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フルリモートワークを3年以上続けて失ったもの

2023年も終わろうとしていますが、皆様はどのような年だったでしょうか?
さて、2020年のコロナ禍の真っ最中に分社化を経て設立したBrewusも無事に年末を迎えられています。
2024年の元日には我々の企画開発したニューイヤー駅伝のドリームオーダーゲームが開催され当事者としては嬉しいやら少し怖いやら(開発者に関わった方なら誰でも分かると思います)で年始を迎えることになります。

そんな中ずっと書きたいと思っていたフルリモートワークで失ったものを正直に記載したいと思います。

かなり前に以下のpostを見て書こうと思ってたのが年末になっちゃいました。

※ 尚、以下に並べるものは私個人というより組織として直面している課題で絶賛解消に向けて対策しています。

成長力が鈍化している人が増えた

フルリモートワークになると、コミュニケーションに雑談がなくなり最低限である仕事のことのみになる事が多いです。これは効率的でもありコミュ障にとって最強の環境な気がします…が、私個人としては逆だと思っています。
特に、経験値のない人は誰も助けてくれない状況になります。

一番分かりやすいのが、開発環境でのハードウェアのことです。私が経験値が少ない頃は、尊敬するエンジニアの言葉遣いもそうですがディスプレイの使い方、マウス、キーボードというハードウェアもめっちゃ参考になりました。 不思議なことに、私の尊敬するエンジニアの方々は変なキーボードやでかいディスプレイを縦に使うとか変わった環境で仕事をされていましたが、こういうのがフルリモートワークだと分かりません。


12年前はkinesisと左手キーボードにフットペダルを使っていました。

個人的に、こういうハードウェアは経験値の少ないエンジニアがお金を出せば追いつける唯一の領域だと思っています。私も若い頃に先輩がなぜ1万円以上もするキーボードやマウスを使っているのかや、ディスプレイをあんなに使っているのか理解できませんでしたが、自分も深く考えずに買って分かった理由がありました。

例えば、肩こりし辛い、あり得ないぐらい自分好みのショートカットキーが設定できる、ディスプレイを物理的にそれぞれエディタ専用、画面専用、チャット専用にするという感じでやるという感じです。
作業が早い、報連相の早い人というのは自分の環境を自分の能力に合わせたものにしている事が多いのですが、こういう環境を含めた見学の場が失われたのは非常に残念だと感じています。

画面共有でも画面全てを共有するのではないので、伝わりません。DBエンジニアの方やインフラエンジアの方がディスプレイを縦にして「tail -f」をしている時などは「なるほどなぁ」と思ったものですが、そういうちょっとした気づきをする事で仕事の効率が上がるんですが、この辺を聞く人、真似する人が減りました。

2023年6月くらいまでの私のディスプレイ状況

これを解消するには「自分は作業が遅い」という意識や「効率悪いかも」という意識にプラスして「それを解消しなければ」というのが何よりも必要なんですが、なんとなく「経験やスキルが解決してくれる」と思っている人が多いような印象です。

物理的な効率差はソフトでは解決できないことが多いんですけどね…

で、それらの情報を得て解決するには自分からコミュニケーションを取らなければいけない事が多いのでコミュ障にはハードルが余計に高くなってしまいます。

出社ベースだと、「クロッキーちょっとこっち来て!」とか言われて指導される事もあれば「これどうやってやるの?」とか「そのキーボード使わせてよ!」とか色々ワイワイしてアウトプットまでの工程で学ぶ事が多かったのですが、フルリモートだとアウトプットベースになっているのでココの辺りは課題だと思っています。

誰が誰だか分からない

これも多いのですがコミュ障にありがちな、顔写真や本人が認識できるオリジナルのアバターを出さないってやつですね。特にmeetだと漢字二文字などで略されるUIなので同じ名前で始まる人は訳わからない状態になります。

ちょっとしたカルタ状態

その上、名前も似たような人がいて、アルファベットだと瞬間に誰が発言しているのか分からなくなってUXが落ちまくります。
世の中の佐藤さんや鈴木さんのような方はなんとなく分かると思います。(これに下の名前が重複すると識別が大変なのでニックネームや部署名で識別しますよね?)

