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ゲーム業界のエンジニアになって10年経っていた

本業はソーシャルゲーム業界のエンジニアの黒水です。
10年以上経ったな、と思ったのでいろいろ振り返ってみます。
ゲーム業界のエンジニアになりたい方やゲーム業界で働きたい方の参考になれば、と。

たまにデザイナーさんとかフォトグラファーですか?と聞かれますが、うれしいですが残念ながら仕事ではほぼやってません(年に数件だけ依頼を受けてやることはあります)
むしろデザインの勉強や業務は経験なし…。
ちなみにデザイナーさんに評価されるのはとてもうれしいです。

正直「撮れる」だけでは仕事として出来るとも思いませんし、どっちかというといろんな人と関わったりとかは苦手で。
例えば笑顔を絶対撮らないといけない撮影とかあったら自分は出来ないでしょう。


ざっくりな経歴

新卒で入った会社

webプログラマー。
webサイトを作るのがメイン。
LAMP環境。
電話応対もしないといけないが、もともと吃音症があったりもしたのでかなり辛く。
社会人1.5年目くらいの頃、テレビで某ソシャゲーのCMが流れ「もう一度ゲーム業界目指してみるか」ということで転職を決意。
(数年後、その会社に入ることになる)
その時点ですでに1人で実装も出来営業も出来ていて、スキルアップなどもしたかったんですよね。
ちなみに大学の就活の時期はゲーム会社を受けましたが、第一志望のところは最終面接で落ちました。緊張もありましたが言わなきゃよかったな、ってことを言ってしまった記憶です。
他は大体大手企業のエンジニアを教授の推薦で受けたりしてました。

2社目(初めてのゲーム業界)

ワクワクから始まった。
ベンチャーのソーシャルゲーム業界。
好調だよ、と言われて入ったがめっちゃ赤字でピンチっていうことが入ってみたらわかった。あるあるらしい。
1年くらい経ったら事業部が赤字でつぶれると同時に
「会社に残ってゲーム以外のwebサービスをやるか、転職するか」
と選択を迫られ、後者を選択。
偉い人以外、ほかの同僚もみんな転職を決意。
転職が全員決まってるので、業務中に
「これから面接なんです」
「がんばってね!」
っていう、通常の仕事では見ないような会話が飛び交っていました。
この現場では自分のエンジニア力が少なすぎて全然活躍出来てなかったが、この業界ではどういう業務をするのか、はかなりイメージ・理解出来ました。
ちなみにこの現場ではAM5時起き、23時帰りで、西浦和⇔渋谷を通う毎日でした。
今の年齢で同じことやったら〇ぬな、って思う現場だったな…。
今のスキルレベルで入っていたら、また違った結果になっていたかも。
ブラック? ブラックかどうかは、本人がどう思ってるか次第なので、ブラックって思ってませんでした。業界で働けたことがとてもうれしく、生き生きしていたので。
給料は新卒の会社とほぼ変わらず、キツかったですが、上記のスケジュールだったので遊びに使う暇もなく土日はぐったりしてるだけだったので問題はなかったです。友人の結婚式がありご祝儀で出費があるとつらいな~ くらいですね。

3社目以降

2社目である程度業界のエンジニアの働き方のイメージがつかめたので、それ以降は不安などはなかったです。タスクを日々こなし、勉強する毎日です。
個人的には、今でもスキルはまだまだで、上には上がいると感じてます。
また、ほかの現場に行くと
「え 自分全然だったんだ。。」
「こんなことほかの現場ではやってないのか」
「無名で売れてないゲームだけど、現場のエンジニアがめちゃめちゃ優秀・頭がいい」
って感じることがよくあったのと、自分の足りていないスキルがわかるので、ある程度慣れていろいろこなせるようになったら転職も全然ありだなって思いました。

実際、業界的に3年前後で転職する人が多い業界ですし。

業界にいて「いいな」と思うところ

  • ゲーム好きが多い(世界や日本でトップのゲームプレイヤーが社内にいたり)

  • 作ったものを直接ユーザーさんに届けられる(BtoCなので)

  • 私服勤務

  • パーティションがあり正面の人が見えなく集中出来る環境

  • 風通しがいい。全社員と話せるチャットがあったり。偉い人も距離が近いです。

  • 裁量労働制・フレックス制

  • 福利厚生が独特なものが多い

    • 自販機無料

    • 弁当無料or安く買える

    • 社内マッサージ、ネイルサロン、筋トレ、ヨガなど

    • 家賃補助があるところも(3~5万くらい出る)

    • 希望のキーボードやマウスを会社が最初に用意してくれる

    • 社内イベントが活発な会社も(BBQや社員旅行・部署旅行など)

  • 趣味がオタクなことでも引かれない

    • 部活動も活発(黒水は写真部の部長やってました)

  • 電話応対がない


実際に感じた大変・微妙なところ

  • 緊急事態が起きると休みの日や夜中でも対応が必要

  • みなし残業なので残業しても残業代は出ない

  • 個性が強い方が多く部署が違うだけで会社が違うみたいに雰囲気やルールが違う

  • いじめだったり陰湿なことをする人は定期的に見る。同僚とLINEとかslackなどのDMやプライベートグループを作れちゃうからかも(どこの業界もかな?)

