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いくさの子がやっと終ーわったあー👊

殆ど格闘技関連のnoteを綴って来たが、今回は読書をテーマにしようと考えている。

全く格闘技と無関係とは言い難く、作者の原哲夫は言わずと知れた北斗の拳を手掛けており、世紀末の格闘技にも影響を与えて来たと言っても過言ではない。

北斗の拳の後のCYBER BLUEに続いて連載された花の慶次はK-1にも影響を与えていた。

角田信朗がアンバサダー等を務めたりと何かと造詣も深く、何より原哲夫自身が旧K-1のポスターも手掛けた事もある。

扨措、いくさの子の連載が始まってから12年が経過して多分原哲夫の漫画史上では最高年数ではないかと思われる。

北斗の拳ですら5年なのである。

蒼天の拳は遅筆などもあって9年掛かっていた。

この遅筆というのが後々影響していくのだが、これは仕方なく原哲夫自身目の病気を抱えていて連載も中々継続していくのも難しかったようである。

蒼天の拳が連載されていた頃のコミックバンチは週刊の形態を取っていたが、その遅筆故に実質月一だったりする事もあった。

個人的に蒼天の拳のラストが劉宗武との天授の儀を争う所と北斗神拳創世秘話の所で話を纏めた辺りで少々物足りなさを感じてしまった。

何故なら蒼天の拳の冒頭こそ、ケンシロウが誕生した辺りではリュウケン(霞羅門)の兄である霞拳志郎が既にこの世にいなかったというエピソードから始まっていたのに、そこまで辿り着けずに終わってしまったからである。

不幸中の幸いなのか、霞拳志郎のその後を原哲夫ではない別の人によって描かれることになるのだが、その作者自身も病気になってしまって連載が中断してしまったのである。

しかし、漫画よりも先にアニメの方が先行しておりアニメの方こそちゃんと描き切ったのだが漫画としてはどこまで「正伝」として描き切れるのだろうかと思う。

そもそも蒼天の拳自体が後付け設定を重ね捲った北斗の拳を補完する為に連載されたようなもので、北斗神拳の一子相伝システムをやっと描き切ったかと思えば先々代の霞拳志郎の生涯まで描き切れなかったことが課題として残ってしまった。

バンチやゼノンでは北斗の拳に因むキャラクター達のスピンオフが幾つも展開されており、遂にはアミバまで異世界転生するようになってしまった。

蒼天の拳リジェネシスは原哲夫自身は描いておらず、同時並行として織田信長の青春時代をテーマとした「いくさの子」を描いて行くのだが、実は蒼天の拳のラストに織田信長が出ていた事もあった。

しかも本能寺の変の辺りなので、そこから話が繋がったのだろうと思われる。

信長に仕えていた僧侶の沢彦が丸でケンシロウに見えて恐らく北斗神拳でも会得していたのではないかと思うが、そもそも北斗神拳は平和裡に行われる暗殺業なので表向き合戦に参加することはないのだろう。

普通にリュウケンもお寺の住職だ。

みんなが勘違いしがちなのだが強大な軍事力の前では北斗神拳ですら無力だった。

ラオウが巨大な馬の黒王号で雑魚を踏み潰すような無双をしていても、実際にはジュウケイが日本へ弟子達を送り込まなければならない程切羽詰まった状況だったのである。

この辺り、多分エピソードを盛り込まなくても分かりそうだが、北斗三家拳(一子相伝なのに幾つも伝わってる)が戦後影響力を失って(霞拳志郎によって潰された)も北斗神拳によって生き永らえさせられたことで弟子達を供給せざるを得なかったのではなかろうかと予測がつく。

ジュウケイが核戦争後を憂えて弟子達に教えちゃ駄目とされた北斗琉拳(北斗劉家拳)を教えたのもそうで多分そうやって隠れながらも伝えて来たのではないか。

既に劉家拳の名前が劉宗武の頃に伝わっておらず、ジュウケイが秘密裡に教わった頃には琉拳として名前が変わってしまったのではないか。

北斗神拳から分裂した極十字聖拳も南斗聖拳みたいな拳法の形をしているがこれも北斗琉拳同様に断絶があって恐らくユリアの本家らしき人々が復興させた時に北斗の双璧として名前が変わったのではないかとこれもまた思われる。

いくさの子の話をしていこうと思ったのに殆ど北斗の拳の話となってしまったが、伏線の回収をするのにエンターテインメントに仕上げなければならないので時間が掛かってしまうのだなと感じる。

実際にいくさの子のエピソードを描こうとしても殆ど史料が残っておらず、そこを原哲夫達が想像を搔き立てながら補完していったという。

今川義元との戦いまで描くのに丸々12年掛かってしまった。

初めから青春時代として区切りをつけるのならそれはそれでいいのだが、織田信長自体の生涯を描き切ろうものなら12年所ではなくなりそう。

そうなると原哲夫自身の生涯も終わってしまいそうである。

どこかで、きっぱりと“描き切らざるを得なくなる”ということをしなければならないのはプロとして当然なのかもしれない。

いくさの子も後半は原哲夫の他に別の人の名前が加わっているので原哲夫自身はもう描いてないのだろうと思われる。

BLEACHも10年以上掛かって終わらせたが、新たなエピソードを紡ぎ出そうとしてもそれは必要ないんじゃないかと個人的にも思う。

HUNTER×HUNTERも殆ど何十年も掛かってしまっているが、これも終わらせるまでというゴールがきっぱりと明確になっているようである。何年掛かるか分からないが、齣と台詞が圧縮されているのでラストスパートまで一気に駆け抜けているようにも感じる。

エヴァンゲリオンも銀魂も“終わらせる事が出来た”ので余計なエピソードを挟まなければ普通に終わらせることが出来るのである。

だらだら続けさせないという最近のジャンプの編集部の方針なのか、5年程度で終わらせるようにしていると感じる。
鬼滅の刃もDr.STONEも5年位で終わらせている。

小学校入学から卒業までの分量でいいのである。
週刊連載なら25巻で金額も15000円程度と、小学生のお小遣い程度で間に合わせられるし、余り巻数を重ねると新規参入も難しくなってくる。

正直、個人的にBLEACHも銀魂も買って集めていたが余りにも厖大になり過ぎてしまい途中で集めるのを挫折してしまった。
惰性で買って集めてもしょうがないと心が折れてしまったのだろうと個人的なストッパーが掛かってしまった。

また、個人的に自分の本棚の許容範囲を疾うに超えてしまって、寧ろ減らしたり圧縮させていかないとそろそろやばいと感じてしまったことにも因る。

となれば、それこそ電子書籍の方が便利なのだろう。

元祖サブスクたる貸本もそうした役目を負っているのかも知れない。

かわぐちかいじの本も集めていたが、これもやっぱり長くなるにつれて挫折してしまったので残りを貸本で済ませてしまったこともあった。

ただ、北斗の拳が来年で40周年を迎えるのでまた何かありそうな気がする…。

そしてまた凝りもせずに集めてしまうのだろうと。


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