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ファーストシューズ製作日記 1 木型作り

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靴作りを仕事にしています。2017年1月に産まれた子供に履かせるためのファーストシューズを妻に促されて作ることになりました。上の写真は何回か履いた後の試作品です。試作なので左足にだけハトメが付いていたり、裏地の色が左右で違ったりしています。

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普段は大人の靴を作っています。足を計り木型を作り試作品を作って本番を作ります。その過程で履き心地やデザインを履く人の好みに合わせていくのですが、赤ちゃんは話すことができないので足を観察して木型を作りました。試作品としてとりあえず木型を片足作ることにしました。でももしかしたら運良く一回でうまくいくかもしれないので荒削りまでは左右とも進めました。妻が抱っこしている赤ちゃんの足の裏に紙をあてて鉛筆で輪郭をなぞりました。線はふにゃふにゃしていましたが足の大きさはおおまかにわかりました。

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次は輪郭線を基にして木型の底面の型紙を作りました。指先がきつくならないような形にしたので大人の靴とは違った形になりました。こんな形の型紙から木型を作っても大丈夫だろうか?と心配しながら木材に型紙をあてて加工するための線を引きました。大人用の木型を作るときに使う木材は一辺10,5cm、長さ30cmの角材を使っていますが、ファーストシューズの木型は一辺5cm、長さ11cmで足りました。

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大人用の木型を作るときは、削る量が多いので斧で削ったり、木材を万力で挟んでノミで削っておおまかな形を作った後にグラインダーで削るのですが、ファーストシューズ用の角材は小さいので削る量も少なく、また固定もしにくいので加工の大部分をグラインダーでしました。グラインダーの次は豆鉋で削り、やすりをかけ、ニスを塗って出来上がりです。

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ファーストシューズ、ベビーシューズを作るのは初めてだったのですが、初めは不安だった広がったつま先でも、自分好みの形の木型ができて早くも満足感がありました。この後はアッパーという足を覆う部分の型紙を作ります。次回の記事では型紙作りのことを書きます。

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