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【エッセイ】 カワトンボ

 赤茶色の羽根を持つトンボがひらひらと、水辺を優雅に舞っている。

 カワトンボという類いのこのトンボ、トンボというより、チョウというのが印象で、赤トンボのようにツーとも飛ばず、ひらりひらりと宙を舞っては、止まるときにも羽根を閉じる。

 チョウと蛾の見分け方で、チョウは羽根を閉じて止まるが、蛾は羽根を開いて止まるというのがあるが、この理屈をもってしても、やはりこのトンボはチョウであり、いわゆるトンボが蛾のほうか。

 体が細く、頼りない、このカワトンボはそこだけ見れば気味が悪いが、それを補って余りあるのが、羽根の色の赤茶色というわけで、この華やかな赤茶色は、想像の中の赤毛のアン、その鮮やかな髪色に似て、遙かなるプリンスエドワード島の自然を思わせる。

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