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父と暮らす ③続・ヤクルト攻防戦

父と二人の朝食は、6時半と決まっている。お味噌汁やフルーツヨーグルトを用意して、作り置きのおかずを並べる。私はパンが好きだけど父は食べないので、主食は各自用意するシステムだ。ところが今朝、父が「ご飯のスイッチを入れ忘れた」という。とりあえず、私が前に冷凍したご飯を温めることにした。父は玄米食だから、私の白米はイヤだけどパンよりはましという感じ。

お米はお昼に炊くという。昨日ヤクルトがないと気づいている(→昨日の記事

)ので、今日は多分お買い物に行くだろう。自己完結型の父だから、私に「買って来てくれ」と頼むことはない。好きな煮魚のお惣菜も、ついでに買ってくるに違いない。はたして11時頃、父が出かける音がした。


買い物を終えて戻ってきたのは、お昼少し前だった。食卓の用意をしようとリビングに行ったら、テーブルに助六のパックが2つ載っている。そして父が「ご飯炊き忘れた」と。思わず噴き出した私と対照的に、「いやあ、物忘れが増えたな」とのつぶやき。

いや、大丈夫。予想通りかすべの煮物が、新しいヤクルトと一緒に冷蔵庫に入っていた。そっちはちゃんと覚えているじゃない。


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