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ドラマ『シガテラ』の感想


テレビ東京で制作されたドラマ「シガテラ」を観ました。

というか観てました。
ずっと観てました。

1話から最終話12話までずっと観てました。

そして昨夜、最終話の放送が終わりました。

1話を観終わった時には、同世代の友人にTverのリンクを送りました。
中学の時、ブックオフで「シガテラ」と「ヒミズ」を読んだ友人にも送りました。

少しでも早く感想を言いたく、最終話までに感想を発信したい気持ちが何度も何度も押し寄せてきました。

でも最終話が終わるまで我慢してました。

でも最終話が終わったので書きたいと思います。

まずドラマ「シガテラ」はクソだと思います。


情報解禁のニュースを見た時、ティザー映像を見た時
「多分厳しいだろうな」と思いながらも少しだけ楽しみで1話の放送を観ました。

映像を観てる間、あんまり黙ってる時間がなかったです。

「あああーーーーーー」

「いやーーーーーーー」

「はぁーーーーーーー」

「うーーわ」

「うわぁーーーーーー」

と30分知ってるくだりを一つずつなぞっていくのを観るたびに
ゴールチャンスを外した時のサポーターのように
ため息と怒りと悲しさで声が漏れました。


これは僕も悪いんですが、
同じ古谷実原作の
園子温の「シガテラ」
吉田恵輔の「ヒメアノ〜ル」
TBSドラマ「わにとかげぎず」
を一つの基準点に置いてしまってましたが
あれら作品と
今回のテレビ東京の深夜枠をなんとなく近いところに置こうとしたのが悪かったと思います。



しかし、僕はこの作品、ダメだと思います。

人によっては〜、みたいな文脈もあるかもしれませんが
あのドラマはかなり辛いと思います。

しかし、作品の半径10mぐらいの人でどれぐらいの人があの映像作品に自信を持てているのでしょうか。

メディア取材日がもしあったのならば、快活にインタビュアーと作品についてのラリーができていたのでしょうか。



プロデューサー、演出、演者、宣伝部。

胸を張って最終日を迎えた人、マジで1人もいないんじゃなかと思ってる。

気になってTwitterで検索しても公式かLDHのファンしか見かけない。

あしかし、1人だけいるかもしれない。
脚本担当のこの方。
結構毎話楽しそうにツイートしてたかもしれない。


申し訳ないけど、僕は脚本も酷かったと思う。
セリフは原作からそのまま持ってきていた。

金造を登場させないとあのシーンは意味ないと思う。


そして、作品が叩かれてる時、脚本が酷い、演者が可哀想みたいなことを言う流れがあるがもう演者も責任を受け取ってもらいたい。

演技、辛かった。

荻野くんはかなり観てられなかった。
谷脇も辛かった。
田島も、母親も、バイト先の女性も。


古谷実作品のヤクザが、
自主映画のようなコワモテ派手シャツ金ネックだったのは悲しかった。

緊迫したシーンなのにシュールみたいな掛け合いの演技は見てて辛かった。
カットかかったら「いやー笑い堪えましたよ笑」とでも言ってるのでしょうか。
僕はかなりマスターベーションみを感じてしまいました。


1話を観終わった時に僕は妻に言いました。
「これワンチャン脚本家以外、原作読んでないかもしれない」

オーバーですが、その可能性はあると思ってましたし
最終回を先ほど観た自分的には結構その可能性まだあるんじゃないかと思っています。

もし読んでても一回とかなんじゃないだろうか。

ちなみに妻は「そんなにムカつくなら観る方が悪いだろ」と言っていた。
本当にそう思う。


想像する。
クランクアップの挨拶で演者は何を語ったのでしょうか。
助監が大きな声で紹介し、
監督から受け取った花束を抱えながらみんなの前で何を話したのでしょうか。

そしてマネージャーが運転する帰りの車で何を思ったのでしょう。

夜寝る時、なんか押入れの上の段から顔を出す自分に何を言われたんでしょうか。



僕がこの作品で最も残念なのかが何か見つかりました。

一番地味なキー局の、
誰にも見られないような時間帯の枠で
誰に観られても大丈夫な内容にしたことです。

そこまで制作費がかからないはずの内容で
かなり当てに行くスイングでした。

もっと好きにやってよかったんじゃ無いだろうか。
講談社は今更「シガテラ」の映像化に内容うるさく入ってくるのでしょうか。
古谷実は中身に入ってくるとは思えない。
(「ヒミズ」はオチが変わってるので)

もっと湿度が高く、どうしようもない人間と人間を見たかったのですが
それは12話通して叶いませんでした。

別にテレビ局ではなくても創作活動ができる世の中で、
わざわざあれをする必要があったのでしょうか。

古谷実、「シガテラ」が大好きな30代、40代の男性芸人が
一貫して無反応だったのも興味深かったです。

逆に薦めてる人はマジなんでしょうか。
何か色々あるんでしょうか。
そこも気になりました。



僕は基本的には作り手を過度にリスペクトしてます。
何かを評する人は有意な位置で石を投げてるだけのケースが多く、
そんな中でそれでも何かを作る人を尊敬しています。

でもこの作品はスプリントせずに、
軽いジョグでじんわり汗を流し、12話走り切ったので“こいつら無いな“と思います。

12話我慢しましたが、吐き出してしまいました。
ドラマ「シガテラ」辛かったです。



唯一最高だなと思ったのは情報解禁時の古谷実の史上最短の原作者コメントです。


「シガテラ」公式HP


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