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【読書メモ】ファイアパンチ全8巻(藤本タツキ)【#58】

チェンソーマンがアニメ化され、第2部も始まって、久しぶりに読み返したところ、やっぱり藤本タツキは天才だなと再確認したので、ファイアパンチについて紹介します。

あらすじは、Wikipediaからの抜粋です。

文明崩壊後の世界、地球は「氷の魔女」によって氷河期を迎え、雪と飢餓と狂気に覆われていた。そこで暮らす人々の中には稀に奇跡を使える人間がおり、祝福者と呼ばれていた。
小さな村に暮らす少年アグニとその妹ルナは肉体の再生能力を持つ祝福者であり、妹より強力な祝福を持つアグニは、自らの肉を切り落としては村人に食料として分け与えていた。しかしベヘムドルグ王国ドマ率いる軍隊に人肉食を見咎められ、村は住民ごとドマの祝福・焼け朽ちるまで消えない炎に覆いつくされてしまう。自身の祝福のせいで燃焼と再生の苦しみを繰り返す羽目になったアグニは、生への執着を捨てることで再生が止まることに気付く。しかし同じく燃焼・再生を繰り返していた妹が「生きて」と語り力尽きたことで、アグニは生にしがみつくことになる。8年後、顔の炎の除去に成功したアグニは、依然として身体の燃焼に苦しみつつ、村と妹を奪ったドマへの復讐を目指して旅に出る。

Wikipedia

まず設定ですが、世界は氷で覆われた氷河期のような世界です。主人公がアグニ。肉体を再生させる能力を持つ少年です。その少年が、焼け朽ちるまで消えない炎で焼かれます。普通の再生能力者なら焼かれて、朽ち果てて死んでしまうのですが、アグニは焼かれながらも生きていきます。そして復讐のために旅に出るという話ですが、最初は復讐するというストーリーから始まり、途中でギャグになります。それから、神と崇められてヒーローになります。最後のカタルシスが想像の斜め上というか、全く予想していない方向に行き、えー!となること間違いなしです。

そもそも、よくこんな漫画が少年ジャンプに連載されたな・・・というくらい、最初はヒーローものでもないし、グロい表現がバンバン出てきます。しかし、1巻のグロさがあってこその、8巻のカタルシスです。グロいがゆえに、ルナの可愛さ(のちにルナそっくりのユダという女性も出てきます)が際立ちます。

単なるヒーローものではなく、主人公は常に身体を焼かれる苦痛を味わっていることや、無力感(再生能力と自分を燃やしてる炎しか武器が無いので)や、勝手に自分のことを神にされてしまう戸惑いや、自分たちを殺したドマが、実は孤児たちを養っていたという事実など、考えさせられるところだらけです。ダークヒーロー漫画というより、哲学書に近いものがあります。全然まとまっていないし、何かの回答があるわけでもないので、哲学書というのは言い過ぎですが。

全部で8巻しかないので、一気に読むことをお勧めします。だらだら読むと8巻の終わりが???となってしまいます。一気に読んだ方が納得できると思います。何度も読み返してみると、読むたびに深みが増します。

次回はチェンソーマンです!

おわり


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