見出し画像

【ゴルガリスケープシフト】のざっくり解説(パイオニア)

 くろきです。直近のエクスプローラーの予選ウィークエンドで使い、パイオニアでも気に入って使っている【ゴルガリスケープシフト】について、現段階で考えていることを整理した記事になります。


デッキリスト

 現在パイオニアで使っているリスト。エクスプローラーだと《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》と《突然の衰微》は使えないので、追加の《喉首狙い》,《闇孔の小道》を使っています。

コンボについて

◆コンボ概要

 『イクサラン:失われし洞窟』で収録された《洞窟探検》を利用したコンボデッキです。土地がアンタップ状態で出るようになるので、《風景の変容》や《見事な再生》で持ってきた土地をすぐに使用することができます。

 手順はやや複雑ですが、土地4枚と《洞窟探検》をコントロールしている状態で《鏡に願いを》を協約で唱えると《風景の変容》をライブラリーから唱えることができ、特定の土地を活用することで《見事な再生》を繰り返し使用しながらマナを増やして勝つことができます。コンボの詳細は後述します。

 もともとのアイデアは12月のアメリカ地域チャンピオンシップの時点で作られており、調整していた方の記事で詳しい解説がなされています。コンボのメカニズムについて深く知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

 また、コンボの手順を簡潔に知りたいという方は細川さんのツイートが非常にわかりやすいのでご参照ください。

◆《見事な再生》ループ

 まずゴールとなる《見事な再生》を繰り返し使用するコンボについて記します。

[必要な条件]
場:《洞窟探検》
墓地:《睡蓮の原野》2枚,《神秘の聖域》,《隠された死滅都市》, 適当な土地1枚

[手順]
①《見事な再生》を唱えて、墓地から土地を戻す。
②《神秘の聖域》,《睡蓮の原野》が誘発。《見事な再生》をトップに置き、マナを出して《睡蓮の原野》2枚と《神秘の聖域》, 適当な土地を生け贄に。(8マナ出る)
③《隠された死滅都市》を5マナで起動して発見4。トップの《見事な再生》を唱える。

→3マナ増えた状態で①に戻る。

 以上が基礎となるコンボであり、これにたどり着くことが目標になります。

 このとき、墓地に《鏡に願いを》があれば最終的にトップに積んで唱えることができ、デッキ内の《首謀者の収得》からサイドの《苦悩火》にアクセスできます。

 また、適当な土地のところを能力のある土地にして繰り返し使うことができます。《お菓子の小屋》と《ロークスワイン城》があれば無限ライフ・無限ドローになりますし、《残響する深淵》を《神秘の聖域》のコピーとして出すことでインスタント・ソーサリーの無限回収・無限キャストもできます。

◆コンボの始動

 《見事な再生》ループの準備として特定の土地を墓地に送る必要がありますが、《鏡に願いを》から《風景の変容》を唱えることで達成でき、そのまま《見事な再生》を探してループに繋げることができます。

ケース1:場に土地5枚以上、《洞窟探検》、協約コスト1回分
 土地を5枚以上コントロールしているなら、1回の《風景の変容》で必要な土地を全て揃えることができるため単純です。

[手順]
①《鏡に願いを》を協約で唱え、《風景の変容》を探して唱える。
②土地を5枚以上生け贄にし、《睡蓮の原野》2枚,《神秘の聖域》,《隠された死滅都市》, 《お菓子の小屋》を探して出す。
③《神秘の聖域》,《睡蓮の原野》, 《お菓子の小屋》が誘発。食物を生成し、《鏡に願いを》をトップに。マナを出して《睡蓮の原野》2枚と《神秘の聖域》, 《お菓子の小屋》を生け贄に。
④《隠された死滅都市》を起動して発見4、トップの《鏡に願いを》を食物を生け贄にして協約で唱え、《見事な再生》を探して唱える。

→以降《見事な再生》ループへ。

ケース2:場に土地4枚、《洞窟探検》、協約コスト1回分
 
土地を4枚しかコントロールしていなくても、《風景の変容》を2回唱えることで必要な土地を揃えることができます。

[手順]
①《鏡に願いを》を協約で唱え、《風景の変容》を探して唱える。
②土地を4枚生け贄にし、《睡蓮の原野》,《神秘の聖域》,《隠された死滅都市》, 《お菓子の小屋》を探して出す。
③《神秘の聖域》,《睡蓮の原野》, 《お菓子の小屋》が誘発。食物を生成し、《鏡に願いを》をトップに。マナを出して《睡蓮の原野》と《神秘の聖域》を生け贄に。
④《隠された死滅都市》を起動して発見4、トップの《鏡に願いを》を食物を生け贄にして協約で唱え、《見事な再生》を探して唱える。墓地の《睡蓮の原野》, 《神秘の聖域》, 《隠された死滅都市》, その他4枚の土地を全て戦場に戻す。
⑤《睡蓮の原野》, 《神秘の聖域》が誘発。《風景の変容》をトップに。マナを出して《睡蓮の原野》と《神秘の聖域》を生け贄に。
⑥《隠された死滅都市》を起動して発見4。《風景の変容》を唱えて土地5枚を生け贄にして、《残響する深淵》,《睡蓮の原野》, 《隠された死滅都市》を含む5枚を探して出す。《残響する深淵》は《神秘の聖域》のコピーにする。
⑦《神秘の聖域 (コピー)》,《睡蓮の原野》が誘発。《見事な再生》をトップに。マナを出して《睡蓮の原野》と《神秘の聖域 (コピー)》を生け贄に。
⑧《隠された死滅都市》を起動して発見4。トップの《見事な再生》を唱える。

