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いざ出陣!侍展!

9月の三連休前半、現在福岡で開催されている『特別展 侍 ~もののふの美の系譜~ The Exhibition of SAMURAI』に行ってきました!

今回の旅行は三日間かけて熊本~福岡の細川家ゆかりの地をめぐる旅。一日目、二日目と熊本を歩き、三日目に福岡は福岡市博物館にて開催中の展示会へ足を運びました。いつものごとく長くなりそうなので、この記事では旅の目的の一つである『侍展』のことを書き綴っていこうと思います。(なお、展示会レポなのでお写真は今回少なめです。)

『侍展』は「武士団が勃興した平安時代中期(11世紀)から桃山時代(17世紀初頭)にいたる、約600年間にわたる甲冑・刀剣等の優品約150点」を一堂に集めるという滅多に無い機会の大きな展示会。初日当初から大勢の来場者で賑わい、公式ホームページやツイッターではその様子が連日公開されています。つい先日は10日足らずで一万人を超えたそうな!

また現在人気沸騰中のゲーム、『刀剣乱舞』とのコラボレーションも同時開催となり(『刀剣乱舞』は、その人気の高さからこういった博物館や美術館とのコラボを全国各地でされています。)若い女性来場者の数も相当多かったんじゃないでしょうか。こんなにたくさんの貴重な史料と呼ぶべき品が一堂に会する機会はそうそうないのだとか……! 全国に散らばる、時代を代表するような刀剣や鎧、具足の数々がこうして集まるなんて本当に素晴らしいことだと思います。

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かくいう私も、一枚ぱちり。こちらは館内一階に展示された『刀剣乱舞』のキャラクターたち。今回展示されていた中には、私の好きなのはこのおふたり(二人?二振り?)もいました。黒田家に伝来する「へし切長谷部」と「日本号」です。(フェイバリット細川忠興公の刀と伝えられている「歌仙兼定」のキャラクターもいるんですよ~今回は展示の中にいませんでしたが……。)この三連休の間には熊本城おもてなし武将隊の方が来たり、『刀剣乱舞』のキャラクターをモチーフにしたネイル体験が出来たりと、最初の土日は人が多かった模様。私は三日目の祝日に行ったんですが、10時くらいに友人と到着して「すっごく並んでたらどうしよう」「外まで列形成してたら暑さで死ぬ」などと戦々恐々としながら向かい(笑)……結果、列形成もなく、パネルの前に人がたかっていることもなく、すんなりと入館! 良かった~!!! ただでさえ、初日から連日の混み具合を聞いていたので、三連休だし、どうなることやら……と思っていたのですが! 連休の最終日となると、遠方からの方はもう帰路に着くのでしょうか……? 私も関東からの遠征組なので、そんなに近くはないんですけど(笑)

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こちらは展示してあってお写真可能だったスペース! 黒田孝高(よしたか・官兵衛のこと)所用『朱漆塗合子形兜・黒糸威五枚胴具足』! ……のレプリカ。後ろは協賛である(株)サヌイ織物さんの博多織のタペストリー。博多織、綺麗ですよね~! 私も帯を一本持っていますが、飽きがこない、色が豊富、どんな着物にも似合う! と大好きです。(ちなみにサヌイ織物さんのホームページ、見てるだけで楽しいです。)
この具足は朱塗りの合子(茶会で用いる湯水を捨てるための碗のこと)を伏せた形をしていて、黒田官兵衛と言えば! という形というか、有名ですよね。なんだかチャーミングだし。でも戦場ではこれにちなんで「如水の赤合子(あかごうす)」と恐れられたのだとか。

『侍展』の素晴らしかったところは、まず展示室の導線が分かりやすかったこと。

先にも述べたように、今や大人気のゲームシリーズである『刀剣乱舞』がコラボをしたことによって、若い刀剣ファンのお嬢さんたちがわんさか来ていたわけです。初日もとにかく若い人が大勢いらっしゃってた。友人とも「五年前はこういう展示会にいるのはおじさんばかりだったけど、この『刀剣乱舞』からの「刀剣ブーム」のおかげで、若い人が圧倒的に増えた。今じゃおじさんのほうが浮くくらいだね」などと話をしたんですけど、『侍展』のホームページそのものもまずメインに据えてるのは「刀剣」だと分かります。やっぱりここが集客一番多い、なんていうか、売出し中の一番アイドルみたいなものなんだなあと。トップスターなんだなあと。奇跡って、起こるのを待つんじゃなくて、起こすものだよ。ハイ。

まあそれは余談なんですけど、とにかく「刀」の人気がやっぱりすごくて。特に人気なんだろうな、今回の展示で目玉となるような刀剣(つまりコラボしているような重要文化財級)なんだな、とわかるケースの前には細い導線が敷かれていたんです。その前後の通路となる部分も他の展示箇所に比べて広めのスペースを取り、仮に人数が増えて導線が伸びてもある程度対応していけるようになっている。これが素晴らしいなと。きっと他の美術館や博物館に相談とかしたんだろうなあ……。

次に展示品の「背中側」がたくさん見られたこと。

博物館とかに展示してあるものって、「後ろ」が見えないことが多いじゃないですか。もちろん正面が一番大事なんだけど、たまに「後ろどうなってんのかな~」なんて思う物もあったりする。今回の展示は、全てではないんですけどそれでも多くの展示品の背後に鏡が設置してあったり、あるいは360度ガラス張りのケースに入って、どこからでも見れるようになっていたりと、ここでも見やすさの工夫がなされてるなあと感じました。

思っていた以上に大満足、かつ想像より空いていたおかげでゆっくりじっくり鑑賞してきました~! ありがとう福岡市博!

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こちらは入り口入ってすぐのところに展示してあった人形たち。定期的に変わる場所なので地味に好きだったりします。この中に好きな武将の一人、立花宗茂公がいるじゃありませんか!

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ダンディズム立花宗茂。なんというパワーワード。

そういえば、『侍展』ではこのお人形も被っている鳥の尾がついた宗茂公の兜(大輪貫鳥毛後立頭形兜)と甲冑一揃えも来ていたので必見です!宗茂公の兜は、「ひねのなり(日根野形)」兜といわれる極めて実践的なもので、さらにこのタイプの中でも名品といわれています。

普段この立花宗茂公ゆかりの品々が収蔵されている柳川の立花家史料館さんからの展示も多く、中には大友宗麟の書状や、寺に寄進した甲冑など貴重な品々もたくさんあったのが本当に嬉しかったです……!! こんなものが観れるなんて~~!!!大友家、やっぱり金持ってたんだなあ!(最低な感想)

図録もばっちり買ってきましたので、これから振り返りつつ読み込みたいと思います。『侍展』、11月4日まで福岡市博物館にて開催中です!

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