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【建築学生向け】建築小規模アトリエ、中規模アトリエで合計3年間アルバイトをした私の体験談

こんにちは。クロコです。

今回は、建築学生に向けた記事を書こうと思います。
いつもはインテリア関係の記事を書いているのですが、過去に建築学科の後輩から「建築事務所でアルバイトってどんな感じなの」「どんなスキルがあったらバイトできるの」「そもそもどうやってアルバイトに応募したらいいの」と言ったことをよく質問してくれていたので、記事としてまとめて見ようと思います。

経歴



ます初めに、クロコって誰やねん!!という質問にお答えしたいと思います。

私は建築系の大学院で意匠系の研究をしています。
大学一年生の冬から一年間、社員さん2名の小規模アトリエでアルバイトをしていて、その後二年間は社員さん約20名の中規模建築アトリエでアルバイトをしていました。

建築系のアルバイトってどんな感じ?


よく聞かれる「建築事務所のアルバイトってどんな感じ?」という質問に対して、いろんな意味が含められていると思います。
仕事内容であったり、雰囲気であったり、、、
そんなわけで、私が思いつく「どんな感じ?」に対しての返答をざっくりっと「仕事内容」「雰囲気」「お給料」に分けて書いていこうと思います。

仕事内容

小規模アトリエ


・模型作成
小規模アトリエにいたときは、まだ学部1年生でCADが使えなかったこともあり、模型の作業のみでした。基本的に作るのは住宅の模型のプレゼン用模型で、テクスチャなども貼ってリアルな模型を作ります

社員さんとの距離がとても近いので、模型などもこうするといいよとアドバイスをかなりもらえていました。この時に育てていただいたスキルが、この後の中規模アトリエのアルバイトで生きたのは言うまでもありません。

ほかにも模型の指導を頂きながら、「住宅ってこうなってるんだよ」とか「図面ってこんな順番で書くんだよ」等、仕事に直接関係あることや建築全般の知識について教えていただけたのが良かったです。

中規模アトリエ


・模型作成(スタディ用、プレゼン用)
・3Dモデルの作成
・図面修正
・法規関係のチェック
・図面スキャン


模型作成
スタディ用とプレゼン用のどちらも作ります。
基本的には白模型の作成でした。

3Dモデルの作成
もっとも作業時間が多かったのは3Dモデルの立ち上げでした。
アルバイト生にモデルの立ち上げ全般を任せる理由として、「モデルを作ることができる人が少ない」+「図面があればそれ通りに作ることができる」+「時間がかかる」といった理由が挙げられると思います。

図面作成
図面作成は“作成”の段階からやらせていただく事はレアだったかなと思います。
部屋の展開図などは、平面図、断面図、建具表が準備されていれば描けるので、一から描く機会は何度かありました。
基本的には社員さんが描いた図面をプロジェクトリーダーがチェックして、赤ペンで修正されたものを私たちが直すというような感じでした。

法規関係のチェック
法規関係のチェックというと難しく感じてしまいますが、詳しくご説明すると、各室が助成金を受けるための面積に届いているかどうか算定する作業です。
CADで面積を測って記載する感じでした。

図面スキャン
改修等のお仕事をするときには、お客様から一時的に預かった図面をスキャンして、データ化します。
そのスキャンをするお仕事です。

雰囲気


どちらもとても優しいアトリエだったので、言葉で言い表し難いのですが、下の様に対比できるかなと思います。

小規模アトリエ


家族みたいな感じです。休憩や休みも自分の裁量でとっていいです。その代わり労働時間長いかなと思います。

中規模アトリエ


学校みたいな感じです。休憩や休みはルールがあります。休みと仕事の時間がはっきりと分かれている感じです。

どちらも一長一短あると思います。結局は自分に合っているのかいないのかが一番大きいと思います。
また、その中にも職場の人間関係に当たり外れはあるとは思いますが、アルバイトはそんなに気にならない範囲で仕事ができると思います。

お給料

貧乏な大学生にとってお給料も重要なポイントの一つ。お給料に関しても書いていこうと思います。

小規模アトリエ

歩合制でした。何時間働いたからいくらというのではなくて、模型一個につきいくらという感じでした。私がいた所は模型一個で1万円から2万円でした。他にも、ご飯は毎回連れて行ってもらっていたので、食事代も浮いていました。

中規模アトリエ

時給制で、時給900円だったと記憶しています。

必要なスキル

もっとも重要なスキルは自分を売り込むスキルです。
もっと具体的に言うと、自分を雇ってほしいと言う勇気と交渉術です。

最初は何もできなくても、図面スキャンなどの誰でもできるお仕事はあると思います。建築学生だと、模型作りは1年生から学び始めると思いますが、その時点の実力でも全然大丈夫です。事務所でどんどん成長して行くので、その点に関して「何もお手伝いすることがないんじゃないか」と不安になることはないので安心して下さい。

3DCADに関しては、アトリエによって使うソフトがさまざまです。まずはアルバイトしたい旨をメール等で連絡してから、その際に使用しているソフトを聞いて、アルバイトが始まる前に練習をしておけばいいと思います。

ぼくもアルバイトし始めた時は、チュートリアルを一通りやったくらいでしたが、わからないところは社員さんに聞いたり、調べたりしていくうちにできるようになったので、安心してください!

アルバイトをするメリット、デメリット

建築系のアルバイトをする前に、アルバイトをすることで生じるメリット・デメリットは把握しておくといい判断材料になるかなと思います。

メリット


メリットはざっとこんな感じです。
分かりにくい所は補足して書きますね。

・設計、施工の流れがなく分かる
設計以外にも、施工現場や竣工後の現場を見る機会があります。その際に説明をもらえるので、施工の流れもなんとなくわかるようになります。
・法規に関して知れる
・図面作成、3DCAD等のスキルが身につく
・建築系の雑誌を読みまくれる

建築系の事務所には、お客さんに事例を提案するため、社員さんのスキルを高めるために新建築などの雑誌が毎月購入されおいてあります。そう言った雑誌は聞けば読ませていただけることが多いです!
・実務に関しての知識が身につく
・働いた時のイメージが湧く

デメリット


逆にデメリットはこんな感じです。

・お給料が少ない場合が多い
・学生特有の、バイト先での男女の出会いは少ない

基本的に学生アルバイトはいませんし、同世代の社員さんもレアです。お客様と直接的に関わることも少ないため、出会いを求めて建築系のアルバイトをするのはやめた方がいいかもしれません。。
・コミュニケーション能力が育ちにくい
基本的にデスクワークが多いアルバイトです。
居酒屋さん等の飲食店で働いている方と比べれば、コミュニケーションを磨く機会が少ない職場です。

まとめ


「建築小規模アトリエ、中規模アトリエで合計3年間アルバイトをした私の体験談」、いかがでしたか。

ある程度の概要がお伝えできていればいいかなと思います。

いろいろと書きましたが、一番大事なのは自分を売り込む力です。会社の経営者は熱意溢れる人が多いです。「アルバイトさせてほしい」と熱意のある学生が頼み込むと、雇ってくれることが多いです。

最後に大事なことを一つ。

建築事務所は優秀な社員を育成するためにアルバイトを雇っている確率が高いです。
私達学生が会社にもたらすことができる利益はほんのわずかです。それなのにアルバイトとして雇ってくれるのは、会社は学生を目先の労働資本としてではなく、将来に向けた投資の対象として扱ってくれているからだと思います。
もし少しでもアルバイトをしていて「この会社いいな」と思ったら、その会社に就職するのがいいのかなと思います。

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