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つながるスイッチ!! -vol.17-支え合い推進会議 ― その⑬ ―「草野校区」の取り組み


実は、草野校区は今回が2回目の取材になります。

会長さん、事務局長さんと久しぶりにお会いしました。

資料も用意していただいて
順を追って説明してくださいます。

そう!そう!
以前もとても丁寧だったなと思い出しました。

お二人ともお変わりなく、
資格も取得し趣味も増えた!とのことで
活き活きとされていました。

私も負けられません!

さぁ!今回も元気に
「つながるスイッチ!! vol.17」、スタートです!!

支え合い推進会議の取り組みを紹介していくシリーズ第13弾。

vol.4で紹介した「草野校区」のその後の取組みを追いました。


草野校区社会福祉協議会 会長 宮﨑 律志さん
草野校区まちづくり振興会 事務局長 上田 桂司さん

以上の2名にお話しをお聞きしました。



1、移動販売の検討


令和2年2月にスタートした
校区の困りごとを助ける活動「草野支え愛クラブ」。

ニーズ調査の結果に基づき、
“ゴミ出し支援”と“買い物代行”の2つに絞って活動してきました。

ゴミ出し支援は少ないながらも定期的な利用者がいましたが、
買い物代行の依頼は、ほとんどありませんでした。


調査の結果では、ニーズが多かった買い物支援。
なぜ依頼が少ないのか…。

支え合い推進会議では、その原因について話し合いました。

そのなかで、「商品は自分の目で見て買いたい。1つの商品にも色々種類があり、買ってきて欲しいものを詳細に説明するのが大変。そのような理由で買い物代行の依頼が少ないのではないか」といった意見があがりました。

その意見をふまえ、どうすれば買い物に困っている人を支えることができるのか検討しました。

「ちょうどタイミングよく、移動スーパーを運営する会社が地元のスーパーと契約して草野地区をまわるという情報が入ってきました。これは利用するしかない!支え合い推進会議が窓口となり、草野校区にいくつか移動販売の拠点を取り入れてはどうかと考えました」と宮﨑さん。

しかし拠点を設けても、利用されなければ意味がありません。
導入に向けてまずはどの程度ニーズがあるかを把握するため
令和4年8月、全世帯を対象にした買い物アンケート調査を実施。

522枚(回収率:84%)の回答がありました。


アンケートの結果、
移動販売を
「今すぐ利用したい」世帯が26軒
「たまに利用したい」世帯が119軒。

「今すぐ利用したいと思っている世帯が26もある!その人たちのために始めよう」と宮﨑さんは決断したそうです。


2、移動販売スタート


アンケートの結果を踏まえ、
今すぐ利用したいという人が多く住んでいる場所で拠点を4か所選定し、
令和4年11月から、まずはお試しで移動販売の活動がスタート
しました。

野菜、果物、生鮮用品、惣菜、パン、菓子、日用品などの商品があり、お正月の時期にはしめ縄などが販売されるなど、季節の商品も充実。
予約注文も可能です。


移動販売の利用者は、1か所平均10人程度。
「まとめ買いができて便利」
「遠くまで買い物に行く必要がなくなった」という声のほか、
「移動販売を待つ間のおしゃべりが楽しい」
「色々な人と会えるから移動販売の日が楽しみ」という声もあり、
買い物ニーズを満たすだけではない効果も生まれているようです。

「ご近所の人がお年寄りに付き添って販売所に来られたり、買った品物を家まで運ぶのを手伝ったり…。あちこちの拠点で、“支え合い”の光景が見られて嬉しかったです」と上田さん。

買い物する人同士の交流もできて、まるで屋外サロンのような空間です」と宮﨑さん。

「草野はこういう支え合いができる地域なんだと改めて知ることができました」
お二人は嬉しそうに話されます。

「うちの近くにも来て欲しい!」という住民からのリクエストもあり、
令和5年4月からは、販売場所を2か所増やす予定です。

3、活動して思うこと、これからのこと


●宮﨑さん

移動販売の活動を今後も継続させていきたいです。本当は車で買い物に行けるけど、将来の自分のために移動販売をなくしたくないので利用しているという人もいると思います。
「移動販売が来る水曜は、刺身を買って晩酌をする日だ」と話す人や、買い物をした後そのまま公民館でいきいきサロンに参加する人もいます。ちなみにその日のサロンは、いつもより参加者が多かったそうです。
移動販売をきっかけに色々な支え合いができ、交流が増え、校区の人たちの日々の楽しみも増えました。草野校区全体に活気があふれているように感じ、嬉しく思っています。


●上田さん

移動販売車が来る回数を増やし、週に2回まわってもらうことが理想です。支え合い推進会議での移動販売の検討は、市内でも先駆的な取り組みではないでしょうか。販売主にも利益が還元されないと移動販売自体の存続が難しいので、地域と企業の双方にメリットがある仕組みをつくっていく必要があります。他の校区でも取り入れられるよう、草野校区がまず参考になるような取り組みをしていきたいですね。


4、取材を終えて


前回、草野校区に取材に伺ったのが、ちょうど1年前。その時にすでに、買い物支援の難しさ、移動販売業者さんとの連携、事前に移動販売の利用者を把握することが大事だと語っていた宮﨑さん。この1年で、アンケート調査も行い、実際に移動販売をスタートさせていた草野校区のスピードと行動力に本当に驚きました。何でこんなに活動のスピードが速いんですか?とお尋ねしたところ、「会議のメンバー皆が、校区をよくしたいと同じ目的を持っているからだよ」と、サラっとお答えされるお二人。かっこいいです!「まずはやってみよう」を合言葉に、草野校区はまだまだ進化し続けます。

上田 桂司さん         宮﨑 律志さん

グラウンドゴルフに水彩、ゲートボールなど多趣味な宮﨑さんは、最近ダーツの指導者資格も取得。また新たな趣味として、毎日脳活ドリルをして、脳を鍛えているそうです。上田さんはブーゲンビリアを自宅の温室で育てています。「花は咲かせることができたけど、温度調節が難しく予定より早く咲かせてしまった。来年は成人式に咲くようにタイミングを合わせたい」と意気込みを話されました。


【まとめ】

ニーズが活動に結びつかない原因を分析し、
新たな方法での取り組みを開始
した

・移動販売をきっかけに住民同士の交流が増え、
買い物ニーズを満たすだけではない新たなつながりが生まれている


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