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好きなタイプは何?という質問

「いっぱい食べる君が好き」

どんな子が好きなの?
ありふれた会話のテーマ
相手の趣味や嗜好を探るにはとても良いテーマかもしれない。
もしくは、性癖暴露大会になり大盛り上がりする事もあるだろう。
この様な【好みの人間的特徴を話す】はポジティブな話のネタである。

俺はそう思っていなかった

俺はこの手の話題がそんなに得意ではなかった。
理由はシンプル
好みのタイプってのがよくわからなかったのだ。
そうさね…
ここから先の説明には
俺の好みのタイプがどの様に移り変わっていったのか
説明する必要があるね。
*以降、下ネタ表現が多分に含まれてます。苦手な人は気を付けて。


好みのタイプの変動歴

俺は男で
異性が好きになるタイプだ。
よって、好きなタイプの話に出てくる対象は女性になる。

幼少期
たぶん最初に好きなタイプを意識したのは〈年上〉だ。
ありがちかもしれないな。
自分が小さい時は、上の年齢に惹かれてしまうものだよ。
自分では経験した事のないステージに居る存在。
年上と言うだけでミステリアスに感じていた。

思春期1
おっぱい
クソガキが。
常におっぱいの事を考えていた性欲猿。
でも【エッチな事を考えている自分はバレたくない】と隠す。
そういうハレンチな物は見ないし
そういうハレンチな話は聞かないし
自分はハレンチな事は言わないし
こうしてむっつり性欲猿は〈巨乳〉が好きになる。


思春期2
むっつり性欲猿第2覚醒
〈高身長〉だ。
自分よりも高い身長を持つ人に惹かれていた。
「抗っても勝てないかもしれない」と思えるのが好きだった。
ここら辺で気が付いた。
俺はMなのかもしれない。

思春期3
性欲猿はリアルを知る。
初めての相手は〈年上〉〈巨乳〉〈高身長〉の全ての特徴の逆だった。
性欲猿は現実に帰還する。
好みのタイプを全て備えている人物は空想にしか居ないと思うようになる。
賢者の様な思考を巡らせる俺の手は、相手の太ももの裏に伸びる。
さわさわと手の甲に当たる大量の毛を感じながら夜を明かした。
翌朝、俺の好みのタイプは全て消えていた。
〈年上〉〈巨乳〉〈高身長〉

これ以降
固定の好みのタイプを考える事はほとんど無くなった。
好みのタイプが増えれば増える程に理想が高くなる。
ストライクゾーンは広ければ広い方が良い。
大暴投ですらストライクになる様な広さが良い。
俺は〈守備範囲〉がとんでもなく広くなった。



人は様々な経験をする事で強くなる。
俺も例外ではなかった。
思春期の経験から俺の考えは大きく変わり
好きなタイプは何?=ほぼ全て
になった。

そしてそこから更に考えた。
好きなタイプは何?の質問の意味だ。
好みの人間的特徴を話すだと、俺の答えは「ほぼ全て」になる。
これではつまらないよな。
好みのタイプ…つまり【どの様な人間が好き】とも捉えられる。
おぉ!これなら答えられる!
今後聞かれる事があればそのような意味で答えよう。


とある飲み会の日
その質問がやってきた。
好みのタイプは何?
俺は答えた。
「髪と服が派手な人」
この時期の俺は派手な髪色や
個性的なファッションで自分を表現している人に惹かれていた。
タトゥーや鼻ピ、モヒカンにモンスターネイル何でも惹かれていた。
自分を表現しているこれらの人はカッコイイんだと力説した。
共感は得られなかった。

逆に相手にも同じ質問を投げかける。
返ってくる答えは
かつて自分が好んでいた〈年上〉〈巨乳〉〈高身長〉の様な特徴が好ましいというモノばかり。
少し気持ち悪い気分になった。
相手に対してではない。
自分もこんな感じで答えていたという事にだ。
なんだか「俺はこういう特徴を持つ人以外認めない」や
「この特徴に当てはまる人しか俺には相応しくない」と
上から目線に感じた。

俺は再度、固定の好みのタイプを作らない決心をした。
人の良し悪しを測るのに俺の物差しは短すぎる。

時は流れ
なんやかんやでいろいろ経験をした俺は
好みのタイプは何?についてまた考えていた。
好みのタイプを固定するのは生きにくいが
嫌いなタイプも同じ事が言えるのではないだろうかと。
アレもダメ ダメダメ
コレもダメ ダメダメ
同じだ。
嫌いなタイプを増やす事も
自分を生きにくいモノにしている。
永遠にハマらないパズルの最後のピースのように苦しい。
自分でパズルの形を決めている癖に苦しんでいる。

俺はアレもコレも嫌いだと口にするのを減らした。
俺も人間なので、嫌いな人や苦手な事は沢山ある。
その全てを「俺はこれが嫌いです!」と思いながら生きていくのはしんどい。
だから1つだけ譲れない嫌いな事を決めた。
「ごはんを食べない奴は嫌い」

これにより、ごはんを食べない奴以外の事なら大抵我慢できる様になった。
「この人めちゃくちゃ偉そうな言い方してくるけど、ごはん沢山食べているから良し!」
「この人めちゃくちゃ愛想悪いけど、ごはん食べるとき幸せそうだから良し!」
冗談みたいだが本当にこんな感じでやり過ごしている。


ところで何で「ごはんを食べない奴は嫌い」なの?
それはね
食事を蔑ろにして体調を崩す人間の面倒を
俺が診る事が多いからだよ
この話は別の機会に沢山語りたいね。


ごはんを食べない奴が嫌いと言う事は
ごはんを食べる人が好きとなる


好きなタイプは何?


いっぱい食べる君が好き


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