未来の俺を救うために、いまの俺は写真を撮っている
カメラロールをながめていて目が止まる一枚には、感情が動いた欠片のようなものが写っている。
美しい、おもしろい、きれい。
おいしい、楽しい、気持ちいい。
あったかい、うるさい、気にくわない。
切ない、苦しい、悲しい。
未来の俺はそれらの写真を見て、美しかった風景や、美味しかったご飯や、苦しかったあの時間を想う。
あのときの俺はこういう気持ちでいたんだ。と振り返る。綺麗な花を見つけ、会話を楽しみ、悔し涙を浮かべていた過去の俺のことを、ちょっと誇らしく思ったりする。
素晴ら