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非定型骨折の話 ③すでに小さな骨折が始まっている

MRIの画像では、明らかにその部分が白く光っていた。股関節の専門医は「すでに小さな骨折がここで始まっていると考えられます。すぐ手術をするべき。整形外科医100人がこの画像を見たら、100人とも同じ判断をします」といった。

デイサービスの運動も、最初の診察時から止められている。手術をしないとしたら、足を使わない生活、つまり車椅子じゃないと危険だそうだ。「いつ折れてもおかしくない」と、事態は思ったより深刻だった。骨の中に棒を通して、負荷がかかっても折れないようにする手術。そこまでいわれたら、さすがにするしかないか。

母も同意し「受けることにします」というと、すぐその場で入院になった。病院としては、手術の予定は詰まっているが、来週中のどこかに入れてくれるという。その日は金曜日だったので、一旦帰って準備して月曜入院というわけには…と訊いてみたが、だから普通に生活するのも危ないんだってば!と即却下された。

病棟は個室しか空いておらず、当面は一人で過ごすことに。「床上安静」の指示が出たからと、看護師が尿導管を入れにやってきた。直ちにベッド上で固定される?! せめて手術の日が決まるまではやめてほしい。土日は検査もないのに、一人で病室の天井を見て過ごすなんて! いきなり認知症にはならないまでも、せん妄状態は免れないだろう。

看護師に強く訴えたら、こちらの希望をくみ取ってくれて「そうですね。医師と闘ってきます」と言ってくれた。正直不安だったけれど、結果、当面は自分でトイレに行けることに。「闘ってきます」という言葉はとても心強く、本当にありがたかった。

コロナ体制なので、次に会えるのは手術時。その後は退院まで面会不可。どうか普段の状態で過ごしてくれるようにと、心から祈る。


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