国語の授業を担当するやすし先生は、文学作品に対する深い洞察力で生徒からの尊敬を一身に集めていた。

しかし、ある日の放課後、彼が図書室で生徒たちに小説の魅力を語っている最中、異色の風が吹き込んでくる。
現れたのは、推し活の伝道師として名高いヨウコだった。

ヨウコは、彼女の手に持つカラフルで目を引く「推し活の秘伝書」を開きながら、生徒たちに向かって熱弁を振るった。
「皆、推しのためなら山も谷も越えられるものだ」という彼女の情熱的な言葉に、図書室は一瞬にして沸き立つ。

やすし先生は、この突然の展開に一瞬戸惑いを隠せなかった。

文学の深遠な世界と、推し活の熱狂的な世界。二つは水と油のように思えたが、ヨウコの言葉には、どこか文学作品に込められた情熱と夢を追い求める心が通じるものがあった。

『ヨウコさん、推し活と文学、表面的には違うかもしれませんが、根底にあるのは同じかもしれませんね。人を動かす情熱という点では…』

やすし先生はそう言いながら、ヨウコの推し活の秘伝書に目を通し始める。

「やすし先生、それはすごく大切な視点。文学作品にも、推しに対する愛を感じることができるものに違いない！」ヨウコは目を輝かせる。

そこから二人の間では、推し活と文学の融合という、まったく新しい探究が始まった。

生徒たちもこのユニークな取り組みに興味津々。やすし先生の国語の授業は、ヨウコの推し活のエッセンスを取り入れることで、まったく新しい形で展開されるようになった。

図書室は、文学作品の深淵を探求する場でありながら、同時に推しの魅力を語り合う場ともなっていく。友情や恋愛も多くを生み出していった。

二人の先生方の奇想天外な協力によって、生徒たちの間で新たな文化の芽生えを見せ始めていくことになる。

苦楽を共にしたやすし先生とヨウコの間には、文学と推し活という異なる世界を繋ぐ、強固な絆が生まれていた。

そしてその絆こそが、生徒たちにも新たな視野を開くきっかけを与えていたのだろう。

『ヨウコさんは素晴らしい。私もあなたの推しになってしまったようだ…』

「あ、そういうの必要ないんで」

『っすよねー…』

…って物語があるんだよ( '༥' )ŧ‹”ŧ‹”。