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「ビール麦金子ゴールデン発祥の地」

ビール麦芽用大麦の名品種

★ジャンル【農業】
★場所 練馬区豊玉南2-15-5
★最寄駅 西武新宿線野方駅

★碑文
「ビール麦「金子ゴールデン」は、明治三十三年(1900)篤農家 金子丑五郎によって東京市北豊島郡中新井村の当地で育成されました。翁は 江戸末期の文久元年(1861)十月二十日に生れ、優れた先見性と旺盛な研究心、地道な努力を積み重ね、米麦をはじめ野菜の品種改良にも情熱を傾け、近郊農家の経営安定に大きく貢献しました。特に国産ビールの需要拡大を予見し、輸入品種と国産種の自然交配から「金子ゴールデン」を選抜・育成しました。つくりやすい性質から当地では「矢羽」の愛称で、昭和二十五年(1950)頃まで盛んに生産されていました。翁が改良した種子は、貴重な遺伝資源として「独立行政法人 農業生物資源研究所ジーンバンク」に永久保存されています。練馬区豊玉が生んだ翁の功績を地域文化として伝承し、都市農業の振興のため, 平成十五年翁を慕う農民等が相集い、栽培の復活に取り組みました。努力の甲斐あって、多くの人々が喜びを共有して国産ビール黎明期の味を楽しんだことを、翁の功績と共に後世に伝えるため、碑を建立します。」

★解説
 駅から徒歩では遠いです。野方駅から環七沿いを北上して15分ほど。環七右側の豊玉氷川神社境内にあります。豊玉中というバス停が近く、野方駅からバスが出ています。碑は境内真ん中のいい場所にあり、脇にはJAが設置した解説板もあります。写真がないのですが、碑は後ろから見るとビール樽を割った形になっています。
 実は正確にいうと「ビール麦」という麦はありません。純粋なビールは大麦とホップと水だけで作りますが、大麦には主に二条大麦と六条大麦があり、ビールに使うのは二条大麦です。これに対し麦飯などの食用は六条が多いです。二条と六条というのは、大麦の穂を上から見たときに、麦粒が2列に並んでいるか、6列に並んでいるかの違いだそうですが、私は実物を見たことがないのでよくわかりません(笑)。
 さて幕末に日本にもビールが入ってくると、さっそく国内でのビール作りが試みられます。ウイスキーなどの蒸留酒と違い、ビールなどの醸造酒は冷蔵設備がない時代には遠方に運べず輸入できません。特にビールは鮮度も重視され容量も大量なので、今でもビール工場は大消費地の都会のそばにあります。
 原料の麦は当初は海外から持ってきた品種をそのまま植えていましたが、次第に日本の気候風土にあった新品種の開発が進みます。現在、国産ビールに使う麦芽の

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