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札幌で家を売る⑯ 特約

Ⅳ 契約から引き渡しまで

わが家を売りに出して5か月。当初の感触からは考えられないほど時間がかかりましたが、ようやくコトが前に動き始めました。先方からローンの仮審査が通ったとの連絡を受け、重要事項説明と契約のため、C社の一室に関係者が揃いました。

【1】「契約不履行」になると、違約金が発生する

双方が内容を確認し、問題がなければ署名捺印です。引き渡しの期日を決め、手付金を受け取ります。手付金の額は何%と決められていませんが、3080万円の5%で154万円ということになりました。

買主は、売買契約書を添えて銀行に本審査を申請し、ローンが降りて引き渡し、という流れです。仲介手数料の半分を、この契約日に支払います。今後は、引き渡しまでの間に、どちらかの事情や気が変わって「契約不履行」ということになれば、違約金が発生します。買主側は手付金の放棄で、売主側は受け取った手付金の倍額払いで、契約を白紙撤回できます。

ただし、ローンの本審査に通らなかったことが原因での「契約不履行」には、違約金は発生しないとの特約を付けることができます。問題はここで起きました。

先方が利用するのは従来型の市中銀行と聞いていたのが、実は急きょネット銀行に変更したとのこと。従来型の銀行であれば、仮審査の段階で数日かけて精査するので、仮審査が通ったのに本審査がダメだったということはほとんどないそうです。そこで先の特約が効くのですが、ネット銀行は仮審査を素早く通し、本審査で精査するといいます。つまり本審査が通らない可能性も少なからずあるので、この特約はつけられないことに。

「これだって同じ銀行なのに、それはおかしいだろう」
「ネット銀行は、規約上つけられません」
先方の関係者とこちらの営業さんの間で、ひと悶着始まりました。「それならやめた!」と言われたら、また一からやり直しに? 気が遠くなる思いです。部屋には、微妙な空気が流れていました。

結局、諸条件を考えると本審査に通らないことはないはずとの見込みで、この特約はつけない契約書が成立しました。この取り扱いが今も同じなのかは分かりませんが、翌週無事に本審査通過と聞いたときは、心底ホッとしました。

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