→以降《見事な再生》ループへ。

ケース3:場に《睡蓮の原野》含む土地3枚、《洞窟探検》、協約コスト2回分、追加1マナ
 
土地が少ないと《風景の変容》で持ってこれる土地の数が減って条件が厳しくなりますが、協約コストやマナに余裕があればコンボに入れます。

[手順]
①《鏡に願いを》を協約で唱え、《風景の変容》を探して唱える。
②土地を3枚生け贄にし、《睡蓮の原野》,《神秘の聖域》,《隠された死滅都市》を探して出す。
③《神秘の聖域》,《睡蓮の原野》が誘発。《鏡に願いを》をトップに。マナを出して《睡蓮の原野》と《神秘の聖域》を生け贄に。
④《隠された死滅都市》を起動して発見4、トップの《鏡に願いを》を協約で唱え、《見事な再生》を探して唱える。

→以降《見事な再生》ループへ。

 必要な土地や《風景の変容》,《見事な再生》を直接引いている場合は少し手順を変える必要が生じるものの、ゴールさえ理解していれば《見事な再生》ループにたどり着けることが多いです。
 例えば、《神秘の聖域》等の土地を引いてしまっていても《風景の変容》で生け贄にして《残響する深淵》で代用することができますし、《風景の変容》を引いてしまっても、手札や墓地に《鏡に願いを》や《首謀者の収得》があるとそのままコンボを始めることができます。イレギュラーな状況でもループに入れるか否かを考えるときが使っていて面白いと感じます。

個別のカードについて

◆《鏡に願いを》

 コンボのキーカードを兼ねるチューターです。《洞窟探検》が場にある状態であればコンボの始動になりますし、《洞窟探検》を探したり、相手の妨害に対処するカードを持ってきたりと様々な役割を持っています。
 協約で唱えなければ4マナのチューターとマナ効率が悪いため、極力トークン等を1つは温存するように意識しておくとよいでしょう。《洞窟探検》があるものの協約コストが用意できない、という場面でも《風景の変容》を持ってきて次のターンに直接唱えることもあります。

◆《洞窟探検》

 デッキの根幹をなすエンチャントです。土地がアンタップ状態で場に出せる能力を利用して様々な恩恵を受けることができます。
 《お菓子の小屋》は《洞窟探検》を置いた後にプレイするだけで、タダで《鏡に願いを》の協約コストを用意できてお得です。《睡蓮の原野》なら一時的にマナ加速できるようになります。
 また、自身の能力によって洞窟を出すことで4点ゲインすることができるボーナスも有効に使えると嬉しいです。《洞窟探検》をプレイできる算段がついているのであれば、確定タップインランドを遅らせる恩恵があるので土地の置き方に注意が必要になります。

◆《風景の変容》

 コンボの最初の動きを支えるカードです。基本的にはコンボを決められる場面でしか唱えませんが、《洞窟探検》があれば一時的マナ加速カードとしても使えることを覚えておくとよいでしょう。

◆《首謀者の収得》

 ループに入った後、最終的にサイドの《苦悩火》を持ってくるためのカードです。《神秘の聖域》で墓地から回収することができるので、直接引いたこのカードはコンボパーツを揃えたり、相手の動きに対応するカードを持ってくるために使用することができます。何らかの事情でコンボが決まらずゲームが長引いた際にも、《苦悩火》を持ってきて勝つことがあります。

◆《名もなき都市の歩哨

 協約コストとなる地図トークンを生成しつつ、場を支えてミッドレンジ的な立ち回りを可能にします。デッキがコンボにオールインする形だとサイド後の妨害に弱すぎたため、盤面への影響力のあるカードが少し入っていた方が相手のサイドボーディングが難しくなってよいと考えています。
 生成される地図トークンは《鏡に願いを》の協約コスト以外にも《致命的な一押し》の紛争達成に使うこともできます。

◆《睡蓮の原野》

 直接引いてしまったときの扱いがやや難しいです。《洞窟探検》と合わせて使うと一時的に多くのマナを使える恩恵はあるものの、《風景の変容》で持ってこられる土地の枚数が減ってしまい、コンボに入る条件が少し厳しくなってしまいます。すぐにコンボに入れそうなときは適当に置かずに《風景の変容》を唱えた後に置くなどの工夫が必要です。
 普通にプレイする際も、生け贄に捧げる土地は《見事な再生》,《残響する深淵》で再利用する可能性を意識して選びます。相手の墓地対策をケアして《神秘の聖域》等の替えの効かない土地を生け贄に捧げてはいけない場面もあります。

