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のっぺりシーツ

シーツは、タオル地が好き。肌に触れる木綿のざらざら感が、たまらなく心地良い。夏は汗を吸い取ってくれる安心感があるし、冬なら厚地の温かさがある。

寒い季節に、いただき物の高級なボアシーツを試したこともあるが、やはり落ち着かない。たいていの人は大好きだろうあの感触、なぜか自分にはしっくりこない。直接肌が触れるところは、やはりざらざらしていてほしい。

ホテルのベッドは、クリーニングの利便性からか、フラットなタイプがほとんど。ウチではひそかに「のっぺりシーツ」と呼んでいる。つるんとしていて引っかかりがないのが、物足りないのだ。枕や浴衣が選べる宿があるように、シーツの好みを聞いてくれるところがあったら間違いなく予約するのに。

でも旅先では、少しくらい寝心地が悪い方が、さっさと起きて出かけられるというメリットもありそうだ。観光地なら、だいたい一日中歩き回って疲れているし、御馳走を食べながらのアルコールも欠かせないから、のっぺりのせいで寝付けないほどでもない。

家に帰って、夜、タオル地シーツに触れた瞬間口をつく、あの定番のセリフ。「あーあ、やっぱりわが家が一番」。もしかして、このために旅行しているのか、とさえ思えてくる。

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