アリーナ中心だった僕がテーブルトップのマジックで感じる違い
くろきです。以前はMTGアリーナを中心に競技イベントに取り組んでいましたが、上位の大会への権利を取ることが難しくなったため僕の参加する大会はテーブルトップが中心となりました。
今回はテーブルトップの大会に参加していて、アリーナと比べて感じる違いやプレイについて注意したい点を整理する目的で記事を書きます。僕自身がテーブルトップ特有の技術が身についていないなと感じたので、これから習得したい事柄や気を付けたい事柄について特に言及しています。他にもテーブルトップで特に楽しいと感じる点にも触れています。
書く上で参考にしたルール文書はこちら。
MTGアリーナとテーブルトップの主な違い
違い①:時間切れしたときは
(MTGアリーナ)
お互いに30分の持ち時間が存在しており、使い切るとマッチ負けになります。砂時計に注意すれば基本的には自由に思考時間を使うことができます。デッキやマッチアップによっては時間切れを狙う戦略も十分にありえます。(ヒストリックの【ゴルガリフード】とかね)
(テーブルトップ)
持ち時間の概念は存在しません。制限時間を過ぎると延長の5ターンを行い、それでも決着がつかない場合には行っていたゲームが引き分けになります。マッチの引き分けはポイント的に負けとほとんど変わらない場合が多いので、お互いに損をしたように感じることも多いです。
違い②:リスト公開かリスト非公開か
(MTGアリーナ)
競技的なイベントは基本的にリスト公開であることがほとんどです。そのため相手のデッキリストを見て特定のカードをケアしたり、サイドボーディングを読みやすい特徴があります。また、マリガンの判断が行いやすいことも重要な要素です。
(テーブルトップ)
競技的なイベントでもリスト非公開が基本です。そのため一般的なデッキでは珍しいようなカードがケアされづらく活躍しやすい傾向があると考えています。相手のデッキがわからない以上、マリガンの判断もやや難しくなります。ただし、自分のマッチの終了後に他の卓を観戦できるため、ラウンドが進むと相手のアーキタイプがわかることは珍しくありません。
違い③:管理・処理しなければならない情報量について
(MTGアリーナ)
誘発型能力やマナの支払い等に関して、自分での操作は最小限でも問題ありません。複雑すぎる状況でなければクリーチャーや土地の数など、盤面の情報についても処理しやすいと言えるでしょう。
その他にも、占術で確認したライブラリーのカードやハンデスで確認した相手のカードをいつでも見ることができるのもアリーナ特有の仕様です。
(テーブルトップ)
MTGアリーナと違い、誘発型能力やライフの変動など自分で管理しなければならない事柄が多いです。呪文を唱えるためのマナの支払いについても同様です。盤面の情報についても、置き方をきちんとしていないとクリーチャーや土地の数等、盤面を把握するのに時間がかかる場合があります。
もちろん占術で下に送ったカードは後から確認できませんし、ハンデスで見た相手のカードはメモをする必要があります。アリーナと比較した際に自分で管理・処理しなければならない情報量は大きく違うと感じます。
実際にテーブルトップで注意したいこと
思い切ってプレイしよう
端的にいうと悩むと損することが多いという話がしたいです。もちろん状況によってはしっかり考えないといけない場面はありますが…
先述のように、テーブルトップの大会では時間切れが存在します。そのため悩みすぎると引き分けが発生しやすく、損をしやすいと言えるでしょう。度が過ぎると遅いプレイとして警告を受ける可能性もあります。
またアリーナ以上に、悩んだ際に相手に落ちる情報が多いと考えています。テーブルトップでは悩んだ際の視線や表情などがそのまま相手に伝わるため、どのようなカードや選択肢で悩んでいるのか悟られることも多いです。
例えば複雑になってきた盤面でミシュラランドの起動するか悩む際。実際に起動するかどうかに関わらずミシュラランドを無意識のうちに凝視したり、触ったりしてしまうかもしれません。他にも、探査を持つ呪文のプレイを検討する場合に墓地の枚数を数えることで相手に情報が伝わるといったことがあり得るでしょう。
相手に情報が透けないよう、悩ましい状況でも、悩んでいる様子を極力隠し思い切ってプレイする技術を身につけたいと思いました。
選択を行う際のテンポに注意する
