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民ドラ遅報002 2024年1月期 スタート~最終コーナー「おっさんしか勝たん!?」

さて、2024年1月期民放ドラマもいよいよ佳境。

初回脱落は案外少なく
月9を除けば
「アイのない恋人たち」
主演の福士蒼汰くんの演技に不安がありつつも
最近は時代劇かなにかで好演だったらしいので
如何なものかと思っていたら
それ以前に当たり外れが極端な遊川脚本
今回は大ハズレという。
残念です。


「となりのナースエイド」
は初回問題になった手術真っ只中で主人公がマスク無しでの長台詞はまあ“非常識”極まるものではあるが
演出上仕方ないともいえる。
“ドラマなんだから、いちいち目くじら立てるな”ってのもごもっともだが
せめて医療素人の視聴者にはわからないくらいの
演出にできないものかと…
過去に心の傷を負った主人公って設定も
ありがちでだし不要かと
単純な医療コメディもののほうが観やすいし、続編も作りやすそうだがというのは単純なおせっかい。
あと、実は医師免許とれるレベルなのに敢えてという設定はたしか放射線技師が主役のやつがあったんじゃなかっゴニョゴニョ

原作ものらしいので
勝手に改変なんかやらかしたら
日テレさんもさすがに後がないですものね。
役者さんには特に文句無しで
(吉住さんは良い味出しますね)
継続視聴も考えましたが途中脱落。

「Eye Love You」

見所は
韓国俳優の彼が只ひたすら可愛いワンコのようだな

と。

志らくさんの演技(といってどうか。)に
神田ハクザンて人が噛みついてるらしいけどプロレス的に応援してると無理矢理善意にとらえるしかなかろうか

と。

これもファンタジックラブストーリーに分類されるのでしょうが
二階堂ふみさん他キャストの好演と
全体的に明るめの内容で観やすく全然悪くはありません。
が、これも(視聴時間の都合上)途中脱落。

「アリスの厨房」
は門脇麦ちゃんこれだけ難解な役こなしてるんだから
それに見合った見応えある面白いストーリーにしたれよ!
と思ってしまいました。
スミマセン。
脱落です。

そして厳選された作品達は7作品!
差は僅か
雪崩れ込むように
いよいよ最終コーナーへ


以下現順位を
最後尾よりご紹介ッッ!

7位「おっさんずラブ-リターンズ-」
社会現象を起こした前作から
“in the sky”を挟んで
約8年
驚くべきは役者さん達の変わらなさ。
それぞれキャリアを積んで
箔がついてるはずなのに
あの頃から真空パックしたかのようなフレッシュさ。

まさに
“リターンズ”です。 

相変わらずのちょっとぶっ飛んだ設定に
ぶっ飛んだ新メンバーで更なるカオスに。

はるたん、牧のいちゃいちゃは勿論のこと
吉田鋼太郎さん演じる武蔵ぶちょーが
この作品のコアなんだなと改めて感じられますね。

この作品に関してはどのような展開になろうが
心配ご無用の信頼を置ける安定感です。


6位
「さよならマエストロ 父と私のアパッシオナート」

5位「春になったら」

ここは図らずも
“父娘もの”対決に。
まずは
「さよならマエストロ」
確かに若干、田中圭氏主演のオーケストラものとのかぶりを感じるものの
オケものって結局パターンが限られるから仕方ないでしょう。
芦田愛菜ちゃんが無愛想で不愉快
との意見があるが、
彼女は単なる企業マスコットではなく女優である。
批評としては筋違いも甚だしいでしょう。

ドラマフリークとして
初期の見所は
「きのう何食べた?」
で料理上手なシロさんを演じた西島秀俊氏の
料理下手な役というギャップ。

各話それぞれクラシックの名曲を絡めるところなどは
クラシックになじみの無い視聴者も興味を持ちやすく視聴ポイントの高い作品

その分残念なのは
第5話が
父娘のわずかな和解がみられるストーリー上重要な回なはずなのに見所であったクラシック曲との絡みがなく、変わりに小休止的に愛菜ちゃん演じる娘がファンだという小痴楽がムリクリ気味にフィーチャーされるというチグハグ感。
があったり

主題歌がドラマの雰囲気とまるであってなかったり。
(※曲単体としては決して悪くないし、思わず口ずさみたくなるキャッチーなメロディ
今流行りの内容がありそうで全くない歌詞。
アイナなんとかさんの特徴的な掠れ声はとこかCHARAさんを彷彿させるって
あれ、チェロ役の彼って息子さんだよな。
なら主題歌もCHARAさんで良かったんじゃないかと思うのは、事務所絡みのパワーゲームを知らぬ素人の勝手なご意見としてご容赦を。“ドラマ主題歌”についての言及はまた別の機会にたっぷり書こうと思っとります。)

