駐車場を挟んだ向こうの家から、たまに大きな歌声が聞こえてくる。ものすごく気分良さげに節回ししている男性は、20代から30代くらいだろうか。こちらは窓を開けていないのにはっきり聞こえるところを見ると、かなりの声量の持ち主だ。声が反響しているので、お風呂に入りながらなのではと思う。

カラオケは、健康に良いらしい。何年も歌っていないと、声が出にくくなるのが分かる。自分的にはもっと安定した太い声だった気がするのに、苦しくて声が続かない。テレビで好きな曲が流れると、少し控えめに歌を重ねるのだけど、先日ちょっと面白い道具をホームセンターで見つけて、買って来た。

ロート状になっている部分で口を覆ったら、大声を張り上げても聞こえない（らしい）。先は耳に掛けるようになっていて、張り上げた声は、全部自分の耳に戻ってくる仕組み。でも自分の歌なんか聴きたくないから、先をぶらぶらさせたまま歌う。

30年くらい前、初めてカラオケで歌った歌は、渡辺美里のマイレボリューション。知っている歌イコール歌える歌だと、勘違いしていたあの時。周りが気まずくなるほど声が出なくて、今思い出しても耳が赤くなる黒歴史。