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【対談記事】アレンジャー:岸田勇気【Mr.goodができるまで vol.2】

対談シリーズ「Mr.goodができるまで」。

「and music product」第一弾であるコーヒー豆「Mr.good Blend」が出来上がるまでに関わってくださった方々と、kusuguru二上との対談をお届けしてまいります。

第二弾は楽曲「Mr.good」の楽曲アレンジを担当してくださったアレンジャーの岸田勇気さんをお迎えして、楽曲Mr.good制作の過程や、ampの可能性についてお話させていただきました。

出会いについて

二上:最初に会ったのは、まだ岸田先生が大学生だった時だよね。

岸田:超昔ですよね。確かアメリカ留学から帰ってきた直後ぐらいだった気がします。

二上:そうそう。紹介してもらった方から、「ボストンから帰ってくるめっちゃいい鍵盤の子いるよ!」って紹介されて。

岸田:僕の帰国が2011年なんで、もう7年前ですね。

二上:もうそんなに経つのか!(笑

岸田:でも、もっと前から知り合っている感じはするんですけどね、不思議と(笑

二上:確かに(笑 最初は、僕のやっているCOCOAのライブでのサポート鍵盤としてオファーさせてもらって、そこからだいたい2年弱くらいかな?ライブサポートと、あとはレコーディングとか楽曲アレンジとかもお願いさせてもらって。

岸田:アルバムでいうと「irodori」あたりですよね。あとはシングルの「H2O」もアレンジで関わらせてもらいましたね。

二上:最初に鍵盤を聞いた時もそうだったけど、岸田先生から上がってくるアレンジを聞いた時の衝撃がすごくてね。もうそのセンスに惚れたと言うか、「あ、この人すごい」って思ったのを鮮明に覚えてて。だから、今回自分にとって勝負をかけるプロジェクトを始める時に、第一弾の音源は絶対岸田先生にお願いしたいなって強く思ってたから、しつこく口説き落とさせていただきました(笑

岸田:いや、それは本当にありがたいです(笑 時間が経ってからもこうやってお誘いをもらえるのは、本当にうれしいです。

*COCOAのステージにて共演の様子*

「Mr.good」な音ができるまで。

二上:今回は1曲だけの作業だったけど、実は最初に話をさせてもらってから完成までは2年ぐらいかかってるんだよね。

岸田:実は結構時間かけて作ってますよね。最初はCメロ(3拍子の部分)とか、まるっとなかったですもんね。

二上:そうそう。岸田先生が最初に上げてきてくれたアレンジを聞いて、もうすでに素晴らしかったのだけど、歌目線で見た時になんかこうもう一箇所展開が欲しいなっていう話になって。

岸田:楽曲全体のバランスから見ても、あのセクションはやっぱ足して正解だったと思いますね。

二上:実際、今回の楽曲のアレンジ作業ってどうだった?いつも岸田先生にお願いするときは、大枠だけであとはもう岸田先生にお任せするのが僕のスタイルなので(笑、今回は特に色々新しい要素というか情報も足されていたから、大変だったんじゃないかなって。

岸田:だいしろうさんから最初にいただいたアレンジイメージが、今まで「COCOA」で表現してた世界観とは変えたいという部分と、「バンドっぽくない音作り」っていう感じだったので、そこをベースに組み立てていったんですけど、ちょうどその頃自分がEDM系の音にハマっていたのでアレンジの方向性はそっちに寄せて、ここに到るまでに「COCOAの音」っていうものをしっかりと知れていたので、そことは違う音の世界にしていった感じですね。

二上:アコギ一本、歌ひとつのデモからあそこまで世界観を広げられるのは本当にすごいよね・・。

岸田:多分、COCOAの音を知らなかったら、自然ともっとアコースティックな音作りをしていた気もするので、「新しい音作り」をする上で、COCOAのライブやレコーディングに関わらせてもらっていたことは、今回のMr.goodのアレンジにおいて結構大きな要因かもしれないですね。

二上:自分が関わってきた音楽で、アコギが入ってない音源って今までなかったから、すごく新鮮だったんだよね。

岸田:いわゆる「生演奏感」をできるだけ出さないようにしようってのが僕の中でのイメージだったんですよね。だからアコギもないし、ドラムも生ドラムじゃない音にしてあるし、ピアノもエッセンス的に加える感じにして。それと同時に、きっちり歌が届くものにもしたかったので、そこを意識したアレンジにしましたね。

二上:もうね、僕が最初に渡したデモ音源をみんなに聞かせてあげられないのがすごく残念なのだけど(笑、本当によくこの音源からこの世界観が生まれるな!!ってびっくりしちゃうぐらい広げてもらっているからね。(笑

岸田:ありがとうございます(笑 めっちゃシンプルだったからこそ「なんでもやれるな」って思えたところはあるので、逆にあれはあれでよかったんだと思います(笑

音楽から見る「and music product」

二上:一緒に作ってもらった楽曲「Mr.good」は、「and music product」って形で今回はコーヒーと一緒になって発信されてて、今飲んでもらってるコーヒーがまさにそのコーヒーなんだけど、どうですか?

岸田:全然気の利いたこと言えないんですけど、めっちゃ飲みやすいですよね!おいしいです。

二上:よかったー、それはうれしい!!今回のこの「and music product」って、音楽としての魅力とコーヒーとしての魅力が両方あって、そのどちらの側面から知ってもらっても、結果的に両方の魅力をお届けできるっていう新しいスタイルなのだけど、音楽に携わる人間としてこの広がり方ってどんな風に見えてますか?

岸田:めちゃくちゃ実験的で、斬新なスタイルだと思いますね。もともとCDを買うと、ジャケットとかの視覚的なものを通ってから音楽に行き着くじゃないですか。僕自身もそうなんですけど、やっぱそうなると「あぁ、これはあの時に買ったな」とか、「これはあの頃にめっちゃ聞いてたな」とか、より思い出や記憶にリンクすることが多くなるんですよね。配信だけだと、やっぱり聞き流してしまったりすることが多い気がしていて。音楽としての物理的な結びつきをこういう新しい形で表現できるのは、アーティスト側としてもより作品を伝えられる幅が広がって面白いんじゃないかなって。

二上:音楽が形になるときって、今まではCDっていう選択肢しかなかったから、「新しい選択肢のひとつ」として、受け入れてもらえたらいいなって。

岸田:音楽の好みやジャンルがどんどん細分化されているので、「発信の仕方」も新しい選択肢がこうやって増えていくと、もっと音楽ってものが楽しくなるかなって思います。

– 対談相手のご紹介 –

岸田勇気 / ピアニスト・アレンジャー
大阪府出身。
東京芸術大学音楽学部器楽科卒業。
幼少よりピアノ、エレクトーン、ソルフェージュを学ぶ。
2006年、東京芸術大学音楽学部器楽科に入学。
後、クラシック以外の音楽に興味を持ち出し2009年頃から本格的な演奏、制作活動を開始。
様々なアーティストのセッション、サポート、レコーディング、舞台等で活動する。
その後、大学を休学し、渡米。ボストンを中心に多数のバンド、レコーディングプロジェクトの参加、ゴスペルチャーチでの毎週の演奏等で活動する。
帰国後、東京芸術大学を卒業。
ライブ活動、楽曲提供、様々なアーティストのサポート演奏やレコーディング、ドラマやアニメ・ ゲームの劇判の作編曲、等で活動する。

■works(レコーディング参加)

・西野カナ「好き」
・JUJU「All The Things」
・でんぱ組inc.「破!to the Future」「Ψです I LIKE YOU」
…etc

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