妨害を乗り越える

 このコンボの致命的な弱点として、様々なカードによって妨げられてしまう点が挙げられます。ここではどのような妨害が有効なのか、また相手の妨害をどのように乗り越えるかについて紹介します。

◆《風景の変容》に対応して《洞窟探検》を退かされる

 《風景の変容》に対応して《洞窟探検》が戦場から退かされてしまうと土地をアンタップ状態で出すことができずコンボに入ることができません。《風景の変容》が墓地に行き《神秘の聖域》で回収する必要が生じるなど、リカバリーも困難です。これをケアするためには《洞窟探検》を2枚以上戦場に出しておくのが簡単です。

◆エンチャント・アーティファクトによる妨害

 墓地対策の《安らかなる眠り》や《虚空の力線》,《未認可霊柩車》などがあると《見事な再生》や《神秘の聖域》での回収ができず、コンボに入ることができません。また《減衰球》や《高山の月》も《睡蓮の原野》対策となりコンボを妨げます。これらの置物に対しては《耐え抜くもの、母聖樹》やサイドの《羅利骨灰》等での置物破壊で対応するのが基本となります。
 ただし、あまりに過剰にこれらの置物を置かれる場合は《名もなき都市の歩哨》や《勢団の銀行破り》を使ったミッドレンジ的な立ち回りで勝てないかを検討しても良いでしょう。

◆クリーチャーによる妨害

 呪文を唱える回数を制限する《エメリアのアルコン》や《弁論の幻霊》、4マナ以上の呪文を2マナ重くする《傑士の神、レーデイン》、土地の誘発を妨げる《機械の母、エリシュ・ノーン》等が有効です。コンボで勝つためには置物への対策と同様に、除去で対処することになります。
 また、瞬速で墓地追放を行える《クチルの側衛》には特に注意が必要です。除去ではどうにもならないため、《思考囲い》で捨てるしかありません。

◆ライブラリを混ぜられる

 主に《廃墟の地》です。《神秘の聖域》でトップにカードを積んだあと、《隠された死滅都市》の発見にスタックでライブラリを混ぜられてしまうと狙ったカードを唱えることができません。これはマナに余裕があれば《ロークスワイン城》や《勢団の銀行破り》のドローを構えておくことでケアすることができます。

現状の課題など

◆勝ち手段は何が良いのか

 勝ち手段は、デジタルでは時間の関係もあって《首謀者の収得》と《苦悩火》が一番手軽で良いと思います。

 しかし、テーブルトップでは手順の省略ができるため《見事な再生》ループに入れば土地の能力を繰り返し使え、インスタント・ソーサリーの無限回収・無限キャストができます。《首謀者の収得》,《苦悩火》のようなカードは必要なく、繰り返し使うことで勝つインスタント・ソーサリーをデッキに入れておけばよいのです。

 使いたいと考えた候補は《集団的蛮行》,《ウィザーブルームの命令》,《絶望招来》です。その他に直接勝つわけではないものの《暗殺者の戦利品》であれば全てのパーマネントを破壊できたり、《屍呆症》であればデッキの基本土地以外の全てのカードを追放することができるため、大抵はそのまま勝てるでしょう。

 また《イマースタームの髑髏塚》のような土地を勝ち手段にすることも可能です。こちらはアリーナでもギリギリ間に合わせることができると思います。ただし、普通に使って弱い土地をこれ以上増やすよりはコンボパーツを探す役に立つ《首謀者の収得》の方が有用であると考えて自分では使っていません。

◆協約コストを簡単に用意したい

 コンボの始動は基本的に《鏡に願いを》であり、協約コストの用意に苦労することも。《名もなき都市の歩哨》のように、なるべく損せずに協約コストを用意できるカードがもう少しあっても良いなと感じます。

◆効率的にカードを集めたい

 コンボパーツを探すにあたり、今の構成では主に《勢団の銀行破り》に頼っています。しかし普通にカードを引くだけなので特定のカードを手に入れるには効率が悪く、《衝動》のようなより効率的にカードを探せるものがあればよいなと思います。

 協約コストとしての用途も兼ねて《ウォーロック・クラス》や《キャンディーの道標》のようなカードを検討しましたが、カードパワーが十分とは思えず実際に試すには至っていません。

終わりに

 【ゴルガリスケープシフト】についての記事は以上になります。動きは複雑であるものの、盤面に関係なく突然勝つことができる点が魅力的なデッキなので興味のある方はぜひ試してみてください。何か質問やアイデア等があれば、ツイッター(X)やコメント等で教えていただけたら嬉しく思います。最後までお読みくださりありがとうございました。


「【ゴルガリスケープシフト】のざっくり解説(パイオニア)」はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?