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【対談記事】テディさん:僕たちの描く、音楽のこれから②

kusuguru代表の二上(写真左)とミュージシャン兼(株)エルブリード代表取締役
のテディさん(写真右)の対談企画第二弾。それぞれの音楽への思いや、現状の課題への考えにも通づるところがあり、大盛り上がりの時間となっていました。

今回は、さらにふたりが表現者として目指すべき方向や、音楽のこれからについて語り合った熱い時間の様子を、たっぷりとお伝えします。

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複数の顔をもつからこそ、全て一流でありたい

二上:僕はシンガーソングライター、kusuguru代表、そしてフォトグラファーと、いわゆる”肩書き”がいくつもあります。テディさんもドラマーと経営者・マネジメントやレーベル等の裏方という二つの顔があると思うのですが、そのあたりいかがでしょう?

テディ:そこ、難しい問題ですよね。「社長が片手間にドラマーをやっている」と言われてしまっては、意味がありません。裏方としても、ドラマーとしても両方結果を出してこそ「二刀流」と言ってもらえる。ドラムを叩いても優秀でないといけない、どちらの分野でも一流であろうと思っています。

二上:そうですよね。でも、何か一つのことを突き詰めてやっているからこそ”プロ”というのが、今よく言われている価値観だと思うんですよ。

テディ:そうそうそう。

二上:でも、僕たちの考えってそうではなくて。できることがたくさんある人は、複数のことをどんどんやっていくべきだと思うんですよね。

テディ:すごくわかる。

二上:それでもやっぱり、”プロ”は一本でやってこそ、という人は一定数います。その人たちを納得させるには、やはり両方で良い成績を残すしかないんですよね。経営者としてテディさんに会う人もいれば、プレイヤーとしてのテディさんに会う人もいる。僕もそうです。ミュージシャンとしての僕を知っている人が、フォトグラファーとしての自分を見たときに、きちんと受け入れてもらうには、全部に全力でないといけないなって。そう考えると、自らハードルを上げにいってる人生ですね(笑)

テディ:本当にね(笑)

二上:片手間にやっている、もしくは保険かけてやっていると思われがちだけど、そうじゃないから、難しいなと思うところはあります。

テディ:そうじゃなくて、両方やりたくてやってる。両方やるからこそ意味があって、できることや見えてくるものがあると思っています。

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夢と現実を歩く『kusuguru』

二上:kusuguruの活動についてお話ししたいなと思うのですが、kusuguruの動きに対して、テディさんが最初に感じたことは何でしたか?

テディ:ちゃんと現実を見てる、かな。

ふたり:(爆笑)

二上:嬉しいお言葉ですね。

テディ:僕、初めて会った人から「熱い人ですね」と言われるパターンと「すごく現実を見ていてドライですよね」と言われるパターンがあるんです。自分としては、両方とも正しいかなと思っていて。僕、現実的であることに対してすごく情熱的なんですよね。

二上:わー。テディさん、そのイメージがすごくあります。

テディ:ただ夢を語るだけなら、それは子ども。kusuguruは、夢物語ではなくて、現実をきんと見据えて、ちゃんと形にしていくぞ!というところが見えて、すごく嬉しかったんです。

二上:なるほど。ありがとうございます。実際にお話しさせてもらって、同じ熱量でkusuguruの話を聞いてくれることが僕もすごく嬉しくて、すごく幸せを感じているというか・・・。

テディ:同じ温度感で話せる相手がいるのは嬉しいよね。

二上:前例がない話なのに、咀嚼するスピードが尋常じゃないくらいにに早くて(笑)さすがだなと思いました。

テディ:初めて話を聞いた日は、テンションが上がったね。

二上:僕もです。現実的であることに情熱的であるというテディさんの言葉ですが、僕もそうありたいなと思ってるんですよね。僕自身、経営自体には興味はないけれど、色々なタイミングで、数字を見なくてはいけないことがあって。でもやっぱり”二刀流”を実現するためには、数字という部分は、説得力の上ですごく大切だから、きちんと越えていきたいです。

テディ:そうだよね。とはいえ、僕は、既存の音楽ビジネスにどっぷりと浸かっている人間だから、昔よりは頭が鈍っているなとは思いますね。音楽業界の”常識”が入り過ぎてしまった。

二上:なるほど。

テディ:現在の業界全体の枠にハマりたくないと思いながらも、外の発想に対して、ネガティブなイメージやリスクが先行してしまっている自分がいて。発想の”殻”を破れなくなっている瞬間があるなと自覚している中で、kusuguruのお話というのは、とてもキラキラしていて素敵だなと思っています。「これだよね!」というような印象で。

二上:いやぁ、嬉しいです。ありがとうございます。

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届き方にもっと選択肢を

二上:これだけ時代が変わってきている中で、音楽がなくなっていないということは、やっぱり音楽というクリエイティブは必要とされていると思うんです。でもその割には、この50年間で音楽の入手の仕方はあまり増えていない。

テディ:やっぱり、昔から音楽の届き方というのは変わっていないなと思いますよね。

二上:だから今後、音楽の届き方や、音楽への触れ方の選択肢が増えたらいいなと思っています。今kusuguruでは、りんごジャム今治タオルなどのプロダクトに音楽という付加価値をつけて「and music product」として、流通させたり販売させたりする仕組みづくりをしています。

テディ:いいよね。

二上:コーヒー一杯に音楽が付いてくる。ものだけじゃなくて、アクションや行為にまで落とし込んでいくことができると、音楽を楽しむ幅はどんどん広げられると思うんですよね。音楽の届き方という面で、何かテディさんが感じていることはありますか?

