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笠松競馬財務申告漏れの処分はこれで良いのか?

本日、笠松競馬から税務申告漏れ事案と再発防止策について公表された。
合計114名中81名(7割強)が修正申告が必要とされ、騎手に至っては全員が修正申告の対象となった。(とはいえ、その中の1名は払いすぎていたため還付との事なので、これを含めるべきではないが)

この調査は外部有識者である笠松競馬運営監視委員会に諮るとともに、最高運営会議で協議、実態把握の上行われたということである。

さて、先のnoteでも述べた通り笠松競馬運営監視委員会というのは、以前の第三者委員会に二名の委員を加えた組織である。これが、『見落としていた』のが7割強というのはあまりにも杜撰ではないか?
ここまで大胆に『見落とし』ていたのだとすると、元の第三者委員会の面々を外部有識者とするにはかなり無理があるのではないか?少なくとも彼らがきちんと調査をしていなかったのではないかという、根本的な部分で疑義が生じるのは必然であろう。

今回の書面では

5月20日に開催した税務署職員による「税に関する研修会」を機に、多くのきゅう舎関係者が、攻め馬手当や協賛レースの協賛金などの収入について、申告漏れの可能性があることが判明した。

と、いかにも研修会で初めて申告漏れの可能性があることが判明したとされている。しかし、通り一遍の研修でわかることを、全員に聞き取りをしたはずの第三者委員会が問わなかったのか?資料の一つも配布していなかったのか?などと考えると、とてもではないが「はい、そうですか?」と納得できるような内容とは言えない。

さらに、今回、誰がどのような項目で処分されたのかは明らかになっていない。これは、前回の処分時も一部の調教師については同様の処置であったので一定の理解ができるが、項目に関してはもう少し明らかにすべきだったのではないか?

そして、気になるのは二名の元騎手の訴訟に与える影響についてである。

前回のnoteでも取り上げた通り、現在訴訟中の騎手のうち一名は金員は受け取ったが、『当該金員が情報提供の報酬であるとの認識をもっていたとまでは認められなかった』と第三者委員会の報告書にも明記されている。
前回のnoteでは、これらの金員が一般的な意味合いにおける「お小遣い」だったのではなかったかと推察したが、もしこれが、今回修正申告をされている「攻め馬手当等」に当たるものだと本人が認識していたのだとしたら、これはみんながもらった上で申告していなかったものであり、なおさら処分がややこしくなるのではいかとも思う。

なお、今回の処分で不可解なのは還付(おそらく税金を払いすぎていた者)についても口頭注意がなされている点で、これは処分として行うべきことなのかどうかきわめて微妙である。さらに、金額の多寡で文書注意と訓告とに分けているが、本来、問題は金額の多寡であるべきではない。

また、今回、前回の調査時に処分がされなかった調教師3名もしれっと訓告処分となっている。
これは、他に修正申告をしなくてはならない者がいなかった場合には処分をしないつもりだったが、他にも出てきたから処分した様に見受けられる。そうであれば、処分内容自体が非常に適当だった様にしか思えない。

さて、今回の書面で若干気になる文言が出てきたので、そこにも触れておきたいと思う。意識改革・管理体制の強化についての項目である。

(倫理憲章の策定)
 ○競馬関係者全体の規範となる倫理憲章の策定

(研修の強化)
 ○警察や防犯協会等を講師とするSNS等のインターネットの取扱いや交友関係のあり方にかかる研修会の実施
 ○賭博罪の処罰対象となる可能性のある海外で運営される賭博サイトを利用することがないよう、文書により全きゅう舎関係者に注意喚起
 ○競馬組合による社会通念上容認されないものを具体的に示す事例集の作成
 ○きゅう舎関係者による公正確保に関する行動計画の策定

(監理体制の強化)
 ○競馬組合によるインターネット、SNS上の笠松競馬にかかる不適切な投稿等を業者に委託し監視を実施

特に気になるのは『賭博罪の処罰対象となる可能性のある海外で運営される賭博サイトを利用することがないよう、文書により全きゅう舎関係者に注意喚起』である。
元笠松競馬の調教師であった某氏も先日処分を受けた騎手に送金したとされる「SNSにおいて競馬の予想行為を行っている者」も、共にSNS等で海外で運営される賭博サイトの宣伝をしきりに行っている。これらを念頭に置いた項目と思われるわけだが、今回、おそらく既に使用したことがある者がいるのか否かについて(ないしはアカウントを持っている者がいるのか否かについて)は全くチェックをしていないように思われる。
オンラインカジノの合法性については諸説あるのでここでは触れないが、一部のオンラインカジノは日本の競馬、特に地方競馬についても賭けることができる以上、これらのアカウント登録や利用履歴がないことは確認をすべきだったのではないかと思う。
加えて言えば、確かに地方競馬関係者は中央競馬の馬券を購入することは禁止されていないが、即PATならびにA-PATでも地方競馬の馬券は購入することができるため、海外で運営される賭博サイト以前に、それらの確認がなされていないとすると、これはもう、調べる気すらないとしか考えられない事態と言える。

報道では、これから総務省に申請を行い、八月末からの競馬再開を目指すとの事である。
笠松競馬再開は素直に喜ばしい事態ではあるが、もし膿を出し切れておらず、再開後に問題が出てくる事態ともなれば、今度こそ廃止へのコースを突き進むこととなりかねない。
県や組合には今一度外部から得られた情報を精査し、本当に膿が出し切れているか確認、運営監視委員会のメンバーもきちんと精査したうえで申請をしてもらいたいものである。

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