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犬猫聖夜祭、2710文字感想文



犬猫聖夜祭って何?

2023年12月23日に上野にあるライブハウス、上野音横丁で開催された犬猫喧嘩祭というバンドの初めての自主興行です。とりあえず、しこてんフェスとハッシュタグをつけて検索すればTwitterで雰囲気が楽しめるはず。
出演陣はひたすら多種多様で演者の方々も時折そう発言した程です。それでも共通してるのは全員が本物のパフォーマンスを見せてくれたことは断言できます。

簡単なまとめ

私自身の個人的な発見があり、それは後半で詳しく書きます。
魅力的なパフォーマンスを披露した演者の方々が自分自身や他の誰かを穿った目で見るような嫌な人間ではない。前を向き続けた姿勢が私に確実に伝わりました。最高の23日でした。

十組の出演者の感想(敬称略)

降順に並ぶ見出しが演奏した順番のはずです。この並びは最高だと思います。休憩は無くノンストップの時間配分でしたが、疲れが消し飛ぶ秘訣があったので最後まで読んでください。

THE・五右衛門

まずは上記の映像の3:47からの竣也さんのメッセージを受け取ってほしい。彼のメッセージと同様の意味を先の出演者全員が様々な形で発している。
「まずは自分を愛してくれ。」と訴えた。それに対して前列の私はどうすれば良いのかわからないまま。しかし閃きが起きた。
要は自分の気持ちを疑わず素直な気持ちに従うこと。
私自身がTHE・五右衛門について偏見を持ち屁理屈をこねていたことを認めることができた。ずっと「リアル」という考え方に強迫的だったからこそ、自分は独りでに潰れていた。自信に満ちたベースのタカキさん、本当に楽しんでいるドラムの関戸さん、絶対にクヨクヨしないであろう竣也さん、頭をつかまれていて私は心配になったべりぎょんさん。しこてんフェスの開幕から四人の力によって私の心の氷が解けました。

しこてんバンドサークル

美しい声や力強い声に楽しい声。そして格好良くて憧れるバンドの演奏を聴いた。心のどこかで私はサークルという言葉を小馬鹿にしていたんだと思う。だから終わった時に反省して自分を変えたい、実力をつけたいと思ったんだ。

ゲスナー

当然の話だけれどもゲスナーさんは大人であり、演奏時間に蛇足な要素は一切ない。私は圧倒される衝撃と解放感を感じた。まず簡単な自己紹介から続く躍動感のあるサンプラーの音と身体の激しさ。その緩急に一気に吸い込まれた。
そして坂本真綾さんと空海上人をテーマにした一曲が解放感を与えてくれた。自己を内省した後の発散は格別でした。この曲を言葉で言い表そうとすること自体が野暮だろうと思う。

ムショゴリとかはな

まっすぐな瞳と背筋が印象的だった。
私は「説得力」とは完全な実力に基づき発揮される。いわば強迫的な前提で生きてきた。しかし「足枷」でしかない。これは呪いであり誤りだと気づかされた。ムショゴリさんの通った声やスラっと伸びた、かはなさんの姿勢を見た。二人は疑心暗鬼とは縁遠くて漫才は面白かった。
シンプルに私が理屈で凝り固まったつまらない奴だったんだ。

KITAKENS

私は四人全員がエリートだと勝手に思った。ステージで激しい演奏にもかかわらず爽やかな笑顔で楽しんでいる。きっと結成して七年の歳月の積み重ねがあるからだろう。目の前の汗やステージの水からも不思議と垣間見えた気がする。笑顔で一生懸命を見せるってかっこいいな。

えむけー

えむけーさんとくねくねした。それもライブハウスのみんなとくねくねした。感想はすっごい楽しい。矛盾する表現だけれども、あどけない大人になれたと思っている。体はほぐされて「音頭」のように楽しかった。

ちんにゃ

私は二列目で見ていて犬猫喧嘩祭のメンバーがすぐそばにいた。アコースティックギターと一緒に「ラララ~東京」を歌えたことはこれまでなかった。それは暖かい気持ちになれた。ちんにゃは声や去り際の佇まいがきれいだなあと思って見ていた。

PEReSTOLOICA

自分の反省ばかりの感想レポートの中でも一番恥ずかしいかもしれない。
それは私がアイドル批評を読み漁り知った風なそぶりを見せていた事実だ。用語に基づいたジャンルや規模のカテゴライズは今更どうでもいいと思う。
PEReSTOLOICAの二人は力強くて何かを訴えかける顔だった。それを知りたいと思った。

NOIA

NOIAさんは始まりとともに軽くぴょんぴょんと動き、歌い、DJを見せてくれた。私はUKガレージについて何もわからない。けれども私もその時間は少しだけぴょんぴょん動き自分なりの可愛げを表現できたかもしれないと満足している。きっと周囲もぴょんぴょんしてたはず。

犬猫喧嘩祭

切ないだけ些細な日常

犬猫喧嘩祭「並木道」

私は二曲だけについて書こうと思う。それがしこてんフェスにおいて犬猫喧嘩祭の集大成に感じたから。
「並木道」について、刹那的な歌詞と同時にギターが激しく鳴る。歌詞の内容はある種の自己憐憫かもしれない。しかしコロナ時のひるねちゃんだけの嗜好品天国をわずかに見た自分にはそうじゃない。思い返し感傷的になってしまって前述の疲れは消えた。
この曲には「空」のポケットがあり観客が自分の内面を当てはめてしまう。今までそのことにずっと気づかなかったよ。

こんな僕じゃなかったはずだ

犬猫喧嘩祭「タイムマシン」

「タイムマシン」は引用の通りMVの明るい雰囲気に反した後悔が歌われている。ドラムとギターの音がMVの空の美しい景色に連れて行ってくれる爽快感が私は好き。「並木道」とは違う三人のそろった力が歌詞の意味を変えてくれる。ここからがスタートでありMVの飛行機も離陸していくから。

振り返ってみて思うこと

十組の演者の方々は誰も卑屈じゃないし理屈に支配されてもいない。
だから自分の思ったことを素直に肯定すること。それでいいんだ。
もう嫌な目つきで勘繰ることはしない。
そんなことでは目標にたどり着けない。
この歳になって何をすれば良いのか気づいた。
自分はせせら笑うことはしない。仮に他人がそれをしてもどうでもいいや。
私の視線の先の景色は違うからね。

最後に

ライブは一人で行くのも良いし、二人一緒だともっといいね。
だから引っ込み思案な私をいつもの明るい雰囲気で誘ってくれた
うしおさんありがとう。現地で話しかけてくれた皆さんもありがとう。
お昼過ぎの嗜好品天国で「ルールを気にしないで好きに読む!好きに描く!好きに書く!」と言ってくれたスケープゴート秀美さんのおかげでこの感想を書こうと思えました。
23日に皆さんからバトンは渡されたと思っています。
次は私が外の世界に訴えかける番なんだ。
そして下記の最高tweetを残しておいて引退はずるい!ひるねちゃん!







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