テディ:それで言うと、音楽そのものに対して価値を感じる人が少なくなっていると思っています。もう、今の10代の子たちはCDを買わなくなっていますよね。こういう時代の流れに対して音楽業界がきちんとアジャストしていかないから、非合法でしか届かなくなって、本当に届けたい人に届かなくなってしまう。

二上:本当にそうですよね。

テディ:さらに言うと、アーティストや作家に対してお金として還元されていない。ここも重要な問題です。システムが物凄く古い。ちゃんとお金が回っていく仕組みを作らないと、音楽に対してお金を払うという価値観さえもなくなってしまう。

二上:アーティストや音楽に携わる人間が、お金の話をするなんて美徳に反する・・・と言われることも多いですが、それなら、お金の話をしなくて住むような状況を作っていかないといけないんですよね。

テディ:本当にそう。

二上:ずっと昔からピアノをやっていて音大まで行って、これからの人生を決めるときに、プレイヤーか先生になる道しかない、という状況って、すごく勿体無い話だと思っていて。

テディ:勿体無いと思う。

二上:ピアノというスキルを使って、スポーツ選手のように、もっと社会に入っていく仕組みができていれば、音楽業界自体が成熟していくし、ここを目指そうとする人がもっと増えていくのではないかなと思っているんですよね。それを、テディさんと作っていきたいと思っています。

テディ:音楽を長い意味で生業にしていくのって、今の状況ではとても難しいですからね。音楽を使って社会に貢献していく選択肢はたくさんあるはず。それができたら良いですよね。

二上:自分たちがやってきたことがちゃんと未来に繋がっていくという仕組みがあれば、アーティストたちの未来の可能性も変わってきて、楽しいんじゃないかなって。

テディ:音楽の”一部”でしかマネタイズできない今の現状を変えていきたいよね。

二上:音楽作品の消費サイクルが早くなってしまっている今、本当に作品が長生きできて、お金が入ってくる仕組みですよね。

テディ:もっと、作品やアーティストが大事にされるべき。

二上:タイムラインに流れていってしまう音楽ではなく、生活の中や何気なく過ごす時間の中にきちんと残っていく何かができると、これからの音楽やクリエイティブの届き方が価値づけれられるのではないかという気がしています。

テディ:そうだよね。みんながびっくりするようなことしていきたい。「そんなことするの!?」みたいなね。

二上:一緒に作っていきましょう。

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ー対談相手のご紹介ー

大井勇 / テディ
Drums / Management / Lable / Agent / Eventer

幼少時、お祭りの和太鼓に興味を持ち、4歳からドラムを始める。
12歳より、川口伸王氏に師事。
20歳の頃よりサポートやREC、セッションなどの仕事をするようになる。
独特な奏法、個性的なサウンドメイク、グルーヴを確立。

ドラム3台のエンターテインメントショー『Groove Addiction』を坂東慧(T-SQUARE)、今村慎太郎と共に開催。
小さなカフェライブから、ROCK IN JAPAN FESTIVAL、SUMMER SONIC等の野外フェス、幕張メッセ、日本武道館、大阪城ホールといった大会場まで幅広く経験。

また2013年9月、株式会社エルブリードを起業。
2011年~2019年、アマチュア時代から活動を支えた『空想委員会』のサポートドラム、インディーズレーベル、マネジメントも兼任。
数々の大型ロックフェスに出演し、中野サンプラザ、日比谷野外音楽堂、Zepp DiverCityなどでワンマンライブを開催。
アニメ「遊☆戯☆王ARC-V」ED 映画「燐寸少女 マッチショウジョ」主題歌のWタイアップも担当した。

2016年より、広島県福山市のロックバンド『CRAZY VODKA TONIC』のマネジメントも行い
約2年間、ミュージシャン・バンドとして育成。
2018年3月に初の全国流通盤をリリースし、タワレコメン&CDショップ大賞2019 中国ブロック賞を受賞。
オリコンインディーズチャート10位、USENインディーズチャートでは年間1位を獲得。
イナズマロックフェスをはじめ、各地のフェス・サーキットイベントにも出演している。
2019年9月4日、最新作『DARUMA』をリリースし、10月12日には渋谷クラブクアトロにてワンマンライブを開催する。

2019年からはエージェントとして、ミオヤマザキをはじめ複数のアーティストの活動のサポートを部分的に請け負い、スケールアップに貢献している。

その他、個人イベンターとして『TEDDY-PARTY.net』を主宰し、ライブハウスやショッピングモールでのイベント開催を最大で年間150本開催。
ポップス・ロックだけでなく、アコースティック、ジャズやファンク、R&Bでの対バンイベント等幅広いジャンルのイベントを行なった。
イベントでのラジオ番組も約2年間レギュラー放送を持つ等、様々な角度から音楽の仕事に携わった知識・経験を持つ。


■Drums playing with
空想委員会、phatmans after school、磯貝サイモン、TIA、鮎川麻弥、大柴広己、MALLET X PIT、vivid undress・・・etc。

■Management
空想委員会(2011~2019.4)
CRAZY VODKA TONIC(2016.4~)

■Lable
空想委員会(2012.9~2014.1)
CRAZY VODKA TONIC(2016.4~)

■Agent
ミオヤマザキ(2019.2~)

■SNS
・Instagram:@dr_teddy_0304
・Twitter:@dr_teddy

■CRAZY VODKA TONIC

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■空想委員会

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