  • 女性社員との距離感がわからずセクハラと判定される男性社員が一定数いる

給料などの待遇

「高くはないが低すぎることもない」という印象です。
ずっとゲーム業界の方だと比較対象がないかもしれませんが、私は大手外資コンサルア〇センチ〇アにいたこともあり、そこと比べるとまあ低いです。

ボーナスを含めないア〇センチ〇アの年収 > 好調なソシャゲー会社のボーナスありの年収

って感じでした私は。これだと月額がかなり変わるので大手外資コンサルはすげーなーって感想でした。
最初の2社あたりは今振り返るとかなり低いなあとは思います。
趣味である程度お金を使うと貯金がたまらない、というくらいです。

なので、給料を上げるためにも3年前後で転職をする方が多いという背景もあります。

これから目指す人のために

  • ゲーム好きなら是非目指してほしい

  • ゲームはやるにこしたことはない

  • 新ゲーム機・ゲームソフトはなるべく早く触る

  • ゲーム以外も詳しくなろう

  • 常に勉強する姿勢が求められる

あたりが大切かなと。

ゲームが好きじゃないとそもそも面接で落ちるところもあります。
入ってからスキルなどは磨けるが、ゲームが好きかどうかを入ってからどうにか出来ないからという理由ですね。
好きじゃないものを好きになれ、って言われてなりますでしょうか。
そもそも好きってことが結構大切だったり。

また、すごい数をやれ・買えとは言いませんが、年に最低数個はコンシューマーゲームを買うとか、ソシャゲはほぼ毎日なんか触る、とかはした方がいいです。
例えば「こんなシステム思いつきました!」って提案しても「それって〇〇ってゲームの××システムと同じじゃん。。」ってツッコまれてしまいます。
共通言語や知識としてゲームを多くやって損はないです。
また、お互い知ってると「ああ、〇〇の××みたいに実装すればいいのね」と、話が早かったりします。

最新のものを触るのも大切ですね。
例えば、映画業界に行きたいけど、自分が小さいころに見ていた映画くらいしか見てなく最近の映画を一切見てないとかだったらどうでしょう。
それでとても詳しかったりしても、仕事をしていく上で「最近の映画は見てません」なんて人がいたら「大丈夫かな?」とも思われそうですし。
「最近のものはだめだ」って思ってて見てないのかもですが、見てそう判断するのとみてないのにそう判断するのでは印象も違いますし。
私自身、クロノトリガーやゼノギアス、FFが好きでゲーム業界に憧れたのでソシャゲーより当時のゲームが一番好きです。
でも今のゲームも定期的にやってます。仕事に絶対生かせるし、説得力にもなるからですね。
また、趣味の写真にも活かせています。てか大体ゲームからインスパイアされてます。

ゲーム以外に詳しいことがあってもよいことは多いです。
ストーリーを考える人はいろいろなところから考えないといけないので知識も必要ですし。
エンジニアなら、ゲーム業界とは関係ない最近のエンジニア系のトレンドから何か実装のアイデアになるものが見つかったりとか。
ちなみに私は趣味でやっている写真で、会社の広報用の写真を撮る仕事(?)を任された経験もありました。

遊んでるような業界ってイメージする方いるかもですが、最新のエンジニアについての勉強も必要で、日々トレンドも変わるので勉強は常に必要です。
法律も変わったりするし、世界情勢によってやることを変えないといけない部分もあったりします。
業務としてはゲームを扱っていますが、ほかの業界と変わらずやらないといけないことは同様にありますしね。

その他個人的にあった珍しい体験

  • 入社3日目の社員が隣の席の社員を包丁でめった刺しにする事件

  • 運営ツールでこっそり自分のアカウントにアイテムとか付与しちゃって降格になっちゃった人

  • トイレの個室でいびきをかいて寝てる人

  • 何も連絡も共有もなくいきなり退職した人

とかはあったり見たことあります。
特にいきなり退職パターンは結構ありますね…。
まあ、自分になんかあったわけではないですが、いろいろ起きる業界だなあとは思いました。
これからもいろいろ起きるのを楽しみにして仕事頑張ります。

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