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頭の中で誰かと話してる

頭の中で誰かが誰かと話してる。それは知り合いだったり、知らない人だったりする。僕と誰かなときもある。僕と僕のときもある。心配ごとについてのときもあれば、特に何の内容もないときもある。

いつも話している。めちゃくちゃ真剣に何かについて考えたり、創作したりしているときやなんかは違うけど、隙間があれば会話は始まる。それが普通のことだと思っていた。
漫画とかでもよくみんな頭の中で誰かと話す描写があるし、脳内会議で自分と自分が言い争うシーンもある。
だからみんなそうなんだと思っていた。
すごい。めちゃくちゃ引いてるじゃん。「いやそんなんないよ」って。体ごと引いちゃってるじゃん。

最近仲良くなった劇作家さんといつ自分が客観だと気がついたかって話をした。
同じような人がいてすごくうれしかった。
実際に誰かと話しているときは話すのが苦手なので自分がいないみたいに人の話を聞いてる。透明人間になって友達と友達が話しているのを聞いているような感覚。その場にいるから話をふられたりするんだけど。
自分の昔を思い出すとき主観ではなく、自分もその場にいる上で少し離れたところからそれを見ているような映像になる。

なんか書いてて確かに気味が悪いかもしれないと思ってきた。
でもそうなんだから仕方ない。

悪いことばかりじゃない。しゃべってる誰かは段々と人格を持ち始め、趣向をもち、匂いを放ち、最終的には何かに悲しんだり怒ったりする。人を愛したり悼んだりする。そうするともうその人のことを書き込めば作品になる。
出会ったことのない人に俳優を通して出会えたりする。
舞台上にいるから直接会話はできないけど、ああそんなこと思ってたんだ。とかそれが嫌なんだ。とか色々思える。それを観た僕じゃない誰かがその人について話してくれることもある。
それってちょっと特別な気持ちになる。

「誰かに迷惑かけてるわけじゃないし。大事なものは人それぞれだからどうこう言われる筋合いないやんな?」
「そうだよ。別にうまく話せなくて傍観しちゃうのがよくないって価値観がすべてじゃないよ。」
「うまいことやろうとはしてるんだよ」
「別にうまいことやろうとなんてしなくてもいいんじゃない?」
「いやそこは一応さ」
「すきにしろよ」
誰だお前。

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