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【シ・ネマ】vol.5 魂によせ

【シ・ネマ】vol.5 魂によせ

いつだったか大野一雄さんの映画を観た後のこと、
旅した友人の見せてくれた風になびく布の写真
見知らぬ土地で、名前を呼ぶ声がしたこと
それららの印象が合わさってできた詩
今、私のいる地点の映像から。


『魂によせ』

手をひるがえしながら空を見上げるとき

はためく思いに紛れて雲が通り過ぎた

石柱の傍らで出会う

見知らぬ老女に名のあるように

響き続ける鐘の音の終わらぬうちに

気配は気がつかぬところで

より快適な世界へと変容し続けている

つながれて ながれている ものものたちが

音より 光より はやく

かつて傷つき泣き疲れ眠る夜に

一輪の花を手にして森の小道を歩き

ぜぜらぎのすすめるまま

景色の中で風と共に舞い始め

君の存在に感謝と祝福を捧げはじめる


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