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当たり前に、無い世界

序文

元日からの石川県を中心とした令和六年能登半島地震。びっくりしました。
被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。また、亡くなられた方も多数いらっしゃるように報道が出ております。ただただご冥福をお祈りいたします。

東日本大震災を経験した人間からすると、とても心がざわつく出来事で、胸が痛むばかりです。それに付随する現場やネット上などの混乱があまりにも耐えられず、しばらく静かにしておりました。情報遮断も自己防衛ですので。

とはいえ何かせねば、という気持ちもだんだん出て参りまして、以前書いた震災対策エッセイ「為になるようで為にならない、少しだけ為になる被災者ガイド」を読み直したりTwitterでアップしてみたりしておりました。
小説家になろうにて掲載
https://ncode.syosetu.com/n5030dw/

あまり普段報じられなかったり、そういやこの辺どうなってるの?という情報を書いてみたものでしたが、読み返すと不足しているような事がありましたので、今回何回かのシリーズで書きたい事を書いてみようと思います。尚、推敲等なしの一発書きですので、読みにくいところもあるかと思いますがご容赦を。とにかく間違いがないようにだけは気を付けます。
最新情報を取りつつ、出来得る限りの応援をしてまいりましょう。

今回の内容のテーマとしまして、「無い」を掲げております。
震災で当たり前にあったものが無くなる。身近な物が無くなる。何が無くなるでしょうか。それが無くなるとどうなるでしょうか。そう言った事を皆様と共有していければと思います。

道がない!

古代ローマが強かった理由をご存じでしょうか。
優れた指導者がいたから?すごい武器を持っていたから?それもあるでしょうが、最大の理由は「道を整備したから」だと言われています。
ご存じでしょう、「すべての道はローマに通ず」。そう言われるくらい、ローマは道路の整備に力を入れました。
何故でしょう?
道路が果たす役割を考えれば分かりますね。
人が行き来しやすくなります。物資を大量に運びやすくなります。
どちらも戦争に係わる重要な要素ですね。
人が幾ら居たって、食料が無ければ飢え死にます。食料の事を兵站(へいたん)と言いますが、それらを如何にスムーズに届けるかが軍事力を維持できるかのカギでした。
それは現代においても変わりません。
道がある事によって大量の物流が成り立ち、私たちの生活は豊かさを維持できています。

しかし今回あらゆる道路が寸断されてしまいました。
がけ崩れ、液状化現象、ひび割れ、その他諸々。
そうなると車は通れません。車が通れなければ、物資、兵站を運ぶことができません。
東日本大震災の際にも道路は寸断され、物があっという間になくなりました。補給されないんだからそりゃそうですね。
東日本大震災の際には高速道路が役に立ちました。血管網のように東北中に伸びていて、関東圏からの物資補給、あるいは人の補充に役立ちました。高速道路は当然緊急車両のみの通行が許され、スムーズに動いた事を覚えています。

今回の石川県の場合にどうなっているかは分かりませんが、とにかく山また山の地形で寸断、孤立してしまっている地域が多いようです。現状一般道を使わざるを得ず、四苦八苦している様子です。

そんな中、関係のない人間が出てきているようで、万一パンクなどでその道路を寸断した場合どうなるでしょうか。
届くはずの物資、食料は届かず、それを食べて生きられるはずの人が死んでしまう事も十分あり得ます。つまるところ、間接的な〇人ですね。
たかが道一本塞いだだけじゃないか、と思うかもしれませんが、田舎に住むと分かるのですが道一本塞がると終わる場所は幾らでもあります。
関東圏で身近な例ですと、山梨県がそうですね(とばっちり)。2014年山梨県に大雪が降りました。その際主要幹線道路四本が塞がり、全方向からの物資調達が困難になりました。(通称:平成26年2月雪害)ヘリコプターで運搬したのは皆さまが知るところです。
道が塞がるという事は、大変恐ろしい事なんです。なので皆様、気軽な気持ちで被災地に向かわないように。

一般車が立ち往生してしまう理由を以下に羅列。
・パンク:がれきや釘、ガラス破片など、何が落ちてるか分かったもんじゃない。段差も激しく、タイヤへの負担はでかい。
・道路が沈下してる:よく見かける光景ですが、道路は大体沈んでます。しかし土管はそのまま残るので、つくしのように道路に生えています。冗談抜きで。沈下しているという事は、いつ崩れてもおかしくないという意味ですので、危険性はマシマシです。
・ガソリンがない:被災地域でよく見る光景。ガス欠です。現地で補給できると思わないでください。というかどうして補給できると思うんですか?
・がけ崩れ:瓦礫、土砂、倒木など、それでなくても道路は簡単に寸断します。それをどかせられないのに通ろうとしてはなりません。
などなど。思いつく範囲ですので、まだまだあると思います。

他人事じゃありません。
あなたの街でひとたび大震災があったら、寸断してしまうのはあなたの街の道路。どこが塞がるか分かりません。
助けを求めるにはどこを通りますか?
食料を手に入れるにはどう通ればいいですか?
近所の避難所はどこにあるか、道を確認してますか?
ぜひ想像してみてください。そして家族がいるならば、事前に話し合っておいてください。
いつどれくらいのが来るか分からないのが地震。今の内から備えておきましょう。


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