私の会社にも「黒」で始まる苗字の人がいますが、私は顔を出したくないリスクをとって「赤色のモヒカン」を全面に出したアイコンにしています。ここまでやりきっていると現実にオフラインで会っても「あ、黒木さんどうも」って識別できるんですが、正直textベースでデフォルトアイコンで業務的なやりとりしかしていないとUI/UXとして絶望的に識別できないんです。(しかも、そういうアイコンとかを設定してない人に限ってフロントやデザイン業務に携わる人もやってる)

改めて言いますが仕事の上でアイコンを設定する事は自分のためじゃないのです、相手から識別してもらう為に必要な事なのです。

↑拡大してよく名前とテキストを見てみましょう。slack地獄絵図です。

UXとして他人と仕事をする上で…相手に対して分かってもらう為にもう一度色々なものを考えてみてほしいものです。

その風景画で、本人じゃない人を全面にしたアイコンであなたのことを他人が認識できると思いますか?
(ちょっと別軸ですがよくある、年賀状で子どもの写真をもらっても困るのに似ていると思っていますが、上記で挙げているのはSNSでもなければ『仕事』なので受け取る人のことも考えて設定してほしいものです。)

何も顔を出せとは言いませんが、顔を出さないのであればそれなりの工夫をしてほしいです。(任天堂のmiiみたいな感じのを使うとか)

私がもし、宇宙人のアイコンや動物のアイコンにしていたなら、オフラインで会う時もそのコスプレの格好で来ますし、もし社員の中で赤毛のモヒカンにする人が出てきて識別できなくなったら別の髪型や髪の色にする覚悟はできています。

再度言いますが、他人のことを考えてアイコンを設定するのも業務だと思って欲しいです。
(マネジメント側としてこういうの強制はしたくないんで、それぞれが工夫や対策を意識してほしい)

音声・動画ミーティングで並行性がない

これはデメリットだけではないと思うのですが、meetやzoomなどの動画・ボイスチャットにおいては一度誰かの意見を聞いて、一人の人が答えていくという結局『一対一のコミュニケーション』にしかならないというので、例えばブレスト(ブレインストーミング)なんかは同時にあっちこっちの話を聞いたりしたいのですが、ボイスチャットだとメインで喋ってる人と返答している対象者一名の二名しか音声を聞く事ができないので、同時並行で効率的なミーティングがし辛くなったと感じています。

その上、ディスプレイの一つをこのミーティング画面にとられるので、仮にslackでテキストのやり取りをしようとするとディスプレイが1つの人は『詰み』の状態になります。
で、きっとミーティングがウザい人は、裏でslackやコーディングに集中して殆どミーティングの内容を聞いてい人が出てきて余計にコミュニケーションロスが生まれるという感じです。

(尚、これらの課題に関しては弊社の開発しているA-Liveでも色々施策をしていているところです)

健康面

これは、リモートワークが始まった頃から言われていましたが、出社に関わる物理的なものとして『その場所に動いて行かなければならない』ということがなくまりました。 寝て起きて仕事をするより、トイレに行く方が歩数が必要いう人も多いと思います。

実際は乗り物に乗っている時間などもあるので正確ではありませんが、会社まで30分程度で着く人も『往復で1時間の歩く運動』があったと思うと貴重な時間だったと思いますし、会議室への移動もある意味では運動だったと思うと、健康面は本当に気を使わないといけないと思います。

まとめ

面接をしていると「フルリモートワークってどうですか?」と聞かれることも多く、今回はフルリモートワークをしてきた大掃除としてデメリット部分を挙げましたが、自分の行動によってデメリットを打ち消す事ができるものも多いと思っています。

フルリモートでも他人と仕事をするというのは同じですし、出社という非効率なものを消去したのであれば、より効率的に仕事ができることを目指して来年も仕事をしていこうと思います。

では、良いお年を!

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