まぁ、良くも悪くも日曜劇場。

老若男女家族揃って楽しめるドラマではあります。

「リバーサルオーケストラ」のように最期はグダグダにならないことだけは期待。


「春になったら」
こちらの娘役は奈緒さん
流石の演技派です。
そして良作に恵まれる運もお持ちですね
娘役対決としては互角としておきましょう。

肝心の父親役。
そう、ノリさん。
彼に関しては世間一般で言われる演技論どうこうは全くの無意味。
重要なのはその作品において彼の人柄があっているか否か。

今回に関しては

バッチシ合っている。

癌で余命宣告されても
無理矢理明るく振る舞う役柄と
それが不自然ではない実演販売員という職業の組み合わせは脚本の妙。
それを絶妙に演じるノリさんのバランス感覚。
これを演技下手という人はまるでドラマを分かってない。と敢えて言わせていただきます

濱田岳くん他、脇役もしっかり機能していて
結末はなんとなくわかっていつつも見逃せない良作です。
そして主題歌が福山のアニキ。
今の所はこちらに軍配をあげるしかないでしょう。


同3位「婚活1000本ノック」・「離婚しない男」

ここは個人的には全くの大穴。
(その分オッズは高配当!)

試しにダメ元で観たら大当たりの二作です。

よくあるネット評の
“まるでコントみたい”

恐らく悪意で発せられているこの評価を

コントみたいだから、
役者が真剣に演じるほど、
こちらの想像を超えるほど面白くなるんじゃないか
とクロスカウンターで評者をぶちのめすことができる好例としてのこの2作。

キャスティングの勝利です。

もう、これは食わず嫌いをせずに
観ていただくしかないですね。。


2位「不適切にもほどがある」
言わずもがなの大本命。

他の連ドラから遅れてのスタート
最後尾から徐々にペースを上げトップを狙う様は
まさに王者の貫禄。

賛否のミュージカルシーンの是非はともかく
ここまでの感情ジェットコースターは
近年ないほど。
役者さん達も絶対楽しんでるたろ感が満載

クドカン脚本にハズレなし。

彼のマジックは未だ健在です。

衰え知らずどころか更なる高みを目指してる様は
民放ドラマ界希望の星ですね。


だが
しかし!

そんな強敵揃いの今クールにおいて
只ひたすら虎視眈々と逃げ切りを謀るのは…


1位「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか」

そう、まさかの!?
です。

良いドラマを鑑賞しているとき
ふと
あ、このドラマいいな。

と多幸感に包まれる瞬間がある。

これはドラマ鑑賞において
酸いも甘いも体験したことがないものにしかわからない。
“ランナーズハイ”ならぬ“ウォッチングハイ”
である。

これが一度でも訪れたドラマは
文句無しの良作として認定している。

本人も実はよくわかっていないが
“ウォッチングハイ”
は脚本、演出、役者、カメラワーク、ロケーション、音楽、その他諸条件か揃ったときにしか訪れない
大変なレアケースなのだ。

それがこのドラマ
“ウォッチングハイ”がほぼ毎話訪れるという
激レアケース。

思わず未読だった原作漫画を読んでみたが

まず原作がとても良い

その原作の良さを、ほぼベストな形でドラマに落とし込んでいる。
キャストの方々からコーギー犬に至るまで
原作に対するリスペクトをヒシヒシと感じる。

元々演技に定評のある
原田泰造氏は同世代のベテラン俳優と並んで遜色ないほど良い演技で脇を固める富田靖子、松下由樹といった大女優の安心感に加え、若手俳優陣のフレッシュ感(そして皆端役に至るまで上手い)など相俟って
ドラマファンとしては
「これぞ眼福!」
と思わず唸るほどである。

「不適切」同様、
現在のモラル、コンプライアンスやLGBTQなどを扱っているが決して重くならず、
視聴者も主人公とともに少しずつアップデートできる内容となっているのがまた素晴らしい。

今、一番楽しみな作品です。




2024年1月期。
本年の民放ドラマの善し悪しを占う上でも大事な一戦

怒濤のレースは
いよいよ最終コーナーへ差し掛かります

次回民ドラ遅報も
乞うご期待!!


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