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マンスリーから実家に通う ㊵5秒で直す

明日からヘルパーさんが週2で入ることになり、今日打ち合わせをした。ヘルパーステーションの管理担当の女性が、契約内容を説明する。私の質問に振り向いたその人が、そのまま私の顔に指を伸ばして「すみません、そこに何か」と言った。

示す先は、私のあご。自分であごを触ったら、「あ、取れました」と言う。白い糸くずがついていた。部屋が暑くてハンカチで汗を押さえながら聞いていたので、それがついたらしい。ヘルパーさんだから、普段お年寄りを相手にしているからすぐに言えるのかな。私は、こういう指摘が出来ないんだよなあ。しかも初対面だし。

5秒以内で直せることなら教えるのが親切、と聞いたことがある。「スカートの裾がめくれていますよ」とか、「カバンの口が開いたままですよ」とか。糸くずも、この範囲だよね。後から鏡を見て「恥ずかしい!」と思うよりマシ。

その点母はガンガン踏み込んでくるタイプで、今でも「歯並び悪いね」「しわが増えたね」「その靴、安物でしょ」などとジャブをかましてくる。どれも5秒で解決しない。そんなあおりを受ける父も、相手に指摘できない性格。というか、黙っていれば大ごとにならない、というスタンス。

2人とも食事を終えると、口の周りにご飯粒やらのりやらいろんなものを付けている。母は指摘するけど、父はしない。「お父さんがポロポロこぼすから、前掛け買って来て」と言われたので、ネットで見つけた介護エプロンを2枚買った。洗い替えにも見えるし、2人分にも見える。

「2枚買ったよ」と言うと、母は一瞬「え?」という顔をしたが、口元が笑った。他人にも指摘するけど、自分でも多少気になっているんだろう。瞬間に上手に指摘できる、そしてできれば他人からは指摘されるネタがないような、スマートなお婆ちゃんになりたいなあ。


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