流されるのってなんかダサいよね」的な空気感があるような気がしないでもない。

で、私は骨の髄までミーハーである。多分、2016年頃に君の名は。とかシン・ゴジラを「流行ってるから」という理由で観に行った頃からミーハーだと思う。そして、ミーハーなのを後悔したことは今まで全くと言っていいほどない。むしろ良いことづくめだったので、私はミーハーになるのを結構おすすめしている。

流行るものはクオリティが高い

当たり前といえば当たり前の事実。世の中に受け入れられるものは圧倒的なクオリティの高さと目新しさがある。

日本人が心の中で密かに感じている恐怖をゴジラという形で具現化し、立ち向かう姿を描いた傑作「シン・ゴジラ」。ジャイロとTPSの相性の良さを知らしめるとともに、明るい世界観で日本人にも広く受け入れられたTPS「Splatoon」。ハードな世界観の中で人の思いの連なりが巨悪を打ちのめす様を描いた「鬼滅の刃」。どれもこれも飛び抜けて出来が良かったし、触れたらドハマりしてしまう。コンテンツが溢れかえる現代で「何に触れよう?」となった時、とりあえず流行っているものに目を向けるのは、決して悪い選択肢ではないだろう。

楽しみを共有しやすい

SNSが発展した現代においては、これも大事な要素の一つ。流行ってるものには人が集まる。人がたくさんいるとその分盛り上がるので、同じ話題で楽しめる機会も多い。自分の感情の揺れ動きが他人にもすぐさま理解されるので、結構心地が良い。地味に嬉しいのが、自分の中にある言語化できない感情を言語化してくれる人が必ずいること。これがとてもありがたかったりする。

離れても興味は残る

もちろんミーハーは長い間同じ場所には居続けない。今いる環境が刺激的ではなくなると、すぐ別の場所に移動する。けどそれは完全に興味を失ったことを意味しない。何かあればまた戻ってくる。

多数派は意外と多くない?

日本で一番売れている漫画がONE PIECEで、だいたい1巻につき100万部以上は売れている。つまり少なくとも100万人以上が読んでいるわけだ。もちろんこれはとても多いのだが、日本人の人口が1.2億人。単純計算で、ONE PIECEを読んでいる日本人は100人に1人もいない。1巻から最新刊までしっかり読んでいて、なおかつアニメや映画も欠かさずチェックしている人はもっと少ないだろう。

まあ、ミーハーも全部読む前に飽きる可能性は十分あるが、ここで言いたいのは、多数派は皆が思っているほど多数派じゃないということだ。日本一売れている漫画でも、最新刊を買ってるのはせいぜい100人に1人と考えれば、印象も変わらないだろうか?


私がミーハーな理由は上記の通り。もちろん、マイナーな作品に熱中するのも、一つのことにこだわるのも一つの選択肢。けど、ミーハーな生き方も同じくらい支持されるようになったら嬉しい。

ちなみに、私がこうやってnoteを書き始めた理由も「なんか最近流行ってるから」である。

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