嵐の日の窓

窓の向こうの雨粒は、外の世界から私を隠してくれる
激しく降れば降るほど、こちらの二人を隠してくれる

部屋の明かりを消して、窓の外の暗闇と混ざりあう

誰からも見えない窓の前に立つ二人、
向かい合って、ゆっくりと服を床に脱ぎ捨てていく
脱いだ服が、重なって、あしもとに積み重なっていく
最後の一枚から、足を引き抜いて、二人の下着が床に落ちる

後ろから、男が女の体を包み込んで、二人で窓の外の雨を見つめる
裸で重なって触れる部位が、
いつもより熱く感じて、深くまで届く
触れる部位だけが、熱持って温かい

降り続ける雨のなか、
吹き続ける風のなか、
肌を合わせて、体温を合わせて、
思考を合わせて、、

二人が濡れていく

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