スイートピーとマリーゴールド


青い花びらばかり集める癖をやめたらいいのに

花びらをためたカゴの中に
その花を好きな虫が寄ってくる


虫の乗った花びらは嫌いで。

あんなに一生懸命集めたのに虫が付いてしまったらもう
そんなの必要は無くなってしまって

全て燃やして
また新しい花びらを集め始める

そんなことを
繰り返していて

虫はそのたびにそっと逃げては
また花の上にやってくるのだった


似たような形の欠片たちを
何度も何度も集めては
そのうち燃やしてまた
何度も何度も集めてた

いつからか指先も青くなって
気付けば体中が真っ青
血の通わない冷たい手になってしまっていた

こんな手は
誰とも繫げない
びっくりさせてしまうだろうな

花の香の染み付いた指に
虫が這う

それは小さな牙を持っていた
人差し指の2つ目の山を越えたところで
青い皮膚を割く

ぴりり と 痛んだ

赤い血が流れて
それはまだ温かくて

もう
終わってしまっていたのだと思っていた
けれどもまだ

人差し指は赤く染まり始めて
紫の線はドクドクと

窓の外の陽の光に翳せば
巡っている血潮

まだ呼吸は続いている

花びら一片、口に放り
味わって飲み込んだ

苦くて、舌に残る青

でも、必要な冷たさ


どうせあの花は枯れない
たくさん探していたのだから
忘れられるわけはないし

私が集めなくても
咲き続ける
消えることはない

冷静に愛でることが
できるようになったときにまた
その時も集めたかったら集めることにしよう

それまでは
虫に貸してあげる
きっとあの子も安心できる場所を
探していたんじゃないかと
思うから

せっかく思い出したことが
熱を萎ませてしまう前に私は
歩き出さなきゃいけない

囓られた場所は
そのうち治せるから
次は違う花を咲かせられるように

暖かい場所に歩いて行かなきゃ


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そこそこで咲く花の種類は違うから
きっと人間もそう。けれど人は移動が出来て。
寒いのが辛いなら暖かい場所へ赴いても良い。暑すぎて苦しいなら涼しい場所へ。
けれど、どこに行っても合わないのならほんの少し立ち止まってその場所を眺めてみるのもいいかもしれない。何も無いってことはない。きっと。
何かはある。誰かはいて、何かが起こっていてそれは地続きのものかもしれない。昨日と同じこともある。一週間前に見たことのあるような、聞いたことのあるような話もあるかもしれない。そこに自分も足を立てていることも思い出せるかもしれない。

マラソンだってことをどうしても忘れてしまう。
目の前にあるものに視界が囚われがちになって、鏡や時計を見ることすら忘れてしまったりする。行く先は描けてもなかなか細かい部分までは見えなかったりするから、無いもの換算してしまったりもして。

安心毛布を一枚二枚や、三枚や、たくさん持っていてもいいのかもしれない。
重くなるのが嫌なのなら、行く先々にあるものを貸してもらうのだって悪くない。ぐるぐると輪が回って、その始まりになるのも悪くないかもしれない。前にも後ろにもそれは繋がっていて、それなら寂しくないかもしれない。

100パーセントの正しさは清らか?
それは気持ちが良い?
息がしやすい?
誰が?
生きているのは?
誰だ?何だ?

果てまでなんてこの声が届かないことは知ってるよ。
ほんの少し、蝋燭の灯り程度にも満たないかもしれないけどそれでも、暗い中で何も灯さないで歩き続けるよりはマシなんじゃないか。
灯せるのなら灯した方が良い。そう思う。
ひとときが続いて一生にもなるんなら、ひとときだけでも良い思い出が作れたらそれは幸せなことじゃないだろうか。
もちろん、ずっと続いていったのなら嬉しいかもしれないけれど。

…なんて
気分屋の戯言なのだけど。(笑)
明日には変わってるかもしれない←
なんか、進化も退化も繰り返して過ごしてる気がするなぁ…。
まぁでも人間ってそんなもんかね(*'ω'*)笑
わからんけどっ❨ぇ