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2019年中学入試国語の最新傾向 / 竹本稔①(栄光ゼミナール)

こんにちは!
小学生向け語彙本『クスッとわらって サクッとつかえる ことわざ / 慣用句』を発売しています、クスわら編集部です!

クスわら編集部では、中学受験を考える保護者の皆さまへお役立ち情報をまとめた「中学受験NaviCo」というサイトを運営しています。
NaviCoに掲載した有識者へのインタビューを、こちらのnoteでも公開していきたいと思います!

第一回は栄光ゼミナール 中学受験国語科責任者の 竹本稔 先生です。
クスわらの監修も担ってくださった、実績のある先生です。

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1.〈2019年の中学国語入試の傾向〉

Q:今年度の国語入試の傾向を教えてください。
A:なんといっても、意見型・作文型問題の増加が挙げられますね。たとえば、埼玉県の淑徳与野中学校では、「図書館にマンガをおくことへ賛成か反対かを答え、その理由を答えなさい。」という問題が出題されていますし、栄東中学校では「物語の最後にいれる一文を選び、その理由を書きなさい。」という問題がありました。つまり、「論理的に自分の意見を述べる」といった問題が入ってきているということです。入試問題全体として、形式が多様化しているともいえるでしょう。これらは、いわゆる「受験勉強」のテキストだけをやっていれば身に付くような能力ではありません。と申し上げると、ご不安になるかもしれませんが、たとえば、普段の生活の中で新聞やテレビ、インターネットのニュースを見て、時事問題に触れているだけでも違います。そのニュースについて自分なりの意見や考えに思いを巡らしたり、家族や学校、塾の先生と話をするのも役に立ちます。


2.中学受験 国語で必要とされる力 「語彙力」「読解力」「記述力」

Q:では、国語の入試においてどのような力が必要なのでしょうか?
A:まず、「語彙力」が必要ですね。これは「ことばの力」、国語においてベースとなる重要なものです。その「語彙力」の上に「記述力」があって、「読解力」があります。ことばを知らなければ、書くことも読むこともできません。一番大切なのは、基礎である「語彙力」です。
ことばの勉強に、終わりはありません。膨大なことばがありますから、効率よく身に付けていかなければなりません。語彙力学習に関しては、質の高い教材が必要だと思っています。

次に「読解力」についてです。これは、中学受験の国語では、「書いてあることを冷静に読み取る力」のことを指します。語彙力とのつながりで話しますと、慣用句がポイントになります。
慣用句は文章中に自然にでてくることばですので、数あることばの中でも「読解」に直結する大切な力です。
「記述力」については、最後にくる応用的な力だと思っています。
これは高学年で力を付けていくものだと思って、対策をすることが大切です。

Q:中学受験の国語では、どのような対策が必要ですか?
A:学校によって問題の傾向は大きく異なります。全問選択問題で、記述力はほぼ不要な学校や、一方で桜蔭など記述問題しか出題されない学校もあります。
よって、必要な対策も全く違ってきます。

Q:志望校はいつ頃決めればよいのでしょうか?
志望校を早めに決めれば、それだけ傾向を知り、対策をする期間が長くなりますので、できれば6年生に上がる頃には決めておくのがよいでしょう。
志望校の傾向が分かっていれば、お子さんも「記述は大事」「読解が大事」と自分なりにしっかり取り組んでくれるはずです。
逆に、4・5年生の頃はどんな問題にも対応できるように、まんべんなくバランスよく学習することが大切です。


3.中学受験 国語が苦手でも!家庭でできる学習法

Q:家庭での学習方法や、やっておくべきことはなんでしょうか?
A:まず、保護者の皆さまにお願いしたいのは、学習環境をととのえてあげることです。頑張って勉強しているときに、弟や妹がそばで遊んでいる、などの状況は避けてあげたいものです。家族の雰囲気は学習のモチベーションや集中力のためにも、とても大切だと思います。
また、ツール・物への投資をしてあげてください。地図や図鑑など、身近にあるものがやる気につながっていくことも大いにありえます。
また、「国語」という点でお話すれば、辞書を使わせてほしいです。国語辞典をお子さんに渡して、自らことばを調べる習慣を身に付けてくれるととてもよいなと思います。国語辞典などを買ってあげることも、1つの投資ですね。

Q:読書はどうでしょうか?
A:読書が好きな子には、どんなジャンルであっても「好きな本を読みなさい」と言ってあげるのがよいと思います。
反対に、本が嫌いな子に無理に「本を読みなさい」と与えるのはあまり効果がないように思います。そういうお子さんは、「文字に触れる」という習慣をつけることが先決です。子ども新聞でも図鑑でも、少しでも興味が湧くようなものならば、文章でなくとも、よい本でなくとも大丈夫です。「文字に触れる」という頻度を増やしていくことが重要です。
読解力を付けるためにも、その機会を増やすことが第一歩となるでしょう。


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竹本先生のインタビューはあと2回つづきます!

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