父ちゃんに教えてもらったこと
小さい頃、父親にいろいろなことを教わった記憶がある。
「常に次に使う人のことを考えて物を使う。」
といったマインド的なことだったり、
夏休み恒例の「貯金箱作り」では子供じゃ思いつかないような緻密な設計とデザインを教えてくれたり。
「リンスはお湯に溶かして、頭からお湯をかぶればOK」といったちょっと古い情報まで(笑)
中でも未だに教えてもらったことを感謝するのは「鉛筆の削り方」。
今時はシャーペンやボールペン(そもそも文字を書く習慣も減ってるけど)があるので鉛筆を削るなんてことはないのだけれど。
小学校の頃は学校で鉛筆を使っていたので、鉛筆削りが自宅にあった。筆箱の中にも小さな鉛筆削りがあったから鉛筆の削り方なんて知らなくても良かったんだけど。
それでも父は鉛筆の削り方を教えてくれた。
今はカッターナイフを使うけど、当時は「ボンナイフ」なる折りたたみナイフ的なものを使って教わった記憶がある。
鉛筆をナイフで削るのにはちょっとしたコツがある。
「ナイフを動かす」のではなく「鉛筆を動かす」のだ。
鉛筆を左手(利き手と反対の手)に持って、ナイフを右手に持つ。
ナイフを持つ右手は動かさずに鉛筆を持つ左手を動かす。
ナイフを持つ右手を動かして削るのは、
「山の中で拾った棒を槍に加工するために勢いよく先っぽを削る探検家」みたいな感じ?(どんな表現だ)
要するにナイフを動かす鉛筆削りの方法はワイルドすぎて結構危ないのだ。
鉛筆は細くて小さいので、そのスタイルだと芯がキレイに切り出せない。勢い余って手を怪我することもある。
だから、鉛筆の方を動かして削りたいところをナイフの刃に当てて鉛筆を手前に引くことで削るのだ。ナイフを持つ手の親指は刃の背中を押さえる。
同じかどうかわからないが、「ささがきごぼうスタイル」なのだ。
もうしばらく鉛筆は使っていないので、鉛筆削りもない。(女子ならアイライナーとかアイブロウを削る道具がありそうなものだが、私はあいにく、アイラインもアイブロウも書かないので持っていない)
今日、裁縫をやっていてチャコペンの芯が潰れてしまったので削り機が必要だったのだけれど、「カッターで削る」という選択肢があることに気がついた。
何年かぶりにナイフで鉛筆を削ったけど、体は覚えているようで結構上手いことできた。冒頭の写真がそれ。なかなかいいでしょ?
今時、鉛筆をナイフで削ることはないかもしれないけど父がこういうことを教えてくれたってことに「なんかいいな」って思う。
こうやって自分の子や次の世代に生活の知恵を伝えていくことってなんとなくいいなと思うし、知恵を伝えることで次の世代はスタートラインをもっともっと先に設置することができる。人間の本質なのかもね。
私も父や母から教わった知恵や愛情を次の世代に伝えて行こうと思う。
あ。うちは子供を持たない選択をしたんだった(笑)ま、子供って血の繋がりがなくたっていいんだよね。次の世代なのは変わらない。
父ちゃん母ちゃんありがとう。
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