見出し画像

ビジネスセンス

つい2ヶ月ほどまえ知人女性からこんな連絡を受けた。

『パーティ事業を始めた。私にとって初めての主催パーティなので本当は11,000円するけど今回はお気持ち制でいいので参加してほしい』

(高いな…)と思いながらHPを確認するとコンセプトが

『ワンランク上の大人の飲み会』的なコンセプトだった。

コンセプトは理解したけど、果たしてうまくいくのか…?

参加はしたものの今回のお気持ち制に寄って来ただけの人たちで食事や飲み物を楽しもうという雰囲気ではなかった。

そもそもこの集まりは何なのか?

『無料なら行く』で来てもらうと、その後その彼女がしたいであろうワンランク上のパーティは成り立たなくなってしまう。

とはいえ、様子を見ることにした。

(やりたいことはやった方が良い)

そして先日彼女からこんな連絡来た

『私には無理だった。パーティ事業は廃業した。ショックで体調崩していた。』

年齢50代の見た目綺麗なマダム主婦。

(うん。そうだろうな。)と思いながら自分なりに伝えたいことがあってランチに誘った。

会って食事しながら…なんと驚くことに彼女が開いたパーティはそれだけじゃなかった。

銀座の高級回らない寿司パーティ。

もちろんそれもお気持ち制。

女性側に『1000円だけ貰えるかな?』と聞いたらそこでも『えっ?払うの?』と言われてびっくりしたそうだ。

それはそれは私も聞いていてビックリした。

そんなことが重なり彼女は急激にストレスを抱えてしまったらしい。 
パーティー開くたびに大赤字。

さらにさらに、
『7月中に開こうと思っていたお店が本当に美味しくてコース料理だけで13,000円なんだけど、本当に美味しいしスタッフさんもすごく良くしてくれるところだからそこでどうしても開きたかった。だけどみんな高いって言うし、美味しいから絶対おすすめなのに』と言い出した彼女。

男性陣に聞くと『綺麗な女性いるの?』と返信くるし、女性陣に聞くと『参加する男性の年齢層は?』とかそんなのばかりだと嘆いていた。


ここで一つ伝えた。


『婚活パーティは数千円でリーズナブルに参加できる。数千円だから失敗してもいいと思える妥協できる値段。そもそも高いお金払って良い店、美味しいは当たり前であって…パーティー参加ならそれ以外の目的に重きを置くから正直高級店なら大切な人や知人とゆっくり食事するためにお金と時間を使いたいですよね。』


彼女は需要をきちんとわかっていない。

そこに参加する理由がなければ美味しいお店という理由だけでパーティ代13,000円で参加するなら私は5000円の鰻を1人で食べに行きたい。

13,000円の高級パーティにモデル並みの美女、ハイスペック男性のみ参加という設定にしたらもしかしたらそのパーティ事業は盛り上がるかもしれない。

主催の彼女は自分の基準でパーティを開こうとしていた。(13000円払ってでも食べる価値のある店)という価値観は人によって全く違う。


『そもそも私なら10000円越えのパーティならワイン好きが集まるワインパーティーにしますね。ワインパーティーなら好きなワインも楽しめてうまく行けば趣味の合う人と出会える可能性がある。そう思えば10,000円出す価値は出るのかもしれない。』


それも10,000円では飲めないワインを一本は用意する必要もある。

皆、お値段以上を求める。



どうしても何かやりたい彼女はLINEの時点で『無料で外国人に日本語教えようかな』と言っていた。

それは辞めた方が良いと伝えた。

その理由も会った時に伝えた。

そしてまた(自分ならこんなやり方をする)

と、とりあえずプランややり方を伝えてみた。


彼女の疲れ切った顔から少し晴れ晴れした表情に変わっていった。

(よかった。その顔を見るために今日来たようなものだ。)

人生の先輩としては彼女の方が上だけど…
個人事業主としてなら私の方が先輩。(えっへん。)

個人事業主として最初にやりやすい失敗も伝えた。

うまく行くかはわからないけど、アドバイス通りにやってみる。ありがとうと言ってくれた。

彼女の次のステップがうまく行きますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?