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企画についてのおはなし

こんばんは、お久しぶりです。靴底です。
今回は、1年通して制作した一つの踊ってみたのシリーズ作品について文字に残しておきたくなったので書くことにしました。長くなると思うのでお時間ある時にでも読んでいただけるとうれしいです。

2023年1月に、自主企画をしたい!と思い色々考え始めました。
自主企画を、と考えた時に写真なのか映像なのか悩みました。
悩んだ結果、普段撮影編集という形で携わっている「踊ってみた」という映像作品を通して表現したいと思いました。
音楽があり、振り付けがあり、それぞれの表現の仕方があり、ロケーションがあり、撮影する人の撮り方、編集の仕方がありと個性と個性がかけ算されて出来上がる作品が踊ってみただなと個人的に思っていて、お互いの個性を最大限に活かし作品を作ることができたらいいなと思い企画しました。

やる!ってなった時に、
「ヨルシカさんの曲でやりたい。」
「春夏秋冬で4部作にしたい」
「オリジナル振付」
この3つは私の中では絶対でした。
絶対と言っても、撮影編集の私だけでできることではなく
4人の踊り手さんに振り付けを作って表現していただかなければ完成しなくて。
忙しい中、協力してくださった4人には本当に感謝です。ありがとう。
その4人というのが
(敬称略)
春:ぐると2号
夏:えんまちゃん
秋:松村
冬:露藍

になります。
なんでこの季節にこの人だったのかとか、靴底がなんでこの4人にお願いしたのかなどはこの後、それぞれの動画のこだわりとかを書いていくところで言っていきたいと思います。

その前になんで「ヨルシカ」というアーティストの曲を選んだのかについてお話ししたいと思います。
理由はとても単純で
「ヨルシカ」の作る音楽や世界観が私にとって、とても落ち着く安らぐもの。そしてとても刺激をもらうもので、私も映像を通して落ち着く、安らぐ、刺激をもらえる作品を作りたい、そう思ってもらえるように表現できるようになりたい。と思い選びました。
私は、撮影者なので表立って表現する訳ではないけど、だからこそいろんなことを試行錯誤しながら裏方なりにできることを考えて企画、製作しました。

そして、「春夏秋冬」にこだわった理由は
それぞれの私が感じる「季節にある雰囲気」と「ヨルシカさんの音をきいて感じる雰囲気」が一緒だったからです。
夏に風鈴の音を聴くと、「あ、夏だな〜」って思うのと同じ感覚で
ヨルシカさんの曲それぞれの音を聴いたときに、「あ、春だな〜」とか。
もちろん歌詞に季節の言葉が入ってたりするものもあるから季節を感じやすいけど
私は特にヨルシカさんの楽曲は音で季節がはっきりしてるな〜すてきだな。と思ったので季節にこだわりました。(わかりずらいかも、、、)
それと、季節にも個性があるんだから一緒に表現しないのはもったいないなと思いました。


次からは春から順番にそれぞれの季節ごとのこだわり等、お話ししていこうと思います!

まずは春!
[ ぐると2号 × 風を食む ]
です!!

春は、新しいことが始まったり、今までの環境が変わったり
新しい出会いがあったり、別れがあったりと
うれしかったり悲しかったり不安だったり、ドキドキしたりそわそわしたりする季節だなと思っていて、心が少しざわざわしてしまうなと。
だから、つつみこんでくれるような作品にしたいと思いました。

そう思った時にすぐ、ぐるとちゃんだ!と思い相談させていただきました。
とてもあたたかくてまっすぐで優しいぐるとちゃんの雰囲気や踊りがとても好きでお願いしました。

この動画は、最初と最後にインサートを入れていて
最初は、手に桜の花びらが1枚ひらっとくるシーン
最後は、手から花びらが旅立つシーン
このインサート入れた意味が2つあって
「出会いと別れという春ならではの表現をしたい」と
「このシリーズがスタート地点について、次の人につながっていくということ」を表現したくて入れました。
特に最後の花びらが旅立つシーンは、花びらが旅立つ前にぐるとちゃんがほほえんでいるシーンからの流れになっているのですが、不安も多い季節、新しいこと(環境)が心配な人の気持ちが少しでも和らげばいいなという意味も込めました。

00:36~のところにうすーく映像を重ねていて、歩いているところの影や川のきらきら、花びらが舞うところ、横顔を入れています。
これは私が生活していて春にときめくシーンを入れています。
うすく重ねているのは、頭の中を表現したくてぽやっとさせています。
不安でもどこか頭の片隅にきらきらしたときめくものを置いておきたいなと。

それと、1:44~のカットと2:18~のカットはわざとピントが合わないようにしていて。
これは、生活においてもいろんなことをする時においても
全部が全部鮮明に見えすぎてしまったら、
俯瞰で見たり力がずっと入ってしまったりしたら疲れてしまうから
たまには力を抜いていいのかなと。
鮮明じゃなくてもいいのかなと。


編集前
編集後

動画の色味については、靴底の中で「春」といったら透明感なので透明感を意識しつつ、衣装の白が活きるように、青色を大切にしつつ、ときめいてもらえるような
どこかあたたかい印象になるように色を作りました。

ぐるちゃん!
やわらかくてでも芯のある、あたたかい気持ちになる振り付け、踊り、表現をありがと!


