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ドッグトレーナーが子犬を迎える②

さてどんな犬を迎えよう。

私は小さい頃を含めると、これまでに4頭の犬と生活してきました。

1頭目は、ミニチュア・ダックスフントのオスを子犬から。まだペットショップに子犬がほとんど陳列されていない時代で、親が近所の小さなペットショップに相談してブリーダーさんを紹介してもらった子でした。

2頭目は、1歳の雑種のメスを民間のアニマルシェルターから。一応ラブラドールミックスとは言われましたが、不明。まだ「保護犬」という言葉がメジャーにはなっておらず、野良犬と言っていました。

3頭目は、大学の研究室で、トレーニングの勉強をするためにみんなで世話しようと、推定1歳半の雑種のオスを。始まったばかりのインターネットで見つけました。錦糸町で放浪していたところを保護されたそうです。こちらも耳がたれていて短毛だったことから黒のラブラドールミックスと言われていましたが、15kgだったし性格的にもたぶん違っていました。はじめの2年ほど研究室で飼育して、その後引き取りました。

4頭目は、パピヨンのオスの子犬をブリーダーさんから。初めて自分でパピーから世話をした子でした。ただし仕事で諸事情があって迎えた子で、「パピヨン」という犬種を自分で選んだ訳ではありませんでした。それまで、パピヨンのことを単にかわいい愛玩犬だと思っていましたが、聡明で活発でトレーニング好きな犬だということを知りました。

とういことで、私の犬飼育歴には特にこだわりはありません。しかも1・2頭目は親が決めた犬です。

そして5頭目、今回は成り行きで犬が手元に来そうな状況ではないので自分で決めなくてはいけません。

ドッグトレーナーという仕事の中でも、私はパピートレーニングに力を入れています。トイレトレーニング、社会化、パピーから迎えるのであれば色々なことを小さいうちから、と謳っています。

となると、例えn=1だとしても子犬から迎えてパピートレーニングの経験を増やしたいところです。

子犬か成犬か、という選択肢は私は子犬を選ぶことにしました。

ただし、パピーから迎えるのは楽しい反面苦労が多いです。忙しい人や高齢の方が犬を迎えたい場合などは私は成犬の方が合っているのではないかと思います。性格が固まりつつある成犬の中から自分に合う子を探すのが良いでしょう。ただ、人社会に慣れていない成犬を迎えると子犬以上に苦労する場合もあります。自分が対応できるレベルを考えて選ぶ必要があります。

次に、保護犬にするか純血種にするか。

これは非常に悩ましい問題です。私は単純に雑種が好きです。雑種というのは今流行りの◯◯✕□□といったミックス犬ではなく、何が入ってるのかよく分らない子達です。できればサイズは中型犬。育種によって外観も行動も目的を持って作られている純血種に比べて、雑種の方が本来は色々な意味で中庸で扱いやすく、家庭犬には適しているように思います。

とはいえ、日本の雑種(保護犬)の子達の生い立ちは決して恵まれた環境ではないことが多いのではないでしょうか。人と全く接触がない親犬から産まれている子も多いので、警戒心が強くトレーニングに時間がかかる場合も少なくありません。

私は仕事場に犬を連れて行くので、どちらかというとメンタルがタフな犬でないと犬の負担が大きくなってしまいます。タフな雑種のパピーを見つけられるだろうか、、、少々ハードルが高い気もします。

また、私は保護犬を迎える社会も大切だと思っていますが、それと同じくらい、純血種の育種という文化を残していくことも大切だと思っています。それぞれの純血種を愛するブリーダーがしっかりと育種をして良い血統を残してもらいたい。犬と生活するというのは、かわいそうという感情の上だけにあるものではなく、長い人と犬との歴史の中に続いている文化の継承でもあると思っています。

色々悩みに悩んだ結果、5頭目の子は純血種のパピーを迎えることにしました。

ドッグトレーナーとして、おそらく大変であろうと思われる犬種に挑戦してみることにしました。


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