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手抜き介護 88 人工関節の入れ替え

母は50代終わりころにリウマチを発症し、60代半ばになって、膝に人工関節を入れた。人工関節は耐用期間がおよそ20年とされるため、手術は出来るだけ遅くにするという。でないと場合によっては、入れ替えなんかが必要になるから。

それが念頭にあったからか分からないけど、83、4才の頃「膝に違和感がある。再手術しないとならないかも」とよく言っていた。痛みがあるのではなく、違和感だという。手術したとき聞いていた「20年」が近づいていると気になっていたのだろう。

手術は遠い病院で行ったし執刀医ももういないので、いつもの病院の整形で診てもらった。医師は、画像上に問題はないという。痛みがあるなら違う検査もしてみるが、うっすら違和感程度なら様子見でいいのでは、と。

しかし本人は納得せず「何か今までと違うのは確か。あの医師は若くて分からなかったかも」と主張するので、違う専門医にも行ってみた。でもそこの年配医師も、レントゲン写真を見ながら「特に異常はなさそうですが」という。むしろ、いつもかかっている病院に整形外科があるのに、何でこっちに来たんですか、という感じ。

結局症状はうやむやのまま、その後予期しなかった股関節手術、大腿骨骨折に続き、膝関節のことは話題にもならなくなった。気づいたら、20年はとうに過ぎている。そして先日の定期検診のとき、医師が「膝関節は、もう問題になることがないでしょう」と言った。

今は歩行器を使うから、膝への負担が軽減した。あのまま2足で歩けていたら、状況は変わっていたかもしれない、と。骨折・入院が、思わぬ効果をもたらしたことになる。そうなのかー。良く出来ていると言ったら語弊があるけど、人の身体って、トータルバランスなんだなあとつくづく思う。


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