次は夏!
[ えんまちゃん × ただ君に晴れ ]
です!!

夏は、いろんなことやものがキラキラしていて
眩しくて、どこか儚くて
今回は、夏のキラキラというよりかは儚さを表現したいなと。
毎年それぞれの夏を過ごして、それぞれの思い出があって
楽しいことや嬉しいこと、悲しいことや寂しいこと
春とはまた違う心のざわざわがあって
去年はあ〜だったのにねとか
昔はこうだったよねとか、年を重ねるごとに
感じ方とか考え方とか変わっていって寂しいようなうれしいような。
そんななんとも言えない感情を忘れたくなくて作品にしたいと思いました。

この感情を作品にしたいと思った時に、ぐるとちゃんの時と同じですぐにえんまちゃんの顔が浮かびました。えんまちゃんの作る振り付けとえんまちゃんの儚げな表情がすごく好きで相談させていただきました。

この動画は、インサート多めに構成を組んでいて
ヨルシカさんのMVをリスペクトして組んでるところもあります。

1サビ、2サビ、ラスサビで手をパンパン!ってするシーンのところそれぞれ構成を変えていて
1サビ:手元のみアップ
2サビ:上半身アップ
ラスサビ:引き
になっているんですが、私の歌詞の解釈的に心情はどんどん晴れていく感じを表したくてこのカット構成にしました。
1サビの
追いつけないまま大人になって
君のポケットに夜が咲く
(アップカット)
口に出せないなら僕は一人だ
それでいいからもう諦めてる
っていうところは、悲しいとかモヤモヤっとした心情だと思ったので
表情のアップというよりかは、手元のみ。

2サビは
俯いたまま大人になって
追いつけない ただ君に晴れ
(アップカット)
口に出せないまま坂を上った
僕らの影に夜が咲いていく
という歌詞から、1サビよりかは少し心は晴れているのかなと思い表情の見えるカット。

ラスサビは
追いつけないまま大人になって
君のポケットに夜が咲く
(アップカット)
口に出せなくても僕ら一つだ
それでいいだろ、もう
という歌詞を聴いた時に、前に進もうとしていて心はもう晴れているのかなと思い、えんまちゃんの踊りや表現が1番はっきりと見える引きにしました。

それと、2:34~からのシーンは、MVをリスペクトし、夕方のシーンにしました。
儚さや少しの不安感を表現したくてカメラを手持ちしたシーンを入れました。

全体的に歌詞があるところのアップカットやインサートは表情が見えるように
メロディーなどの音のみのところは気持ちがはっきりしてない感じや不安定な感じを出したくて手元のみとか風景とか部分的なものにしました。

編集前
編集後

動画の色味については、「夏」と言ったら青!!!とか鮮やかなイメージだと思うんですが、今回は儚さだったたり寂しさだったりを表現したかったので、鮮やかというよりかはくすんでるというかモヤがかってる感じにしたくて色をつくりました。

えんまちゃん!
儚さのある表現や葛藤の中にも芯のあるえんまちゃんらしい振り付け、踊りありがと!


次は秋!
[ 松村 × チノカテ ]
です!!

秋は、だんだん風が冷たくなってきて日が落ちるのも早くなってきて
なんだか寂しい気持ちになる季節だなと毎年思っていて。
個人的にとても不思議な気持ちになる季節。
夏より早く日が落ちるのを見て寂しい気持ちになったり
お部屋に差し込むその日を見てきれいだなとうれしくなったり
でもなんか少しだけ寂しいが強くて
夏の儚さとは少し違って、なんか繊細で壊れてしまいそうな感覚になる季節
もし、同じ感覚の人がいるのなら少しでも包めるような作品にしたいと思いました。

この気持ちを作品にするってなった時に、私の好きな松村ちゃんの動画のことを思い出してその動画を改めて見た時に雰囲気や踊り表現がとても繊細で、優しくて、お願いしたい!って思い相談させていただきました。

この動画は最初のみインサートを入れていて下から上へ顔を上げる動きをしていて、これは少しでも上を向いていきたいという思いを最初に入れました。

春夏との2本とは違いスタジオで撮影しております。
2つ理由があり
一つはヨルシカさんのMVが部屋の中で表現されていること
もう一つはできるだけ画面の中の情報量を多くしたくなかったからです。
作りたい雰囲気的にごちゃごちゃしてるというよりか
空っぽに近いシンプルな感じにしたくてスタジオにしました。

00:28~の部分的に手元などのカットを入れてるところは、手持ちで撮ることで少し不安定な感じとカットの切り替えをふわっとさせることでやわらかいイメージをと思いカット入れました。

03:06~と03:58~のアップカットは、この曲の中で1番感情が言葉になってあらわれてるところだなと個人的に思ったので引きではなく表情を見せるシーンにしました。


編集前
編集後

色味に関しては、この動画通して
日が落ちていくのを表現したかったので
最初から最後まであたたかい雰囲気は保ちつつじわじわと色を変えています。
ベースの色は、淡く優しい感じを表現したくて色を作りました。

まーちゃん!
とても繊細であたたかくて優しい振り付け、踊り、表現ありがと!


