さつき

社会人4年目。

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最近の記事

映画「コクリコ坂から」

ジブリ流行り第4弾、「コクリコ坂から」を見た。 こちらも今まで見たことがなかった作品。 ほとんどの方がご存知だと思うが、高度経済成長下の日本で生きる女子高生・松崎海が主人公の物語だ。 部室であるカルチェラタンの取り壊しに反対する学生・風間俊と出会い、その運動を彼女が手伝っていくことで物語は進んでいく。 私が一番ワクワクしたのは、最初に海がカルチェラタンに入るシーン。 なんてエネルギーに満ち溢れていて、素敵な建物だろうと、絵と音楽から目一杯感じることができた。 あと音楽も素

    • 映画「ソウルフル・ワールド」

      飛行機の中で、この映画を見た。 テーマがタイトルから全面に出ていて、なんとなく「あーいいお話なんだろうな…」とあまり好きではないジャンルと判断していたのだが、とても刺さった。 この物語の世界には「生前の魂が集う場所」と「死んだ人の魂が集う場所」がある。 主人公は、夢であったジャズピアニストの道を叶えられそうになったタイミングで死んでしまう。 どうしても死にたくなかった彼は「生前の魂が集う場所」に潜り込み生き返ることを目指すが、その最中に迷える生前の魂に出会い、互いの生き方に

      • エッセイ「日めくりだより」

        お気に入りのラジオ「チャポンと行こう!」で紹介されていて気になっていた、高山なおみさんの「日めくりだより」を読んだ。 写真集など、写真が大きく使われている写真は今まであまり読んでこなかった。 でもこの本を読んで、文章と同じように写真が雄弁に語ることがあるのだと、初めて実感した。 内容は、高山さんが年齢を重ねてからはじめた神戸・六甲での一人暮らしの様子を綴ったエッセイ。 日々のルーティンや考えていること、レシピなどを紹介してくださっている。 私は今まで「丁寧な暮らし」から始

        • 映画「借りぐらしのアリエッティ」

          「君たちはどう生きるか」からジブリの波が来ているので、ジブリ第三弾。 「借りぐらしのアリエッティ」を見たことがなかったので見てみた。 上映時、評価があまり高くなかった記憶があったので、期待しすぎず見ることができて楽しめた。 でも未だに評価は低いようで、「アリエッティ」と検索すると、2番目に「ひどい」と出てきてしまうのが切ない…(ひどくはないと思う) 確かにジブリの他の作品と比べると、感動やドラマチック感が少なくさらっと終わってしまった感じはあった。 でもジブリタッチの植物や

        映画「コクリコ坂から」

          Netflixドラマ「THE DAYS」

          私は3.11の震災が起きた時中学生で、校庭でテニスをしているところだった。 急に大きな揺れを感じて、テニスボールも動いていて、泣いている人もいたけれど、私は不謹慎にも何かが起こっている感じにドキドキしていた。 それから体育館に集められて、ガラケーが繋がらないことに異変を感じ始め、家に帰れたのは深夜だった。 そこからしばらく記憶が曖昧だが、部活もしばらくなく、テレビをつけても震災の話ばかりで、計画停電も始まり、なんだか大変なことが起きているぞという感覚だけを覚えている。 そん

          Netflixドラマ「THE DAYS」

          新書「人はどう死ぬのか」

          前から気になっていた本を読んだ。 同時に小説「君たちはどう生きるか」も読み進めていて、なんだか生死について考えさせられる夏である。 とにかく死に対してシビアに現実を書いてくださっており、とても勉強になった。 この本を読んで初めて、私は死について何も考えたことがないということに気づいた。 大切な誰かが死んでしまうことは考えても、自分が死ぬことについては何故か頭の中になかった。 でも自分もいつかは死ぬ、今日死ぬ可能性だってある。 本書の中では繰り返し、「医療は死に対して無力で

          新書「人はどう死ぬのか」

          映画「魔女の宅急便」

          今月フィンランドに行く予定なので、北欧が舞台の作品を調べてみた。 「魔女の宅急便」は舞台がスウェーデンということで、ジブリ熱が再燃していることもあり、TSUTAYAで借りてきてみた。 個人的にジブリで思い入れのある作品(というか小さい頃から慣れ親しんできた作品)は 1. 猫の恩返し 2. ハウルの動く城 3. 魔女の宅急便/となりのトトロ なので、割と昔から身近な作品だった。 どこかに行く車の中で、何度も再生してもらった記憶がある。 何度も見ているので、大体ストーリーは覚

          映画「魔女の宅急便」

          小説「自転しながら公転する」※ネタバレあり

          かなり前ではあるが、作者の山本文緒さんが亡くなったというニュースを見た。 お名前は伺ったことがありながら著作を読んだことがなく、近いうちに読みたいなと思いながら、今に至ってしまった。 やっと読めて、もっと早くに読めば良かったと思った。 今の私にまさにドンピシャで刺さる内容で、後半から一気読みだった。 しばらくバイブルになるかもしれないという予感があり、少し経ったらまた読み直したいと思う。 ざっくりとしたストーリーは、闘病中の母のために転職して地元に帰ってきた主人公が、恋愛

