僕の人生がつまらない理由

小学4年生の頃「1から10までの全ての数で割り切れる一番小さい数っていくつなんだろう?1×2×3×4‥×10なら割り切れるんだけど‥」って言ったら「でももっと小さい数でも割り切れるよね!僕も同じことが気になってた!!」って言ってくれた友達がいて、そのときはじめて「理解された」と思った。

その後で僕らは「素数」という概念を知って、さらに「約数」という概念を知ることになる。 そのときのワクワク感といったら素晴らしかった。 自分たちの立てた問いの答えが2520だとわかったときは本当に嬉しかった。
たぶんそれが人生で一番楽しかった出来事だ。 学ぶことの楽しさ、そして発見することの楽しさが、そのときはまだ紛れもない本物だった。

その友達は僕より頭がいい。 幼いながらも僕はそのことに気が付いていて、その予想通り彼は一浪して東工大に進学した。僕は現役だったけど千葉大に進学してしまった。 大学に受かった一年後、僕は本気で悔しいと思った。
僕がもっと優秀になりたいと思う理由は学歴コンプレックスなんかではなく、もっと稼げるようになりたいわけでもなく、その悔しいという感情のためだ。 もっと僕の頭がよければ、僕はもっと面白い人たちの中にいることができて、もっと多くを発見できたのに。
僕にはその喜びを味わう資格がないのかもしれないと思ったときから、僕は人生がつまらない。 退屈なわけではなく、それなりに楽しいこともあるけれど、小4の頃の強烈な体験から比べたら相対的につまらない。

クソ!

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