過去問の取り組み方の一例

秋になり、6年生は過去問に取り組む時期になりました。

過去問への取り組み方について、保護者様からの質問があったので、個人的な考えをまとめました。

大前提として、塾からの指示があれば、それに従っています。
「どうすればよいか、全部決めてくれ〜」と言われれば、以下のようにお伝えしています。

自分は国語しか扱っていないので、国語に限った話として一つの参考にして下さい。

①きちんと復習できる分量にする

過去問は、できるだけたくさん解くのが良いです。とはいえ、

やりっぱなしではなく、
・知らなかった知識をちゃんと覚える
・まちがえた問題を復習して納得する

という時間を作れる限りにおいて、です。

これからは、塾のテストよりも過去問を大事にしていく時期だと思います。

どの教材をやっても、正しく復習すれば力はつきます。ですが、どうせやるなら志望校の傾向やレベル感、学校の先生からのメッセージを受け取れる教材のほうが良い。そう考えるとやっておきたい教材はやっぱり、過去問です。

塾も通いながらだと、一週間で1回分、多くて2回分が限度でしょう。復習も必要なので、できる範囲で分量を設定してください。

②志望の度合いに準じた比率で

次に比率は、志望の度合いが高い学校であるほど多く、です。
たとえば、
第一志望 10年分
第二志望 6年分
第三志望 5年分
第四志望 3年分
このような感じです。

ただし、第一志望の出題傾向がある年度を境にガラッと変わってしまった場合(あまりないと思いますが、渋幕H27以前とH28以降の物語文の出題傾向の違いなど)は、それ以前の過去問をやる意義は薄くなるかもしれません。

上記の年数は、これだけやれば十分過ぎる量なので、あくまで「比率」の参考、とお考えください。

③均等に取り組む

分量と比率を決めたら、これを、均等に回していきます。

1→2→3→4→1→2→1→3→1→2→1→4・・・
たとえばこんな感じです。

どの年度からやるかについては、個人的には、傾向が変わっていなければ、
一番新しい2〜3回分は最後にとっておいて、新しいものから掘り下げていくのがいいかなと思っています。

最新のものからやっても一向に構いません。
が、どちらかというと、
・最新のものは、できるだけ成長してから解いたほうが精神衛生上良い
・直近の傾向が記憶に残っている状況で本番に臨んだほうがよい
という考えから、最新のものは取っておいても良いと思っています。

ただ、前日に去年の過去問を解いたらボロボロだった・・・ということもあり得ます。考えうる限りで最悪のパターンですね。そうならないために、本番の2週間前以前くらいには全て消化しておいたほうが良いと思います。

また、最新の過去問に新傾向が見られるならば、早めに取り組んでおいたほうが良いです。取っておくと良いとはいえ、大人は最新の問題に目を通しておく必要があるわけですね。

注意点

ここで注意したいのは、
いくら第一志望とはいっても、現在の実力に比べてはるかに高いチャレンジ校である場合は、実力相応校の比率の方を増やしたほうが良い、ということです。

第一志望がチャレンジ校である場合、現段階では「太刀打ちできない」ということも考えられます。その場合、解いて復習したとしても何がなんだか分からず、得られる教訓のないまま「ただひたすら難しいということだけがわかった・・・」となってしまうこともありえます。これだと国語の学習としても有効とは言えません。(志望先を再考したほうがいい気もしますが、人によって様々な事情があるでしょう)

その場合、
第一志望 3年分
第二志望 5年分
第三志望 5年分
のような割合になることもあるでしょう。

そのあたりは直近の模試の結果を冷静に分析して決定する必要があります。

④解き直しはしないが、振り返りはする

一度取り組んだ過去問を「解き直す」かどうかについて。

算数ならできるまで解き直したほうがいいと思います。ただ国語に関しては、基本的には一度やった記憶がある以上、本番の再現にはなり得ないので、時間を計って解き直す必要はあまりありません。別の過去問を進める時間を作ったほうが良いです。(半年後に解き直す、なら練習としてアリかもしれませんが)

ただし、復習と「振り返り」は大切です。

一度取り組んだ過去問は、直後の復習の段階で「その問題の全体像を頂上から見下ろす体験」をしておきたいものです。たとえば、記述であれば、どういう要素が必要だったか、どう書けば良かったか、理解してから次に進みたい。

そしてしばらく経ったあとに、何度となく「振り返り」をすることは非常に重要です。自分の「読み方/解き方」と、正しい「読み方/解き方」とのすり合わせをしていくわけですが、これは時間を置いて繰り返すことによって、だんだん深まってくるものだと思っています。

そういう意味では、過去問の間違いをまとめた復習ノートがあると、効率的に何度も見返すことができて、非常に有効だと思います。

(サピックスの生徒さんであれば、夏休みに有名中に取り組んだと思いますが、その時に提出した「確認ノート」のようなものを、志望校の過去問でしっかり作っておくことができれば、強いです。)

できる限り、がんばってください!

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