          小説「自転しながら公転する」※ネタバレあり

          小説「正欲」とマイノリティ

          最近映画化も話題になっている朝井リョウさんの「正欲」を読んだ。 最近の朝井さんの作品「生きがいを求めて生きているの」「スター」含め3作品を読んだのだが、その中で一番価値観を揺るがされる作品だった。(個人的に一番好きなのは「生きがいを求めて〜」なのだけど。) 後半から本当に一気読みで、寝られなくなってしまった。 ちょうど最近読んだ「52ヘルツのクジラたち」もマイノリティ要素が含まれたストーリーだったり、りゅうちぇるさんの死去のニュースを聞いたり、「マイノリティ」関連の話に心を

          小説「正欲」とマイノリティ

          エッセイ「スクリーンが待っている」

          西川美和さんの映画が好きだ。 好きだと言いながら全てを見たことがあるわけではないので、本当にニワカなのだが、毎回心がざわつき揺さぶられる。 中でも最新作の「すばらしき世界」には本当に心を動かされた。 本当に人間くさい部分がこれでもか!というくらい出ているような感じが好き。 主人公に感情移入し、しんどい!と思った時に日本らしい情のある優しさに救われて、人間も捨てたものではないと思える。 だから西川美和さんのエッセイは前から気になっていた。知人にも薦められたことがあったので、今

          エッセイ「スクリーンが待っている」

          小説「52ヘルツのクジラたち」※ネタバレ含む

          「52ヘルツのクジラたち」という本を読んだ。 今書店の店頭に山積みになっている本だ。 本屋大賞とか、本屋大賞受賞作家さんとか言われてしまうと、よく手に取ってしまう。絶対面白いもんね。 結果、やっぱり面白かった。 かなりざっくり言うと、複雑な家庭環境(って便利な言葉)で育った主人公が、引っ越した先で出会った、虐待を受けている子どもを救うために奔走するというストーリーだ。 序盤のしんどすぎる昔話に打ちのめされてはいけない。 中盤あたりから、一気読み間違いなしです。 主人公のよ

          小説「52ヘルツのクジラたち」※ネタバレ含む

          ラジオ「チャポンと行こう!」

          最近、「チャポンと行こう!」というラジオをエンドレスで聴いている。 5年ほど続いているラジオなので、一周してまた戻ってくる頃には程よく忘れていたりして、何度でも楽しめている。 パーソナリティは店長の佐藤さんとよしべさんという、北欧暮らしの道具店のお二人。リスナーからのお便りに答えてくれる形式だ。 癒しオーラ満点のよしべさんと、店長の熱い名言に日々癒され、元気づけられている。 最近心に響いたのは、店長の「ストレスは誰にでも平等にある」という言葉。 最近人生にかかわる決断に迫ら

          ラジオ「チャポンと行こう!」

          映画「君たちはどう生きるか」

          YouTubeで「分かって面白い」「分かって面白くない」「分からなくて面白い」「分からなくて面白くない」の4種類の感想があると解説されていたけれど、私は3つ目に該当した。 私は事前知識を全く入れずに観てとても良かったと思っているので、これから観る予定の方は、何も読まずに聞かずに観に行ってほしい。 「ジブリらしさ」が随所に詰め込まれていて、映像を見ているだけでジブリの名場面を思い出してキュンとした。 その合間合間に、宮崎さんが今までに掴んだ本質のようなものが見え隠れしているよ

          映画「君たちはどう生きるか」

          劇団四季「バケモノの子」を見て

          昨年末なのでかなり前だが、劇団四季の「バケモノの子」を見てきた。 元々同タイトルの映画が好きで楽しみにしていた分、舞台にしてガッカリしてしまわないか少し心配だったが、そんな心配は全くなく感動した。 ストーリーは映画と変わらず、バケモノの世界に迷い込んだ主人公・蓮(九太)が、バケモノの中でも腕っぷしの強い熊徹に弟子入りし、互いに成長していくというストーリー。 師匠と弟子という、血縁の家族とはまた違った深い関係性から生まれる定番の成長ストーリーにも感動するが、「人間それぞれが抱

          劇団四季「バケモノの子」を見て

          NHKスペシャル「ウクライナ侵攻」

          直近放送されたNHKスペシャルを見た。 ウクライナ侵攻が始まってからの3日間を追った、ドキュメンタリーのようなものだった。 3日間の間にこれだけ戦局が決まってしまうのかと驚くばかり。 本当に平和ボケした国に住んでいるなと改めて思いながら、今まであまり関心を持ってこなかったことにも罪悪感を覚えた。 おそらく大統領が国外逃亡しなかったからこそウクライナは3日間で陥落されなかったのだと思うのだけど、どうして大統領は逃げなかったのだろう。 「命に代えても国を守る」という気持ちだっ

          NHKスペシャル「ウクライナ侵攻」

          国立科学博物館 'who are we?'

          国立科学博物館の企画展「who are we」を見てきた。 休日に行ったので、企画展を見ているのか人を見ているのか分からない状態ではあったが、とても感動した。 この企画展は、私たち人間のルーツに関する膨大な研究の中から一部を抜き出し、それを様々な形で引き出しに仕掛けて、来場者に引き出しながら楽しんでもらうというもの。 各場所ごとにテーマはあるものの、本当にランダムに人類のルーツについての発見がちりばめられている。 何に感動したかというと、全ての選び抜かれたランダムな情報が

          国立科学博物館 'who are we?'