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【エッセイ】 薪を積む

 薪を割れば、積まねばならぬというわけで、それも乾かすためなら井桁いげたに積むが、これがなかなか難しい、薪の太さ大きさは、一定では有り得ない。

 真面目、神経質には時間が掛かる、いい加減さが大切なこと、おおよその太さを合わせて積んでいく、風の通らぬ下は少なめ、上の方は詰め気味に、骨組みに重さを掛けて、決して前には崩れぬように。

 これがまったく慣れない頃は、板やら小枝で小細工弄し、結果、不安定な井桁の完成、積み直しも待ったなし。

 とにもかくにも、こうして薪の積み上がる、季節は既に夏を過ぎて、今年は十分積んだと思いきや、冬にはいつもの自転車操業、からりと乾燥しきった薪は、惜しまれながら燃えていく。

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