上記の話に関連した内容になります。よく言われる、一定のテンポでカードをプレイすることが重要だという話です。選択を行う際のテンポは相手に情報を与え、判断材料になります。
例えば初手のキープ、マリガンの判断の際にテンポが不安定だと手札の強さについて情報が透けます。良い初手を引けた際には勢いよくキープを宣言したくなりますし、微妙なハンドをキープする際には悩む時間が生じてしまいます。しかし、その決定を行う際のテンポ感で相手に伝わる印象は異なるはずです。その他にも、占術で見たカードをすぐに上に乗せたか、少し時間をかけて上に乗せたかどうかで相手に伝わる情報は変わってきます。
一定のテンポでカードをプレイできる技術は慣れているプレイヤーほど持っている傾向にあるように思えて、プレイヤー間で差を感じる要素の一つです。
誘発忘れに注意しよう
誘発型能力はテーブルトップでは自分で管理しなければなりません。忘れてしまった場合は損をすることがほとんどです。スタンダードの大会の場合は《食肉鉤虐殺事件》の誘発忘れはたくさん起こっていたのではないかと思われますが、ライフ1点2点が勝敗を分けることは少なくないでしょう。
誘発忘れに関しては、自分で意識して気をつけるしかなさそうです。事前に忘れそうな誘発型能力を把握しておいたり、単純にデッキを扱う回数を増やして慣れていくことが有効なのかなと考えています。
ライフの増減は細かく確認、わかりやすく宣言しよう
ライフの増減も自分で管理しなければなりません。対戦相手との認識に違いがあると、ゲームの進行が止まってしまうので細かく確認するべきです。特にライフルーズのあるカードは注意が必要で、《思考囲い》や《冥府の掌握》、ショックランドのようなカードを使う際のライフの増減についてはわかりやすく伝えるとよいのかなと思います。
カードやデッキの管理
カードやデッキの状態をきちんと管理しなければならないのもテーブルトップ特有です。サイドボードの戻し忘れや相手のデッキにカードが混ざってしまうことはいつでも起こり得ますし、それらは警告等の懲罰の対象になってしまいます。また悲しいですが盗難等のリスクもあります。
マッチが終わって次のラウンドまでに時間が十分にあったら、自分のデッキの状態をきちんと確認しておく習慣をつけたいです。
テーブルトップならではの楽しみ
リアクションが直に伝わるのが面白い
テーブルトップではアリーナよりもリアクションが直に相手に伝わります。劇的なトップデッキをしたタイミングやよいプレイがあったときなど、お互いのリアクションをきちんと意識することがテーブルトップのマジックを楽しむ上では重要な要素だと考えています。上手く言語化するのは難しいですが、相手のリアクションがわかるかどうかという点で、遊んだ際の空気感がアリーナとは違うなと感じます。
対戦後のコミュニケーション
対戦後に相手とお話しできるのはテーブルトップの醍醐味。感想戦を行ったり、相手のバックグラウンド等を聞くのが楽しさの一つです。対戦相手以外にも、ラウンド間に友達と駄弁ったり、構築について相談したりするのもやっぱり楽しい!
知り合いが増えやすい
何度かイベントに参加すると、よく見かける方や対戦する機会の多い方ができることも多いです。テーブルトップではそのような方と新たに関係性を築きやすいという点は大きなポイントです。(たまに僕のことを認識してくださっている方もいて、嬉しい気持ちになることもあります!)
特に仲の良い人ができると、IDのタイミングや大会が終わった後に一緒にご飯を食べにいくこともできたりと一層満足感のある時間を過ごすことができます。
終わりに
今回はMTGアリーナとテーブルトップの違いについて考えながら、注意したい点を整理する形で記事を書きました。まだまだ慣れていないことばかりですが、これからはテーブルトップでの競技イベントが大きな目標になるのでテーブルトップでも勝てるようになりたい。テーブルトップでの技術を身につけることは、強いプレイヤーとの差を埋めることのできるわかりやすい方法の一つだと考えています。
今回の記事は以上です。しばらくは関西圏を中心に地域チャンピオンズカップの予選に参加する形でマジックを楽しもうと思うので、お会いしたり対戦する機会のある方は何卒よろしくお願いします。
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