最後は冬!
[ 露藍 × 盗作 ]
です!!

冬は、孤独感を感じたり自分の中でいろんなことに葛藤したりすることが多くて
その迷いや苦しみの感じをストレートに作品にしたいと思いました。
今までの、「春」「夏」「秋」の3作は前向きな気持ちや思い、感じ方を作品にしてきたけど、誰しも前向きな感情だけではなく葛藤したり迷ったりすると思ったので最後は3作品とは全然違う作品にしました。

シリーズ最後で、この葛藤などの感情を作品にするって決めた時に、とても悩んででもとても見て見たくて感情を表現して欲しくて、でも今までこのテイストの曲を踊っているのを見たことないけど物凄く見て見たくて、露藍ちゃんに相談をしました。

この動画には、最初にインサート、最後のカットは倒れるところのアップカットにしてます。両方とも色を抜いてモノクロに近い色味にしています。
これは、最後のカット(倒れるところ)のあとに最初のカット(倒れた後)というように葛藤や苦しみがループするという意味にしたくて構成したり色を合わせたりしました。(伝わりづらいかも、、)

00:33~の「僕は盗んだ」と03:09~の「僕は盗んだ」はアップカットになっていて、同じ振り付けだけど表情を変えてもらいました。最初の方は目を泳がす感じ、後の方は睨みつける感じにし、この曲の登場人物の感情の変化を表現してもらっています。

今回も手持ちでカメラを動かしていて、00:57~のカットはゆるやかに動かしていて、02:49~は臨場感を出すためにわざとブレさせています。音の強さや曲を通しての感情の変化を表現してます。

そして、03:37~のシーンで「ぐると2号×風を食む」「えんまちゃん×ただ君に晴れ」「松村×チノカテ」のそれぞれの動画から少しづつ振り付けをもらい
音楽の盗作の表現に加え、”踊ってみた”の盗作もしてもらいました。

編集前
編集後

今回はスタジオの照明担当の方と打ち合わせをして照明を組んでいただきました。
周りは暗くて逃げ場がないような、そこでしか表現できないような空間を作りたくてこの照明にしていただきました。
色味については、暗いところも黒!ではなく少し青を入れて見ていて疲れないような、でも闇を感じれるような色にしたくて作りました。

今回どうしても楽器を入れたくて、露藍ちゃんの大切なサックスにも登場していただきました。サックスありがと。

露藍ちゃん!
困ってしまうとわかっていながらも露藍ちゃんでこの曲がどうしても見たくて、、とてもすてきでした。ありがと!


もっともっと文字にしておきたいことばかりだけれどさすがに長いので
あとサムネのことと、最後にまとめをして終わりたいと思います!


サムネは4作品とも横顔にしています。

その理由として、個人的な印象でお顔が正面を向いているととても意志を強く感じてしまうので今回の作品的に正面ではなく横を向いてもらっています。
そして「風を食む」「ただ君に晴れ」「チノカテ」は左のやや上向
「盗作」は右の真横を向いてもらっています。
左向きの3作品は、前向きな感情や決意
右向きの盗作は、後ろ向きや背くことの表現
としてサムネを作りました。
フォントを使わず手書きでタイトルを書いたのは、手書きにすることにより
作品の雰囲気がよりリアルに伝わるのではないかと思ったからです!


最後に!
まず、忙しい中おり振りにもかかわらず了承してくれたぐるちゃん、えんまちゃん、まーちゃん、露藍ちゃん本当にありがとう。
振り付けを作って踊ったり表現してる姿を見て改めてすごいなって物凄く思いました。感謝。ありがと。

そして作品を見てくださったり、感想を伝えてくださったり
この記事を最後まで見てくださったり、、、、たくさんたくさんありがとうございます。

自分で企画したものだからめちゃくちゃ色々考えているわけではなくて
普段お手伝いしている動画やご依頼いただいた動画で構成等任せいて頂いている作品も今回文字にしたみたいに考えながら作っています。
今回こうして普段の考えやこだわりなど文字にすることができてよかった!
多分、書かないほうがかっこいいこともたくさん書いている気がするけど
またいつか読み返した時に何か得ることができるかもしれないのでこのままで。
改めて作品を作れること、携われること、表現できること、それを評価してくれる人がいること、とても幸せでもありがたいことだなと思いました。
ありがと。
これからも頑張ります!
またどこかで!

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