四季折々の俳句 56




「 令和へと 」

てっぺんに富士あるそらよ正月凧

たび立つ子さくら前線追いかけて

舞いふぶくさくらもひとも平成も

みなゆめのまっただなかに花吹雪

くにじゅうの桜ふぶいて令和へと

見ては去るひとも花びら大ざくら

村までがにぎわうときぞ花ふぶき

この胸に咲くまで花見たのしむよ

このひとも桜だったかふぶくなか

射してくる日のひかりごと耕すか

仕事してうたた寝もして永い日よ

祝いごとつづくさわらがうまい頃

おおぞらへこころひらいて遍路笠

自由とはきびしいものよ蝶がとぶ

おどろきに反っくり返る猫の子よ

蝶々のめぐりあうため羽ばたくか

今日という日がよくふぶく花の宴

目つむってしまうあまさよ草の餅

花見してはるばると時こえゆくか

ろうじんになっても春は春のまま

鳥かえる空はまさしくおおぞらよ

ふるさとのおおぞららしい初虹よ

かおりまであたらしい旅花りんご

子どもらもだまってないぞ百千鳥

家建ててそれからながい春のゆめ

みらいへとふぶきつくして葉桜に

それぞれのじんせい絵巻麗らかに

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