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食品添加物と食品の危険性,体調不良の原因はハーブティーや健康食品かも!?

「輸入農産物は農薬漬けで危険、国産は安全、手作りにこだわったロハスなマクロビ生活を応援します!」このようなキャッチコピーの商品は検索すればいくらでも出てきますよね。妊娠・出産をきっかけに、このような業者の販売するアロマやハーブティーにはまる若い女性が多いようですが、実はかなり危険なんですよ。

・無添加の食品は安全
・天然由来の成分だから安全
・化学合成された人工的な成分は危険
・自家製のハーブティーや自家製パンは無添加だから安全
・ハーブティーやサプリメントや健康食品は健康にいい
・ハーブティーやサプリメントや健康食品は医薬品よりも安全
・大手メーカーの製品は防腐剤などに汚染されているので危険
などという話を聞いたことはありませんか?
でも、これらはよくある間違いなんです。

食品の安全性とは
スーパーなどで流通する一般的な食品の安全性とは「意図された目的で使用・消費したときに、消費者に害を与えない状態」と定義できます。例えば「加熱調理用として出荷された肉であれば、中心まで確実に火を通して食べる」そうすれば食中毒のリスクを許容できるレベルまで低く抑えられる。反対に加熱調理用の肉を生肉としてユッケにして食べる行為は危険といえます。

食品添加物、農薬、医薬品などの意図的に使われる化学物質は国の認可が必要であり、十分にリスクコントロールがされているといえます。したがって一般の消費者がそれらの危険性について、特段に考慮する必要はほとんどありません。反対に、意図せずに混入する食品由来の有害成分のリスクのコントロールは困難といえます。

「意図せずに混入する食品由来の有害成分」とは
例えば、貝毒の場合、事前の調査で毒が検出された海域を禁漁区に設定することで有毒の貝がスーパーなどに流通する事はほとんどありません。しかし、その一方で素人が潮干狩りでとってきた魚介類や、山菜などを食べて食中毒を起こす事故が毎年のように起こっていますよね。

要するに、食品添加物や農薬等は一定以上の安全性が確認されたものしか流通・使用されないが【食品そのもの】は安全性が確認されないまま消費されることがあるのです。簡単な言い方をすれば「食品そのものの健康リスクは、残留農薬や食品添加物よりも高い」ということです。

ハーブティー・サプリメント・健康食品の問題点は主に3つ
①限られた地域でしか食べられてこなかったマイナーな食品を主原料とすることが多く、食品としての経験値がほとんど無い。つまり、危険性が未知数である。
②しかも、特殊な成分を抽出・濃縮しているので暴露量が飛躍的に多くなる。
③そして何より問題なのが①②で指摘したようなハイリスクといえる食品が「危険なものである」と認識されずに流通して、安易に使用されている。

中国製のサプリや、自家製ハーブによる中毒事故で何人も死んでいる
ハーブティー・サプリメント・健康食品を対象にした調査では、薬事法に抵触する成分を含有する製品が多数確認されています。「〇〇エキスや、〇〇の茶」などの、天然由来の製品であってもこの限りではありません。

そもそも薬として利用されている薬効成分の多くは、野生の動植物から発見されたものです。その動植物をハーブティーなどに加工したならば「薬事法に抵触する成分が含まれてる」と考えるのが妥当ですよね。そして、そのような製品の多くが医薬品と違って、安全性の確認がされないまま流通している状況です。つまり「〇〇エキスを配合!」のように、食品として聞き慣れない原材料を使用し、それを売りにする健康食品には【違法薬物が入っている】ぐらいに思っておいた方が安全です。

食品添加物や農薬には十分な安全マージンがとられているので、万が一にも基準値を超えたとしても、その危険性は一般的な食品のリスク(生牡蠣などの食中毒)よりも、はるかに小さいといえます。その一方で、ハーブやサプリメントなどの健康食品の場合は安全マージンが考えられていません。

つまり、特殊な成分を高濃度で含むので服用した際に曝露量が圧倒的に多くなるのです。簡単に言うと、ハーブティーやサプリメントが原因で死ぬことがあるということです。

【白砂糖より黒砂糖の方が安全】は本当か
Twitterでオーガニック食品が好きな方の発言を観察していると「白砂糖は体に悪い、私は黒砂糖しか食べない」という方がおられますが、あれも実は危ないんですよ。彼らの主張としては「白砂糖は精製度が高くて不自然な食品だから危ない、黒砂糖は精製度が低くて不純物が多いから安全」という理屈のようです。

しかし「不純物が多い=安全である」とはなりません。黒砂糖の成分を見てみると100gあたりのカリウム含有量が1100㎎となっており白砂糖(上白糖)の2㎎とくらべて突出して多いのです。健康な方が常識的な量を食べるだけなら問題がありませんが、高齢者など腎機能が落ちている人が日常的に食べるには、むしろ注意が必要なレベルといえます。

また別の考え方として、
風邪薬(総合感冒薬)には解熱・鎮痛・咳止めなど、それぞれの症状に効く薬効成分が含まれています。この場合、含まれる成分ごとのリスクを合わせて評価する必要があります。つまり症状が頭痛だけの場合、総合感冒薬を服用することは、解熱剤や咳止めなどの成分に由来する「不必要なリスクを冒している」ということになります。それに対して鎮痛薬の場合は、鎮痛成分のみのリスクを評価すればいいので、症状が頭痛だけの場合は鎮痛薬を服用した方がリスクが小さいといえます。

【天然由来・オーガニック・ロハス・マクロビ】なキャッチコピーには特に気を付けろ!
ここまでに書いたように「無添加・天然由来の商品は副作用がなくて体にいい」という考え方は間違っています。食品には未知の天然成分も含めて、さまざまな化学物質が含まれています。つまり【食品】とは『「食べてもすぐに有害な影響が出ない」ということがわかっている化学物質の塊』と定義できます。伝統的な製法で作られた無添加の味噌であっても、長期の影響を評価した場合には、塩分過多による健康被害の可能性がありますよね。医療技術の進歩によって、人類史上最も平均寿命が長くなった一方で、無添加の食品や有機農産物であっても長期摂取の影響は誰にもわからない状態といえるのです。

また、残留農薬や食品添加物にたいしては、安全マージンを考慮して使用方法が決められている一方で「無農薬の農産物や、食品添加物を使わない無添加の商品は、カビ毒の危険性が高い・健康食品やサプリメントには危険性が未知の成分が高濃度で含まれる」など、食品そのものが持つ危険性については、相対的に危険性が高まっているともいえます。

実際の食品の事故件数に注目して考えれば、食品添加物が多く使われているであろうコンビニ弁当で食中毒にあったなんて話は聞きません。その一方で、主婦が作った自家製パンや、とれたての海産物で食中毒になった話は山のようにありますよね。またサプリメントに至っては死亡事例すらあります。

つまり、高塩分やカロリー過多に注意する必要はあるものの「農薬を使って育てられた農産物を使い、食品添加物を使って作られた、ありふれた食材のコンビニ弁当が最も安全」ということになるのです。「天然由来・オーガニック・ロハス・マクロビなキャッチコピーに気を付けろ!」とは、そういう意味であり、その危険性を理解したうえで利用する必要があるのです。手間暇かけて作った自家製パン・高額なサプリメントに手を出して「自ら危険を買う」なんてことになっていないかよく考えましょう。

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