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雨降られ

遠く
遠く
夢の片隅
雨音強く
鼓膜に響く

遥か
遥か
夢の中
君の側にいた
あの春の日を
思い出していた

好きだって
精一杯の
一言を届けても
分かっていたよ
君の隣に居れないことを

寂しさを
悲しさを
歌ってみたり
埋めてみるために
違う誰かと
歩いてみたりするけれど
隣が君じゃないのなら
愛しさも恋しさも
虚しさに変わる
悲しみに変わる

玄関の扉を開けて
一歩外へと踏み出した
歩いていく先に
君はいなくとも
雨はそっと寄り添って
雲は風に流れていく

君が好きな虹が
雲の切れ目から
顔を出した
もうすぐ君を忘れた
夏が密かにやってくるだろう

#作詩
#月とうさぎの創作部

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